大阪・兵庫・神戸・京都、関西で、医師・看護師・薬剤師など転職・求職を希望される医療従事者の方へ病院・医院等医療機関の求人をご紹介

Home  »  医療・介護のよもやま話

医療・介護のよもやま話

関西の医療転職・求人サイト メディコプロ プログ

2008.9.30 火曜日

医療訴訟60

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:09:25

●●B弁護士の本意●● 

 B弁護士からの電話連絡で、軽いジャブを打ちあったあと、話は本題に入っていきます。

「ところで、B弁護士、今日の本題は何でしょうか?」

「そうそう・・・そうでしたね・・・」

「カルテ開示の件でしたら、いつでも申請・請求してください」

「それは、そうさせて貰いますが、開示手数料はどのくらいですか?先日頂いた、カルテ開示のしおりには、手数料+実費となっていましたが・・・コピー代だけでよろしいのですか?」

「手数料として、5千円とコピー代、1枚10円になります」

「なるほど・・・」

「意外と高いですね・・・」

「そうですか?コピーを200枚も300枚も取って、それを綴じて・・・その行為に人が掛かりきっりになるわけですから・・・人が労力をかけるわけですから当然の金額じゃないですか?」

「そうですか・・・まあ、妥当でしょうね・・・私はそう思いますが、依頼者はそう思わないわけでして・・・」

「そういうことですか・・・」

「そういうことです」

「と言われても、これは、日本医師会の診療情報開示にかかる指針に基づいて決定しました、院内規約ですので変えるわけにはいきません」

「まあ、そうでしょうね・・・ところで、N事務長は今回の件のことをどう思っておられますか?」

「どうとは?」

「ことの成り行きから考えて、どうお考えになられますか?」

「W氏が亡くなられたことの原因ですか?」

「それも含めて、W家の訴えについてもです」

「W氏が亡くなられたことは、残念だと思いますが、そのことを当院に責任を取れというのはどうかと思います。当院で亡くなったのなら、まだ分かりますが、現実に、転医してから1か月も△△病院さんに入院されていたわけですから」

「そうですか?」

「そうです」

「○×病院さんでは、治療について絶対の自信があるということですね?」

「まあ、そういうことです・・・もちろん、先日、医師から説明があったとおり、治療方針はその都度変更もあり得ますが、現在の医療でのスタンダードな医療行為はしたということです」

「でも、家族は納得していない」

「それは、承知しておりますが、家族さまへの説明も充分にさせて頂いたと思っております。先日、カルテの一部をお見せしたとおりです」

「説明も充分であったと・・・しかし、相手が理解していなければ充分ではないのかも・・・」

「そうとも、取れますが・・・しかし、これもまた言った言わないの世界ですから」

「そこでですが、これは、私の提案ですが、このややこしい状況を打開するためにはお互いが譲歩しなければいけないと思います」

「どう、譲歩するのですか?」

「W家は、病院で何があったのかは分からないが、W氏の死を受け止め、今後は病院とのいらぬ争いはしない」

「そうですね・・・」

「病院さんも、どちらが正しいかではなく地域で医療を続けていく上で、地域の方々と諍いをすることはマイナスでしょう」

「そうですか・・・それで、どうしろと?」

「和解ということで、どうでしょうか?」

「和解?まあ、それにこしたことはありませんが・・・」

「それでは、私が責任を持って書面を作成しますから」

「ちょっと待ってください。B弁護士が間に入って書面を作るということは、その費用、はたまた和解金ってなことになりませんか?」

「それは、当然でしょう。カルテをコピーするのに手数料がかかるのと同じと考えて頂きます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「それでは、その方向で進めさせて頂きますから」

「B弁護士・・・残念ですが・・・お断りさせていただきます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

案の定、そうですか・・・
A氏と一緒じゃないですか・・・
そんな要求飲めるはずがありません!

