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医療・介護のよもやま話

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2008.9.20 土曜日

医療訴訟50

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:35:22

●●さすが弁護士●● 

まずは、Wさんの息子の怒声を無視し、話をサクサク進めてくれる、ねずみ?弁護士先生・・・
話が進んで有り難いこと、この上なしです。
まずは、入院時の状況を確認してきました。
W家からも、話は聞いているのでしょう。
しかし、ねずみ?弁護士先生の今日の狙いどころはここではないようです。

さて、話はどんな方向に行くのやら・・・

「入院時の状況は理解出来ました。ところで、O先生、入院時のレントゲン写真を見せて頂いておりますが、どのくらいの状況なのでしょうか?」

「どのくらいと申しますと?」

「軽度で、入院すれば1週間ほどで退院できる。中度で、すぐさま入院して治療を施さないといけない。重度・・・重症で、入院しても回復の期待は出来ないだと、どうですか?」

「B弁護士の分け方でいくと、中度になりますか・・・」

「そうですか」

「ただし、回復については、本人さまの既往症、体力、気力なども関係してきますので一概には言えませんが・・・」

「そうですか・・・E部長の見解は如何ですか?」

「そうですね、疾患と言うのは、皆同じではありませんから、日一日と変化していくものですから、O医師と同意見です」

「E部長の経験からして、入院時にW氏のこのレントゲン写真と同程度の肺炎の患者さまで、治療の甲斐なくお亡くなりになられた方はいらっしゃいますか?」

「そうですね、ゼロではありません」

「ということは、ほとんどが回復するということですか?」

「%を・・・統計は取ったことはありませんが、肺炎が引き金となって、いろんな疾患が併発してお亡くなりになられる方はいます」

「W氏の場合はどうですか?」

「W氏は呼吸器が悪く・・・肺機能の回復がうまくいかなかったと思います」

「分かり易く説明していただけませんか?」

「簡単に言うと、例えですが、冷暖房のエアコンが買った時に比べて具合が悪い、幾ら、フィルターの掃除をしても、買った時ほど効かない、思いきって、業者に内部の掃除を頼んだけれど、やはり買った時のようには治らないということでしょうか」

「そして、買い替えの時期が来ると・・・でも、人間の体は部品の交換は出来ないし、寿命だと・・・」

「例えは悪いですが・・・」

「この野郎!オヤジをエアコンに例えるとはどういうことだ!」

「まあまあ、Wさん、例えですから」

「この野郎!事務長!ふざけるな!何が例えですからダ!」

「W、静かにしろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「つまりは、思ったより、治療の効果が出なかったということですか?」

