医療訴訟30
●●Aさんの申し出●●
Wさん一家は、あまり冷静に話をが出来る人がいないため、亡くなったWさんと懇意にしていて、息子さんも小さい頃からよく知っているAさんが、家族の思いを伝えにきましたが、やはり、空回り・・・
空回りというよりは、Wさんの家族と病院の主張が咬み合いません・・・
いつものことで、言った言わないの押し問答になるのは、不毛な時間を費やすだけなので、避けたいなと思っていると、何かAさんから提案があるようです。
「Aさん、法的手段といっても、医療訴訟を起こすつもりなんですか?」
「そうみたいですよ」
「そうですか・・・でも、それこそ時間の無駄ですよ!」
「N事務長から見て、正直なところどうだ?」
「どうだと申しますと?」
「どちらの意見がとおると思う?」
「100%病院の勝訴となりますね」
「そんなものか?」
「間違いなく・・・」
「随分自信があるようだね」
「そうですね、するべきことはきちんとしていましたから」
「言い切りますね・・・」
「当然です」
「ということは、訴訟を起こしたら、病院にとって時間の無駄というわけですね」
「病院だけじゃないと思いますけれど・・・それに、費用も無駄です・・・」
「結構掛かるかな?」
「Aさんはよく知っていらっしゃるはずですよね?」
「どうかな・・・」
「それで、Wさんの家族を納得させる方法でもあるんですか?」
「そうですね・・・これは、私とN事務長だけの話にしてくれるかな・・・」
「そうさせて頂きます」
「N事務長は、もう気付いていると思うが・・・
W一家は猪突猛進というか、思慮が足りないというか・・・
兎に角、後先を考えずに行動を起こす悪い癖がある。
そこで、私が間に入って、今回の件は納得させてしまうという手もある。
その場合は、もちろん、私へは謝礼を頂きますよ」
「Aさんが、病院に代わってWさん一家を納得させていただけると・・・
その対価を、病院がAさんにお支払するということですか?」
「まあ、簡単に言えばそういうことかな」
「成るほど・・・でも、病院はきちんとした医療をして、でも、残念なことにWさんが亡くなられた訳ですからから、その条件は呑めません」
「そうか・・・私が一肌脱ごうかと思ったけれど、無理か・・・」
「有り難いお申し出ですが、病院としては、出しどころがハッキリしないお金を出すことは出来ませんから」
「そうか、分かった・・・」
やはり、そうきましたか・・・でも、これだけでは終わらないはずです・・・
以下 ●●Aさんの本業●● は以下31に続く