以下 ●●B弁護士の説得●● は61に続く


2008.9.29 月曜日

医療訴訟59

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:48:08

●●B弁護士からの連絡●● 

病院のある地域の商店街の人達から、病院が医療ミスをしてW氏が亡くなったという話を聞いたN事務長・・・
1日で、2人から聞かされると、さすがに疲れます・・・
これは、断固として、撤回の申し入れをしなければいけない。
そう、固く心に決め眠りについた翌日のこと
飛んで火にいるなんとやら・・・
B弁護士から電話が入りました。

「プルプル」 (かちゃ)

「N事務長、B弁護士事務所からお電話です」

「はい、繋いで」

(かちゃ)

「N事務長ですか?先日、W氏の件でお伺いしましたB弁護士事務所のBです」

「こんにちは、その節はお世話になりました」

「こちらこそ」

「本日は、どのようなご用件でしょうか?」

「先日、W氏が少々興奮しておりましたから、お電話で失礼いたします」

「少々ではなく、いつも、あの調子で、興奮していますけれど・・・」

「そうですか・・・カルテ開示の件ですが・・・」

「それならば、先日もお話しましたとおり、書類、カルテ開示請求書を出して頂ければ、ご要望にお応えできるかとは思います」

「しかし、裁判を前提ですと、開示しないこともあるということでしたので・・・」

「ということは、B弁護士は裁判に持ち込むつもりでおられるわけですか?」

「まあ、それは今後の協議次第ですね・・・」

「その協議は、W家とB弁護士の協議ですか?それとも、病院との協議ですか?」

「ははは、N事務長もよく言いたいことおっしゃいますね・・・A氏がいうとおりだ・・・」

「A氏は私のこと、褒めていてくれるようですね」

「なるほど、そう取られますか・・・ハハハ、面白い人だ・・・」

「B弁護士はどうお考えかは分かりかねますが、当院としては、W氏に施した医療について、いささかも不備、間違いはないと思っておりますので・・・ですから、裁判で負けることもありませんし、示談なんてことも考えられません」

「○×病院の顧問弁護士はK弁護士事務所でしたか?」

「これはまた、よくご存じで・・・」

「何分にも狭い業界ですから・・・」

「K弁護士事務所とは、お仕事で何かお付き合いでもあるのですか?」

「いやいや、個人的に存じ上げてる程度です。それで、今回の件はご相談されましたか?」

「相談に値しませんので、残念ながらしておりません」

「ハハハ、相変わらず強気で、正論を吐かれる」

「そうですか?」

「まあ、顧問弁護士といえども、相談して動けばお金も掛かりますしね・・・」

「そうですが、現段階でその必要なしと考えております」

「なるほど・・・」

「ところで、B弁護士、この地域の人達にW氏が亡くなられたのは当院が医療ミスをしたからなんて、噂、デマが流れているようなんですが・・・出所を今探っているんですが、何かお心当たりでもありませんか?」

「噂ですか?そこまでは、私でも分かりませんね・・・でも、火のないところに煙は立ちませんから・・・」

「まあ、人の噂も75日ですか・・・今だと10日もすれば過去のこととして、忘れてしまうから、いいですけれど・・・」

「まだ、事の真相を究明している段階なのに、酷いことを言う人もいるものですね」

「全く、身近の誰かが、わざと広めていなければいいと思います」

「本当にそうですね」

さて、ジャブはこの程度にしておきますか・・・
B弁護士の電話をしてきた本意をお伺いすることにします。

以下 ●●B弁護士の本意●● は60に続く


2008.9.28 日曜日

医療訴訟58

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:33:14

●●外堀を埋めるW一家●● 

W氏の息子さんに、外を歩く時は気を付けろと言われたN事務長でしたが・・・
商店街を歩いていると、商店街の青年部長に呼びとめられ、W家が発信源と思われる噂?を耳にしました。
もうそれは、噂を越えて、誹謗中傷です。
ただし、一緒に参加したB弁護士は、やはりAさんと旧知の中、もしかすると、運命共同体・・・
更に、この地域の住民の紛争?には、よく登場することまで分かりました。
このままでは、終わりそうにありません。

その日の夜、いつものように庶務、雑務に追われ、仕事が一段落したのは22:00を回っていました。
小腹も空いているので、いつもお世話になっている寿司屋に顔を出すことにしました。