「そうですね、予想以上に肺の状態が悪かったということです」

「それは、予見出来ませんでしたか?」

「予見というよりは、状況に応じて治療方針を変更していくということです」

「なるほど・・・それで、治療は万全でしたか?」

「そうですね、私もO医師と治療方針を話合いましたが、今、当院で出来うる限りの治療はしたと思っております」

「当院ではとおっしゃいましたが、先生の専門は何ですか?」

「消化器内科です」

「O医師はどうですか?」

「同じく消化器内科です」

「そうですか・・・お二人とも、呼吸器内科の専門ではないのですか・・・」

なるほど、そういう攻め方ですか・・・ここは、一つ助け舟を出さねば・・・さすが弁護士、話の持って行き方が上手い・・・褒めてる場合じゃないか・・・

以下 ●●ねずみ?弁護士はやります●● は51に続く


2008.9.19 金曜日

医療訴訟49

医療・介護のよもやま話 — admin @ 19:08:14

●●先方の攻めどころは?●● 

弁護士も参加して、Wさんの入院中の治療方針、内容を説明することになりました。
この先、どんな話になっていくのでしょう・・・

「それでは、入院中の治療方針、内容について主治医であったO医師から説明をさせていただきます。O先生宜しくお願いします」

「まず、入院当初の治療については、入院時にお話しましたとり・・・肺炎を抑えるために、薬物投与による治療をおこないま~し~た」

あれ、O医師・・・緊張か、恐怖か声が上ずっている・・・ここは、助け舟を出さねば・・・

「ということですが、Wさん、その点につきましては、入院時の説明と間違いありませんね?」

「まあな、でも、そんなことを聞いているんじゃない!」

「入院時から説明しなければ、ご理解頂けないと思いますが・・・それでは、省きましょう」

すると、ねずみ風弁護士が

「続けて下さい。ということは、入院時の主病名は、肺炎ということで間違いありませんか?」

「はい・・・」

「O先生でしたか?」

「はい」

「先生が外来診察をして、入院の指示を出したということですが、間違いありませんか?」

「そうです」

ん~、主病名だの、入院の指示だの、このねずみ弁護士それなりに勉強してきているみたいです。

「O先生にお聞きしますが、その時のW氏の状況は如何でしたか?」

「レントゲン写真をお見せしましょうか?」

「出来ればお願いします」

病棟師長が、簡易シャーカステンに入院時の胸部レントゲン写真をセットします

「ご覧のとおり、右肺に炎症が見られます」

「これは、初期の段階と考えて宜しいですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「ということは、前々日に診察に病院に伺ったということですが、その時にはこの写真の前段階での、肺炎の兆候が見られたかもしれないということですか?」

「・・・・・写真があれば、そうだったかもしれません」

「E部長はどう考えられますか?」

「確かに、前々日に写真を撮っていれば、比較は出来ますが、その写真自体がありませんので、何とも断定は出来ません」

「人によって、違うと?」

「それもありますし、もともと、Wさんは肺気腫で呼吸器が悪かったので・・・」

「W家の話を聞くと、土曜日に入院を拒否されたとか?」

「その点はN事務長からお聞きください」

「N事務長どうですか?」

「入院を拒否したことはありませんし、もし入院を拒否するならば、それなりの検査をした上での結論になります」

「そうですね」

「私の院内調査の結果、検査、診察自体をWさんが拒否されたということです」

「ふざけるな!お前らが拒否したんだろ!」

「Wさん、落ち着いて。ここは喧嘩の場ではありませんから」

おっ、さすが、弁護士いいこと言う

「N事務長、それは、何かきちんとした理由、あるいは証拠がありますか?」

「証拠というか、その時、内科担当をしました、医師、看護師からの聞き取りで確認しております」

「そうですか、普通は診察室に患者さま以外は入室しませんか?」

「ほとんどというか、まずありません。ですから、患者さま以外の方が付き添われて診察室に入っていたら強く記憶に残っているはずです」

「お前らは、皆、ぐるになってやがる!」

「Wさん、落ち着いて・・・」

「W、静かにしろ!」

Aさんもナイスタイミング・・・

「分かりました、ここで言った言わないの話をするつもりはありませんから・・・」

さすが、弁護士・・・そのとおりです・・・

以下 ●●さすが弁護士●● は50に続く


2008.9.18 木曜日

医療訴訟48

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:26:38

●●話合いの冒頭に・・・●● 

Wさんの入院中の治療方針、内容の説明をすることになりましたが、そこに現れたのはねずみ先輩風の男性6人・・・
予想では、奥さま、息子さん、Aさん、息子さんの幼馴染の4人でしたが・・・
奥さんは欠席、その代りに、奥さんの親戚筋?の中年のねずみ先輩。
更に、予想していなかった、弁護士のねずみ先輩、と、その後輩・・・
初対面が3人・・・

親戚というのも怪しいけれど・・・
弁護士は兎も角、親族でもないのに、説明していいのでしょうか?
悩むところです。

弁護士というけれど・・・でも、確かに、スーツの胸元には弁護士バッジは付いています。

「まず、お尋ねしますが、今日の出席者にご親族・・・ここで言う親族とは、奥さまや息子さんのような生計を一緒にしていた方ですが・・・それ以外の方々にもお話を聞いて頂いてよろしいのでしょうか?」

