行き場のない患者149
●●O弁護士と雑談●●
N事務長の最後の攻勢に手打ち?・・・取引に応じたO弁護士は、事務長職も大変だとN事務長を労いますが、N事務長は心の中で、しめしめ上手くことが運んだと一人喝采をあげています。
それにしても、O弁護士がまともな弁護士で本当に良かったとN事務長は思っていました。
そう思うと、N事務長はもう少しO弁護士の人と成りに触れてみたい気分になってきました。
N事務長も目的を達成し、O弁護士も納得したようですから、少し雑談でもしてみることにします。
「O弁護士は、いろんな病院に出入りされているんですよね」
「はい・・・と言っても、ほとんどの病院からは目の敵にされています・・・だから、あまりいい気分で病院の門をくぐったことはないです」
そりゃそうだろうな・・・
「目の敵はないでしょう」
「いや、もう病院に入った瞬間から、非難の視線が病院中から飛んできます」
「ははは、完全に悪人ですね」
「何とも嫌な役回りです」
「病院で働く人達は、まだ医療を聖域と思っているところが多々ありますから・・・」
「やはりそうですか・・・いろんな話をすると、オマエに医療の何が解るのかという思いがヒシヒシと伝わってきます」
「それは、私もそう思います。この病院ではそういうことはありませんが、事務屋が何を偉そうにってな感じはありますね」
「そうなんですか?」
「無きにしも在らずです」
「そんな時はどうするんですか?」
「一般論、常識論で徹底抗戦して撃破します」
「それは心強い・・・でも、それは院内での話で、逆に院外の人で病院に対して敵愾心を持っている人、私みたいな病院にとってはどう考えても不利益にしかならない人にはどう対応するんですか?」
「内容にもよります」
「内容と言うと、病院に過失がある場合もあるということですね」
「ええ、それも頭に入れてということにしてください」
「実際にあったかどうかは別にして、どう対応されるんですか?」
「どう考えても病院に過失がある場合は謝罪しかないですね」
「そうですか・・・」
「過失があったとしても、客観的にみて、そこには情状酌量の余地がある場合は、相手によって対応を変えます」
「相手によって?」
「ええ、相手が何を求めているかによってです」
「それは、謝罪とか賠償とかということですか?」
「まあそれも含めてです」
「その判断基準は何ですか?」
「勘です」
「勘?」
「はい。その時の状況や話し合いの内容からの勘です・・・でも、そういうことはO弁護士でもありますよね?」
「まあ、無きにしも非ずですが、職業倫理上、委託した場合はあくまで依頼人の利益を優先するのが私の仕事です」
「と言うことは、委託する前ならばあるということですね?」
「そういうことになります」
暗に、今回がそのケースだと言っているのでしょう。
おっと私の話ばかりになっています・・・O弁護士のことも聞いてみましょう。
以下 ●●O弁護士と雑談Ⅱ●● は150に続く