「いらっしゃーい!N事務長!久しぶりー!」

会い変わらず、威勢のいい親方に迎えられてカウンターに着くと・・・

「相変わらず、遅いねー、今まで仕事?」

「そうです。貧乏暇なしです」

「いやいや、○×病院さんのおかげで、近所の人も安心して暮らせるから、感謝してるよ!」

「そう言って貰えると、助かります」

「何飲む?ビール?」

「そうですね」

「生一丁~!」

そんないつものやりとりをして、寿司をつまんでいると、お客さんが少し引けてきました。
お客が引けて、N事務長のお腹がいい具合に満たされた頃合いを見計らって、親方がこっそり話掛けてきました。

「N事務長、病院で何かもめ事でもあるの?」

「親方もご存じのとおり、年がら年中、もめ事の無い日なんてありません」

「そういうのじゃなくて・・・」

「じゃなくて?」

「医療ミスとか、いう奴?」

「そんなのありませんよ!」

「そうならいいけど!」

「もしかして・・・」

「やっぱり・・・」

「居酒屋さんのこと?」

「そうそう」

「あれは、違いますよ!」

「それならいいけど、心配で心配で・・・顔見たら安心したよ!」

あらあら、寿司屋の親方まで知っていました・・・凄いです。ちょっと聞いてみましょうか・・・

「何処からの話ですか?商店街の寄り合い?」

「そこでも話出たみたいだけれど、今月の寄り合いには出てないから・・・」

「お客さん?」

「まあ、そんなとこかな・・・」

「そうですか・・・でも、凄い噂ですね」

「それで、病院が裁判になって負けて、潰れるなんて言ってるのもいるから・・・」

「ははは」 (苦笑)

「大丈夫なんだろ?」

「心配ありません。大丈夫ですから・・・単なる噂です・・・心配なしです」

「そうか・・・でも、AさんやB弁護士も絡んでいるって聞いたぞ?」

「そうですか・・・でも、病院は何一つ悪くありませんから、心配無用です」

「分かった・・・これ以上、詮索するのは止めよう・・・寿司がまずくなる・・・景気付にビールもう一丁、おごりだ!」

「ど、どうも・・・」

寿司屋の親方まで、知っていましたか・・・Aさんの仕業ですね・・・敵もさるものです・・・

以下 ●●B弁護士からの連絡●● は59に続く


2008.9.27 土曜日

医療訴訟57

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:01:58

●●町内での噂●● 

W氏の息子が帰り際に、一言、言い残して帰ってから何事もなく1週間が過ぎました。
案の定、道を歩いても何もありません・・・
少し、期待していたのに・・・
夜道だって平気です。
残念!

そんな気を付けろと言われた、商店街の道を歩いていると・・・
顔なじみで、○×病院の患者さまでもある商店街の青年部長さんから声を掛けられました。

「N事務長!」

「部長さん、こんにちは」

「こんにちは」

「今、時間ある?」

「少しなら」

「じゃあ、店の中に入って」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

部長のお店は3代続くお米屋さんです。
商店街にあるお店で、全国各地からお米を取りよせ、お店で、精米、ブレンドして売っています。
店構えはリニューアルして綺麗ですけれど、昔ながらのお米屋さんの風情があります。
お店を抜けて、事務所に通されました。
実は、病院給食のお米も部長さんに、格安で入れて頂いています。
感謝、感謝・・・
これならば、今流行りの外国のお米が混じることもありません。
安いものを入れようと、商社系がからむお店や会社からお米買うと怖いことになります・・・
商取引は顔が見える関係が一番です。
信頼、信頼・・・