Aさんは、奥さんの親戚筋?の中年のねずみ先輩を指さして

「奥さんは、W氏が亡くなってから体調がすぐれず、今日も来られないんだ・・・その代りに彼が出席だ」

「そうですか・・・あとのお二人は?」

「一人は私の秘書と弁護士の秘書だ・・・問題ないだろ?Wも了承している」

「わかりました。ご家族さまが同意の上ということで、始めさせて頂きます。よろしいですね」

「それで結構です」

「それでは、初対面の皆さんと名刺交換だけさせて頂けますか?」

「弁護士の先生以外は名刺持ってきていないから・・・」

「先生だけですか?」

「そうだな・・・」

「それでは、弁護士の先生とは名刺交換させていただきます」

やっぱり、他の3人は威嚇、及びコケオドシ用の人員なんですね
弁護士の先生の名刺を受取ると・・・
そこには、裁判所、弁護士会館、弁護士事務所が数多くある地域の住所が書かれています。
名前はBで、事務所名はB弁護士事務所
どうやら、本物の弁護士のようです。

それでは、説明会を始めることにします。

「今日は、お忙しいところ病院まで、ご足労頂きありがとうございます。
本日は、Wさんの治療を担当しました、主治医のO医師、内科部長のE医師、看護担当部長、担当病棟師長がおりますので、納得いくまで、ご質問にお答させていただくつもりでおります」

「おー、納得できるまで居座ってやるからな!」

「Wさん、申し訳ありませんが、居座るとかは脅しですか?これ以上そのような発言をされると、即刻、この会は中止にさせていただきます」

「なんだと、この野郎!こちらは、人一人殺されてるんだ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「W、いい加減にしろ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「事務長、進めてください」

「それでは、どんな質問にもお答いたしますので、早速始めましょう」

「おい!今日のこの話は録音させて貰うからな!」

というが早いか、Wさんの息子さんは、ポケットからテープレコーダーを取りだしセットしはじめました。
でも、もう少しいいレコーダーにすればいいのに・・・
申し訳ありませんが、N事務長も胸ポケットにICレコーダーは既にセットしてあります。

「今度からは、そんなこと言っていないなんて言わせないからな!」

「どうぞ、録音してください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●先方の攻めどころは?●● は49に続く


2008.9.17 水曜日

医療訴訟47

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:14:46

●●集まったメンバーは誰?●● 

受付からの連絡で、どうやら知らない男性・・・それもねずみ先輩風が3人も増えているようです。
Aさんは、やっぱり一筋縄ではいきません。
さて、どんな関係のねずみ先輩なのでしょうか?
まずは、医局を出て、受付に迎えにいきました。
それにしても、ねずみ先輩風が6人もいると、異様な光景を醸し出していることでしょう。
早く、会議室に隔離するにこしたことはありません。

受付に着くと、案の定、何か異様な雰囲気です。
ねずみ先輩風のスーツを身に纏った男性が入口を塞いでいます。
全く持って、わざと入口に立っているとしか思えない・・・

「こんにちは、皆さん、こちらにどうぞ」

「おい、事務長、今日はあの狭い相談室じゃないだろうな!」

いきなり、Wさんの息子さんの大きな声が飛んできます。
こんなところで、言いあいになるのもなんですから、無視無視・・・

「さあさあどうぞ、会議室にご案内します」

「N事務長、今日は新顔もいるから、後で紹介するから」

「Aさん、こんなに、多人数になるなら、事前に言って頂ければ有り難いですね・・・」

「そうか?4人も5人も6人も同じだろ?」

「まあ、そうですけれど・・・」

「そういうことだ、後でちゃんと紹介するから」

「そうしてください・・・車で来られたのですか?」

「そうそう、車2台で来たから、若いの2人は運転手兼任だ・・・」

歩いても、5分しかかからないのに・・・車2台に分乗ですか・・・

「車は駐車場ですか?」

「ああ、病院の駐車場に止めさせて貰ったから、よろしくね」

何が、宜しくですか・・・あんな、黒塗りでスモークの貼ってある車、誰も近づきませんよ・・・
会議室に案内すると、下手にE部長、O医師、看護部長、病棟師長が並んで座っています。
会議室に入ると、Wさんの息子さんが開口一番へらず口を叩きます。

