●●現行犯逮捕ダ!●●
病院からのSOS緊急連絡を受けて身繕いをするN事務長・・・ 休みで、髭も剃っていませんでした・・・ 慌てて電気シェーバーで髭を剃り、スーツに袖を通し、車庫までダッシュ! 要した時間5分・・・ 車ではしること15分!
「キキッー!」
車を病院の正面玄関に乗り付けると・・・ そこには、酔っぱらって座り込むDさん・・・ それを囲む制服を着た地域課の警察官2名・・・ 何故か顔なじみの刑事課の刑事さんが2名・・・ 普通、警察に電話しても地域課の警察官が2名のんびりと自転車でやってくるのに・・・ なんか大事になってます・・・ あれあれ、パトカーまで止まっています・・・
「おい、D! 事務長も休みの日なのにオマエの為にわざわざ出勤だぞ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ごくろうさまです! すみません警察にご迷惑お掛けしまして・・・」
「N事務長、今日は特に事件も無かったんで! それにDが病院内で暴れていると・・・ 女性職員が助けてくれと通報があれば飛んでくるよ!」
「そうですか・・・ 普段ならば、院内で処理するのに申し訳ありません!」
「ちょっと、事務長こっちに来てくれるかな?」
「はい」
少し離れた場所に一人の刑事さんと移動する!
「Dなんだけど・・・ 今回はだいぶ暴れたんだ! 後で事務所見てくれるかな・・・ それと、女性職員が物投げ付けられたらしい! どうしようか、警察に引っ張っても厳重注意で帰すことになると思うけど・・・ 事務長から調書とっても、それ以上できないかな・・・ 現行犯でもないし、それで、いいかな?」
「そうですね! ご迷惑でなければ、お灸だけ据えてください! ところで刑事さんDさはご存じなんですか?」
「ああ、管内じゃ有名人だ! 昔はやんちゃだったけど・・・ 今は事務長もご存じのとおり酒浸り・・・ 毎日何処かでクダ巻いている!」
「そうですか? ところで、今日はDさん錆びたナイフ持ってなかったですか?」
「持ってたけれど、あの刃渡りでは銃刀法違反も捕れないわ!」
「使ってないんですね?」
「出してないみたいだ!」
「それは、よかった! あんなもの出されたら職員も危ないし、Dさんもいらぬ嫌疑をかけられるから・・・」
「事務長は優しすぎるな! Dも危ないところあるから注意しろな!」
「そうですか?」
二人でDさんの元に戻るとDさんはもう一人の刑事さんに説教されている・・・
「Dさん、お酒飲んで病院きても診察しないっていったでしょう・・・」
すると、Dさん普段より目が据わっている!
「ウルセー、オイ事務長!」
言うと同時に座り込んだままそばにあった空のペットボトルをN事務長に向けて投げつけました! 見事、ペットボトルはN事務長の顔面を直撃!! その瞬間、今まで優しい顔をしていた二人の刑事さんの形相が変わり・・・
「現行犯ダ!!」
「14:30分、暴行容疑で現行犯、逮捕!!」
というが早いか、Dさんを後ろ手にネジ上げ!!
「D、現行犯ダ、おとなしくしろ!」
と、暴れるDさんを引きずるようにパトカーの後部座席に押し込みました・・・ その早業たるや、アッパレの一言!! Dさんは?
「痛い、痛い、オレは何もしてないぞ~」
さて、刑事さんの目の前でペットボトルをN事務長に投げつけたのがDさんの運のつき、でも、これがN事務長危機一髪ではありませんでした・・・
以下 ●●Dさんの過去●● は⑦に続く