「Wさんのことだけれど・・・」

「何か、お耳に入りましたか?」

「この間の商店街の会合で噂になっていたよ」

「病院が医療ミスでもしたってですか?」

「ミスかどうかは、分からないけれど・・・Wさんが亡くなったのは○×病院のせいだって・・・」

「そうですか・・・」

「病院は、謝罪もせず、門前払いをされ続けているって」

「なるほど・・・」

「真意はどうなの?」

「Wさんが亡くなったのは、△△病院に移られてから1か月経ってからですし・・・」

「そうなの?」

「ええ」

「○×病院さんで亡くなられたのかと思っていた」

「違うんです」

「そうか・・・」

「ですから、謝罪はしていませんが、門前払いもしていません」

「そうだろうな」

「W氏の息子さんは、あの巨体ですから、バリケード作っても壊して入ると思いませんか?」

「確かに・・・で、実際は?」

「先方の要求に対して、真摯に対応しています」

「そうだろうな・・・」

「先日も、話合い、入院中の説明などしましたが・・・」

「したけれど・・・暴れた?」

「分かりますか?」

「小・中学校のころからそうだった!」

「そうでしょうね・・・」

「あいつは、小さい頃から、自分の意見が通らないと、暴力を振るう。だから、町内でも皆、表面上でしか付きあわなくなった・・・」

「やっぱり・・・」

「小学校の高学年、5年生くらいになると、やっぱりそうだろ・・・体の大きさで、力関係が出来る・・・」

「そうですね・・・」

「そうか。それにAさんが一枚噛んだということか」

「まあ・・・」

「Wだけだったらまだしも、Aさんが絡んでいるから、商店街の人も話聞いていると思うよ」

「そうですか・・・良しにつけ、悪しにつけ影響力のある人ですね・・・」

「そうだね、我々の親の世代までは、どうしても・・・戦後の町内のよしみかな・・・」

「まあ、これまで通り、真摯な気持ちで対応していきます」

「そうだね・・・でも、裁判起こすと息巻いていたようですよ」

「そうですか・・・」

「弁護士も顔出した?」

「えっ?」

「弁護士のB先生」

「はっ!ご存じで?」

「いや、Aさん絡みのもめ事には、必ず入ってくる弁護士だから・・・」

「Aさんのお抱えですか?」

「Aさんのお抱えなのか、B先生のお抱えなのか・・・」

「なるほど、運命共同体ですね・・・」

「そうだと思います。気が合うんじゃないかな・・・見かけも似ているし・・・」

「確かに、雰囲気も服のセンスも同じですね」 

「この町内、商店街の人達も随分お世話になった人いるから」

「分かりました・・・頭に入れておきます」

以下 ●●外堀を埋めるW一家●● は58に続く


2008.9.26 金曜日

医療訴訟56

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:02:33

●●話し合いの結末●●

病院側の出席者はN事務長を除いて、退席しました。
それは、W氏の息子さんが危害、暴行、傷害を加えることを危惧したN事務長、A氏の判断によるものです。
そのことが、W氏の息子さんは気に入らず・・・
どうやら、A氏、B弁護士にW氏の息子さんの怒りの矛先が向いたようです。

「どうして、退席させるんだ!」

「どうしてって?」

「Aさん、今日はとことんまで話をするっていったじゃないか!そのために弁護士のB先生まで同席をお願いしたんじゃないか!」

「W!落ちつけ!今のオマエの状態では話し合いにならん!」

「状態とか、話し方がどうのとか関係ないじゃないか!」

「そんなことはない!冷静になれ!」

「B先生も、もっと詳しく聞いてくれよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「B先生は、考えがあってのことだ!」

「そうなんですか!B先生?」

「・・・取りあえず、今日のところは、これで引き揚げましょう」

「W、今後のことは、B先生と一緒に考えていこう」

「そんなのは、手ぬるい!」

「どうしてですか?」

「折角、病院の奴らが、雁首揃えたのに、もっと脅かしてやればいいんだ!」

「W!言い過ぎだ!」

「そんなこと関係ないでしょ!」

「Wさん、今日のところはこれで帰って、今後のことを相談しましょう」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「N事務長、今日は帰らせていただきます」

「そうですか」

「今後のことは、帰ってから再度協議します」

「そうですか・・・」

「今後は私が代理人としてご連絡申し上げますので宜しくお願いします」

「かしこまりました」

「それでは、よろしく」

「W!B先生もそう言っているんだ!帰るぞ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

でも、A氏がW氏の息子を誘導し、ドアを出ようとした瞬間にN事務長は聞きました

「N、道歩く時は気を付けろよ!」

これだから、この類の方々は困ります。
やっぱり最後は、力技です・・・
しかも、話し合いの決着はなし・・・
これからは、B弁護士が代理人ということだけが今日の結論です。