「やぶ医者が2人と、ナイチンゲールになり損ねた年だけ取った看護婦2人が今日の相手か!
そりゃあ、オバハンじゃナイチンに決まってるけどな!
オレが看護師だったら、アルチンゲール!」

つまらないギャグをいきなり飛ばすWさんの息子さん・・・
看護部長の顔色が変わってきました。ここは何か手を打たねば・・・

「Wさん、いい加減にしてください。そのような侮辱した言い方をなさるなら、今日の説明は無しにさせて貰いますよ」

「なんだと、この野郎!いい根性してやがるな!お前らが是非説明させてくださいと言うから来てやったのに!」

「そのように人を侮辱するような方々に話をする気はありません」

「なんだと!」

「W、いい加減にしないか!N事務長もここは一つ抑えて貰おうかな」

「Aさん、我々は真摯な気持ちでこの場に臨んでおります。今後、このような侮辱的な発言をなさるならば、即刻説明は中止させていただきます」

「分かった。W、もう少し大人になれ!さあ、皆、座って!」

と言いながらも、若い運転手兼任の2人には手を広げて制止しています。
若い2人はやっぱり、用心棒兼任なのでしょう・・・

「今日は、先生方、看護部の皆さんにお時間取らせましてすみませんね・・・
W氏の治療について、今日は専門的な立場からご説明をお願いしますよ」

「それでは、Aさん初対面の方もいらっしゃいますので、ご紹介頂けませんか?」

「そうだな、まず、先程、大きな声を出したこの男は皆さんご存じだと思うが、W氏の息子です。
私は、W氏の親戚で、この男の親代わりです。この若いのは、W氏の息子の幼馴染で私の会社の社員です。
それと、これは、私と同じ親戚だ、母親の筋だが・・・
最後にこちらの男性と若いのは、弁護士の先生とその事務所の若い者です」

えっ!弁護士?そうなの?こんな身なりした弁護士は初めてみました・・・
だって、本当にねずみ先輩風だもの・・・

以下 ●●話合いの冒頭に・・・●● は48に続く


2008.9.16 火曜日

医療訴訟46

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:38:37

●●説明会当日●● 

病院側から指定した木曜日の午後、○×病院で施した治療について、W家側に主治医及び内科部長より説明をする時間が迫ってきました。
オブザーバーとして、担当病棟師長、看護部長も同席です。
N事務長は、話があらぬ方向に向かないように、用心棒兼司会進行兼書記役です。