以下 ●●町内での噂●● は57に続く


2008.9.25 木曜日

医療訴訟55

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:12:40

●●帰り際にW氏が・・・●● 

B弁護士は、入院中の治療方針、治療内容にあまり興味がなかったようです。
それよりも、W氏入院、転医に至るまでの経緯が問題だと思っていたのでしょう。

でも、それが普通の人の考え方です。
何故って?
W氏は、△△病院に転医して1ヶ月後に亡くなられたのですよ・・・

月曜日に入院する前、土曜日に入院したとしても・・・
W氏が検査、診察を拒否しているにも関わらず、強引に検査をし入院させたとしても、W氏を救えたか?
何故だかそうは思えません・・・
ご家族さまには申し訳ありませんが、W氏がそれを望んでいたとは思えません。
患者さまが何を考え、何を望んでいるのか、これが分かれば話は簡単です。
でも、この簡単なことを黙して話さない人もいる・・・
沈黙は金?
本人にとってはそうなのでしょう。
でも、残された家族、回りの人は?
W氏の最期は分かりませんが、きっと安らか眠りについたことと思います。
本人は家族に見守られ、家族から悲しまれ、きっと自分の人生に満足していたことでしょう。

W氏の死は、家族にとって、大変なショックであったことは理解出来ます。
長男である一人息子は、勤めはしているものの、自分の家族以外に母親の面倒も見なくてはいけない。
ちなみに、W氏の息子は結婚して小さなお子さんが2人います。
母親は、W氏と一緒に切り盛りしていた小さな居酒屋をどうしようかと・・・
そして、今までずっと一緒に暮らしてきた連れ合いをなくした心境はいかに・・・

そんな、気持ちをW氏の息子はこの説明会の後、爆発させます

「B先生、もう終わりですか?こいつらにそれだけしか聞かないのですか?」

「はい、今日のところは・・・」

「こいつらが、オヤジを殺したんだぞ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「W、B先生に何てことを言うんだ!」

「Aさん、今日決着を付けようっていったじゃないか?」

「どうなんだよ」

「いいから、黙っていろ!」

「こいつらが、オヤジを殺したんだ!」

「分かったから、落ち着け!」

「この野郎!」

と、W氏の息子は椅子から立ち上がり、N事務長に飛びかかろうとします。

「Wを止めろ!」

と、A氏が言うが早いか、若い2人の付添がW氏の息子を押さえつけます。

「W止めろ」「Wさん落ち着いて」

「馬鹿野郎!離せ!」

終に、始まりました・・・病院側の出席者は唖然、呆然としてその光景を眺めています。

「Aさん、病院の他のメンバーは退席させていただきますよ!」

「ああ、そうしてくれ」

「お前ら何処に行くんだ!」

「許さないぞ、看護婦のお前、今度、街で見かけたらタダじゃおかないからな!」

「W、黙っていろ!」

「じゃあ、Aさん、私以外は退席させますから」

「ああ」

「先生、看護部長、師長も退席してください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「こらあ!逃げるのか!」

「さあ、早く、退席してください。後は私に任せて・・・」

「こらあ!N、お前、勝手なことを言うな!」

相当、W氏の息子さん血迷っています・・・
落ち着くのに、どの位時間がかかるやら・・・

以下 ●●話し合いの結末●● は56に続く


2008.9.24 水曜日

医療訴訟54

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:16:38

●●B弁護士の判断●● 

残念ながら、暴力を振るわれて、刑事事件にして終わりとはなりませんでした。
でも、怖いですねー
しかし、逆恨みの方向を医師、看護師から、事務長に持ってくるのも仕事の内です。
いやはや、嫌な役回りです・・・

今まで、日本全国の病院、診療所で患者さまから逆恨みで脅かされたり、暴力を振るわれたりした方、是非、盾となってくれる事務員(事務長)を雇いましょう。
うーん、事務系の鏡・・・
自画自賛・・・

でも、最近よく言われます。
病院勤務を辞した後、顔つきが柔和になったと・・・
もちろん、自分でも感じます。
もっと、患者さまと信頼関係を構築出来る関係でありたいと、いつも医療従事者は考えているはずなのに・・・
でも、現場はというと・・・何がいけないんでしょうか?
偏った新聞・TV報道?医療行政?

おっと・・・話が随分とそれてきましたから、元に戻します・・・
W氏の息子が大きな声で騒ぎ、A氏が止めに入ったところからです

「先生、看護部のお二方、Wが大きな声出して申し訳ありません。まだ若いし、血の気が多いから許してやってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「父親が死んで、Wも未だ、落ち着いた生活を送れていないからその辺りを汲んで下さい」

いやー、A氏の執りなしはお見事です。でも、若いからはないと思いますよ・・・W氏は30も半ばのいい歳なのに

「N事務長もあまり、Wを挑発するような物言いは控えて貰えないか?」

今度は、私に矛先が向いてきました・・・

「そうですか・・・出来るものは出来る。出来ないものは出来ないと言っただけですが・・・」

「まあまあ、N事務長も大人になってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「B先生、どうでしょうか?何か他にありますか?」

「カルテ開示の件ですが」

「カルテ開示でしたら、いつでも、所定の手続きを踏んで頂けましたら開示させて頂きます」

「所定の手続きとは?」

「こちらの、カルテ開示請求書に必要事項をお書き頂き、提出後、カルテ開示委員会の審議を経て、必要部分を開示、コピーしてお渡しします」

「それは、すべて開示して頂けると考えていいのですか?」

「カルテ開示委員会の要綱に則れば、原則、医療訴訟を目的とするカルテ開示には、それを拒否してもよいとなっておりますが・・・まあ、開示はすると思います」

「100%ではないのですか?」

「それは、委員会の審議で決まりますから、私の一存では何とも言いかねます」

「ちなみに、費用は?」

「請求の実費は頂戴します」

「わかりました」

「どうされますか?」

「一応、開示請求書は頂戴します」

「それでは、こちらの書類を一式お持ちください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「折角の機会ですから、入院中の治療について何かあればお答しますけれど」

「今日のところは結構です。カルテの内容を確認しないことには、質問のしようがありませんから」

「それはそうですね・・・」

「それにしても、そのカルテ、凄い量ですね」

「そうですね・・・多分300ページ以上はあるでしょう」

「入院1か月でそんなになるものですか?」

「きちんと医療、看護をした結果だと考えています」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「いつでも、カルテ開示委員会は開催しますので、請求してください」

「分かりました。今日のところは引き揚げます」

「御苦労さまでした」

以下 ●●帰り際にW氏が・・・●● は55に続く


2008.9.23 火曜日

医療訴訟53

医療・介護のよもやま話 — admin @ 17:21:43

●●ねずみ?弁護士は沈黙●● 

転医義務違反の観点から病院の落ち度を探ろうとしたB弁護士・・・
それも、O医師のカルテ記載によって、思惑が外れたようです。
カルテは、本当に大事なもので、その時、その日にあった事実を書き留めておくことの大切さを改めて痛感しました。
よく、医療訴訟のドラマで、カルテ改竄などと言われますけれど・・・
確か、≪白い巨塔≫では、修正液を使って改竄したのが分かって、敗訴していました・・・
修正液をつかうことは、あり得ませんし、今時そんな?なんて思いながら見ていたのを思い出しました。
もちろん、時代背景は随分昔で、ドラマ自体、リメイクだから仕方ないですね・・・
山崎豊子さんにケチを付けている訳ではありませんから、ご容赦を・・・
カルテを改竄すれば、見る人が見ればすぐに分かるでしょう。
それよりも、患者さまの日一日、一刻一刻の状況、状態がわかる大切なものであることが本当に思い知らされます。
記載には、家族へのムンテラの内容もあり、最近は相談業務等も一緒に綴じてあり、患者さまや患者さまの家族など、病院での生活全てがわかる大切な一冊の日記、本、報告書みたいなものです・・・
誰にムンテラしたかを見れば、家族の中で、誰が一番のキーパーソンかも直に分かります。

カルテ開示をお願いに来られる方の中に、ムンテラの部分だけコピーしてくれなんて方が・・・
カルテ開示の理由を聞くことは、出来ませんが、話の中で、遺産相続で揉めており、誰が生前に一番面倒を見ていたかなんてことを争っているなどという方々も、2~3人いました。
そのような方はカルテ以外にも、面会簿のコピーまで頼まれ・・・
保存庫から探し出すのに苦労した覚えがあります。
恐るべきお金に対する執着心と、辟易したものです。
何故なら、中々見つからず時間が掛かっていると、目が血走っていましたから・・・
普通は、後日、きちんとした形でコピーを取りお渡しするのに、今日中にお願いします・・・
時間がないんですなどと・・・
医療に関することでもないので、カルテ開示委員会も持ち回りで書類を回して・・・
簡易委員会の開催とし、了承を取るなんてことも・・・
お金を残して逝った方のご家族もそれぞれに大変です。