事前に、医局にて打ち合わせをしました。

「O先生、E部長、今日は宜しくお願いします」

「はい、わかりました。それで、どんな話をすればいいのですか?」

「入院中に、Wさんのご家族にした治療方針、ムンテラの再現でいいと思います」

「それでしたら、大丈夫です」

「O先生のカルテは本当によく出来ていますから、そのまま、お話頂ければいいと思います」

「本当に、カルテ記述については、O先生に見習うべき点が多い・・・」

「E部長も今後はカルテ記載については慎重にお願いしますね」

「おいおい、今日は私のことじゃないだろ」

「すみません・・・E部長の見解を再確認したいのですが、O医師の治療方針、方法については間違いありませんか?」

「それは、大丈夫です。治療中も相談には乗っていたし、間違いはありません」

「O先生、E部長もこう言ってますので、自信を持ってお願いします」

「治療方針、方法については自信がありますが、あの方達の外見とか言葉使いに圧倒されてしまって・・・」

「もし、そのような発言があった時には、私がフォローしますので・・・」

「O先生、N事務長はその道専門だから、安心してください」

「E部長・・・それは・・・あんまりです・・・」

「失礼」

「兎に角、先生方は施した医療についてのことだけを返答下されば結構です」

「それ以外の質問には?」

「全て私が答えます」

「どんな事聞かれると思いますか?」

「多分、先生方の言葉尻を取って、じゃあその治療について自信がなかったのか・・・とか、言ってくることは想像できます」

「なるほど・・・その時は?」

「私が、間に入ります」

「分かりました」

「あくまで、冷静に毅然とした態度でお願いします」

「了解」「理解しました」

そのなこんな話をしていると看護部長が医局に顔を出しました

「先生方とN事務長で事前打ち合わせですの?」

「はい」「ハイ」「・・・」

「今日の私の役割は何でしょうか?」

相変わらずの・・・恐いもの知らず・・・度胸が据わっているのか・・・はたまた天性のボケか・・・

「看護部長と病棟師長には、両先生の説明の補足や証人として同席して頂きます」

「そうですか・・・じゃあ、私たちは証言者並びに傍聴人みたいなものですね」

「・・・」「・・・」「・・・傍聴人はダメでしょう」

「そうですね・・・ホホホ・・・何だかワクワクしてきましたことよ」

「・・・」「・・・」「何がホホホですか、先生方は真剣なのですから・・・」

「もう、三人ともリラックス、リラックス、治療方針、方法に間違いはないのですから自信をお持ちになって」

「そうですね」

「看護部長にかかると医者も子供扱いですね」

「看護部長、両先生のフォローを宜しくお願いしますね」

「モチロンです。N事務長も対暴力についてはヨ・ロ・シ・ク」

「なんだか、暴力対応だけ期待されていますね」

「言葉の暴力のことですわ・・・」

「かしこまりました、看護部長殿・・・」

「もうそろそろ、来られるんじゃないかしら?」

「そうですね、そろそろですね」

と、そこに内線電話がかかりました

「はい、医局です」

「N事務長、ねずみ先輩御一行様、6名でお着きになられました」

「6人?」

「はい、男性ばかり6人です」

「男性ばかり?間違いない?」

「はい、全てねずみ先輩風で6人。間違いありません」

今まで、登場したねずみ先輩は4人、あとの2人は誰?Wさんの奥さんは来ないの?

以下 ●●集まったメンバーは誰?●● は47に続く


2008.9.15 月曜日

医療訴訟45

●●説明会の出席者は・・・●● 

結局、最初に提案したとおり、Wさん一家に入院中の治療について説明をすることになりました。
初めから、そう言っているのに・・・でも、説明することにも納得しないと駄目なのでしょう・・・
一つずつ、疑問を解消していかないといけません。
一度持った、不信感は中々消えません。
例え、こちらに非はないにしても・・・

翌日、早速、Wさんの入院中の主治医であったO医師と内科部長のE医師の時間調整に当たります。
木曜日の午後であれば、2人揃って説明できるということになり、Aさんに連絡を取りました。

「A商事です」

「○×病院の事務長のNと申しますが、Aさんお願い出来ますか」

「ちょっと待ってね!」

相変わらず、今時の会社とは思えない電話応対・・・
もうちょっと、普通に出来ませんか?

「Aですけれど」

「○×病院のNです」

「事務長か・・・」

事務長かとは、また嫌味な言い方です・・・
時間調整して、電話で連絡してと言ったのは、そちらでしょ・・・
でも、今は我慢我慢・・・

「はい、いつも忙しい時にお電話して申し訳ありません」

「そうだな、また30分後に電話くれる」

「説明の日程の件ですから、すぐに終わりますけれど」

「いいから、30分後に電話くれ!」

「がちゃ!」

全く、Aさんも普段は普通にお話出来るのに、何かあるとこうです・・・
本当に、この人達は・・・

30分後、改めて電話をすると

「N事務長か、さっきは申し訳なかったな」

「いえ、いいです」

「ちょっと、拠所ない人が来ててな」

「そうですか・・・」

「誰か教えてやろうか?」

「いえ、結構です」

「今度、紹介してやるから・・・事務長の仕事にも役立つから」

「そうですか・・・ありがとうございます」

拠所ない人というと・・・どうせ、何処かの親分か誰かでしょう・・・
そう言う時は拠所ない人と言わずに、大事なお客さま位にしてください。
でも、紹介してやると言うのに断ると、機嫌悪くなるから、口先だけでもお礼は言っておきます。