それでは、話を戻しましょう。

「B弁護士、ご理解頂けましたか?」

「そうですね、概略は理解出来ました」

「他に、何かご質問があればお答出来ますが・・・」

「もう一度、事実を確認して私の方で質問があれば、改めてお伺いすることにします」

すると、それまで黙っていた、W氏の息子さんが赤鬼のように顔を真赤にして声を張り上げました

「大体、そもそもは、入院させてくれって言ったのに入院させてくれなかった、診察にきても検査もしないお前らが悪いんじゃないのか!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「オレは、家族をこの病院で殺されたんだ!」

「Wさん、それは以前にもお話しましたし、本日は入院中の説明ということでしたね」

「そんなの関係ねー」

赤鬼の小島よしおですか・・・

「関係ないといわれても困ります。ここで言った言わないの話をするのであれば、時間の無駄です」

「時間の無駄とはなんだ!」

「はっきり言って、無駄です」

「なんだと!」

「喧嘩腰になっておられますよ?」

「この野郎!」

「W、止めろ!手は出すな!」

おっと、Aさんまたしてもナイスフォロー・・・でも、暴れてくれても、それはそれで良かったのですが・・・
大勢の目の前で、暴力を振るう・・・弁護士も見ている・・・逆に、刑事事件にして、終わり・・・

以下 ●●B弁護士の判断●● は54に続く


2008.9.22 月曜日

医療訴訟52

医療・介護のよもやま話 — admin @ 13:20:54

●●ねずみ?弁護士とN事務長●● 

転医義務違反の可能性を探り、主治医からその言質を取ろうとする、ねずみ?弁護士・・・
引っかけ問題にまんまとハマらない内に助け舟を出すことにします。

「B弁護士、転医については、早い時期からその方向で話をしてきたことは、カルテ記載を見て貰えればわかります」

「転医についての記載があるのですか?」

「はい、ご家族さまにその方向で進めたい旨をお話しましたことが記載されております」

「それは、拝見できますか?」

「もちろんです。師長、O医師のムンテラの記載のところを見せて貰えますか?」

「はい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「実際に、転医した日より随分前の記載ですね。O先生、これは、どうしてですか?」

「転医先の病院を探していたのも事実ですし、転医先が見つからなかったのも事実です。その旨の記載もありますのでご確認ください」

「読む限りは、転医先はこの地域の大きな病院ばかりですが、どこも断られておられますね・・・どうしてですか?」

「結局、転医しても、当院の治療と変わりない治療しか出来ない。現在の治療を続けて様子を見た方がいいという見解でした」

「要は緊急性がないということですか?」

「無いわけではありませんが、結局同じ治療をするのに転医の必要性を感じないということでしょうか・・・」

「そうですか・・・それでは、何故△△病院は転医を承諾されたのですか?」

「当初は△△病院さんにも断られました。でも、ある程度の容態の改善が見られれば、呼吸器ケア、呼吸器リハの専門チームのある病院ですから、その時は転医もOKと言うことでした」

「その旨の記載はありますか?」

「はい、記載してあると思います」

「どこですか?」

「師長、探してあげて」

「はい・・・・・ここです」

「なるほど・・・そうですか」

「ご理解頂けましたか?」

「しかし・・・○×病院さんは、2次救急病院ですよね?」

「はい、そうです」

「△△病院さんは3次救急病院ですか?」

「いや、違います。△△病院さんも2次救急病院です」

「それは、問題じゃありませんか?」

「どうしてですか?」

「通常、1次から2次、2次から3次というのが転医の基本ではないですか?」

はは~ん、ねずみ?弁護士もこの辺りで勉強不足が出てきました・・・

「そうでは無いと思います」

「どうしてですか?」

「W氏の場合は、病状が改善してからの転医ですから、その病状にあった、よりW氏にとっていいと思われる病院に転医するのがベストな選択と考えております」

「しかし、それでは・・・」

「B弁護士、この地域に3次救急病院が幾つあるかご存じですか?」

「いや、正確には・・・」

「3次救急病院が、W氏の転医時の病状で受け入れをすると思いますか?」

「普通はするのではないですか?」

「多分、しないと思います。それは、この転医の性質が違うからです」

「性質が違うとは?」

「これは、医療の中身のことではないので、私が説明続けますが宜しいですか?」

「ええ・・・」

「通常、我々、2次救急病院が3次救急病院に転医要請するのは、救急隊によって運ばれてきた患者さまで、生命に危険が迫っていて、尚且つ、我々の病院では手に負えない患者さま、即ち、当院に診療科が無い場合や緊急の手術等が必要で、その準備が出来ない場合のみです」

「はあ・・・」

「しかし、そのような場合でも、3次救急病院に送らずに、2次救急病院間の搬送、転医も有り得ます」

「どうしてですか?」

「病状やケガの種類によっては、3次救急病院より2次救急病院の方が、患者さまにとってよい場合があるからです」

「そうですか・・・」

「と言う訳で、B弁護士は当院の転医義務違反を疑っておられると思いますが、それはあり得ません」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

ここは、N事務長の一本勝ち!あっぱれ!
次は、どんな話を振ってくるやら、こうなったら、ここで勝負つけてしまいましょう・・・

以下 ●●ねずみ?弁護士は沈黙●● は53に続く


2008.9.21 日曜日

医療訴訟51

医療・介護のよもやま話 — admin @ 16:42:18

●●ねずみ?弁護士はやります●● 

ねずみ?弁護士の巧みな誘導で、E内科部長とO医師の専門を問題にしてきました。
果たしてこの先は・・・

「B弁護士、両医師の専門について、何か問題でもありますか?」

「N事務長、別に他意はありませんが、両先生は最善の方法で治療をしたと言っておられますが、それが専門医としてのものかどうかお聞きしたかっただけです」

「両医師とも、呼吸器の専門ではありませんが、その治療については、症例数も多く間違いないと考えております」

「そうですか?」

「お前ら!肺の専門でもないのに、オレのオヤジの治療をしていたのか!」

「Wさん・・・別に、消化器が専門というだけで、治療をしてはいけないということはありませんから・・・」

「それで、最善の治療方法を取ったといわれても、納得出来るか!」

「何を言っているんですか?2人とも内科の専門医は持っておりますから、きちんと勉強も研究も研修もされておられます」

「何が、最善の治療、出来る限りの治療をしただ!」

「別に、専門性については、特段問題にするようなこととは考えておりません」

「ふざけるな!」

「Wさんいいですか、現在も肺炎で入院されておられる患者さまはいらっしゃいます」

「そいつらも殺すつもりか?」

「皆さん、回復に向かっておられます」

「じゃあ、なんで、オレのオヤジだけ死んだんだ!」

「先ほども、申し上げたとおり、病状は人それぞれ違いますし、こればかりは結果ですので、何とも申し上げられません」

「オレのオヤジは、お前らの治療ミスで死んだんだ!」

「そうでは、ないと考えております」

「何だと!コノヤロー!」

「Wさん、落ち着いて話をしましょう」

「W、もう静かにしろ!話を続けるぞ!」

Aさん、ナイスフォロー・・・Wさんが、騒いだおかげで、話は別の方向に行くかな・・・

「それで、話を元に戻しますが・・・
O先生、予想以上に治療の効果がないので、転医を考えたということですか?」

「それもありますが、良くなったとしても肺機能のリハビリを出来るような環境の整った病院に移ったほうがよいと考えました」

「そうですか・・・その転医の時期には問題はありませんか?」

「問題と申しますと?」

「転医の時期を誤ったとか・・・」

「時期ですか・・・」

「確か、医師には、転医、転送でしたか・・・それらをしなければいけないという義務がありましたね」

「ええ、確かに・・・」

今度は、転医の時期について、転医義務違反の可能性を探ってきました・・・
ねずみ?弁護士はやります・・・
さて、ここは私の出番ですか?

以下 ●●ねずみ?弁護士とN事務長●● は52に続く


次のページ »