「説明会はいつ?」

「はい、木曜日の午後15:00頃どうでしょうか?」

「分かった、それで連絡しておく」

「ところで、何人位でお越しになられますか?」

「その時の楽しみにしておいてくれ!」

「は?楽しみ?」

「まあ、そういうことだ!」

「席の準備が・・・」

「準備なんかいいから、この間の会議室で頼むよ!じゃあ!」

「がちゃ!」

あれれ、人数も言わずに切ってしまいました。
誰が来るのでしょうか・・・何か企んでいるのかな?

以下 ●●説明会当日●● は46に続く
 


2008.9.14 日曜日

医療訴訟44

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:48:17

●●Aさんの提案●● 

月曜日の夕方、Aさんの訪問を受け、軽いジャブの応酬となりました。
Aさんは、軽く脅しをかけ、N事務長は、それを軽くいなす・・・
お互いにそうなることは分かっていても、本題に入る前の通過儀礼です。
さあ、本題に入るぞ、準備はいいかってなものでしょう・・・

さて、本題に戻りましょう

「それで、N事務長はどう考える?」

「どう考えるとは、どういうことですか?」

「どういう方向で、W家を納得させるつもりなんだ?」

「そうですね、粘り強く、辛抱強く、ご説明申し上げるしかないと思っています」

「粘り強く、辛抱強くか・・・Wの息子には一番ふさわしくない方法ですな・・・」

「まあ、そうですが・・・Aさんもそう思いますか?」

「まあ、そうだな・・・あいつは考えることが嫌いだからな・・・思ったら即行動あるのみ、体型も太った猪みたいだろ、手足も短いし・・・」

「確かに・・・」

ちょっと、Aさんはどちらの味方なの?
そうか、Aさんはどちらの味方でもなく、善意?の第三者、お金を出す人の味方でした・・・

「それで、どうする?」

「説明しかないでしょう」

「説明聞くかな?」

「そうですね・・・じゃあ、どうします」

「カルテ開示は?」

「それはいつでもします。でも、説明もなくカルテを見ても理解できないと思います」

「そんなものか?」

「まあ、分かり易くは書いてありますけれど、Wさんの主治医のO医師はもの凄い量のカルテにしていますよ」

「そうなの?」

「はい、あのカルテを見たら、誰も、グウの音も出ません」

「それだけ、自信があるということだな?」

「そのとおりです」

「それで、外来の件はどうなの?」

「あれは、Wさんの奥さんの完全なる思い違いだと考えています」

「証人はいるの?」

「ええ、間違いないと言っています」

「そうか、それでは、その件はこれで終わりにしよう」

「そうして下さい。一昨日のように、突然Wさんの息子さんが来院されても、言った言わないの押し問答になるだけですから」

「そうだな・・・」

「じゃあ、一度、きちんとした形で説明会をして貰おう。それでいいかな?」

「はい、それが一番いいかと思います」

「じゃあ、日程決まったら連絡くれるかな?」

「明日には、日程を決めてご連絡させていただきます」

「それでは、今日はこの辺で・・・」

結局、説明会をすることになりました。振り出しに戻るです。
でも、タダでは終わりそうにもありませんから、用心、用心・・・

以下 ●●説明会の出席者は・・・●● は45に続く


2008.9.13 土曜日

医療訴訟43

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:57:41

●●Aさんからの連絡●● 

週の明けた月曜日の午後、Aさんから連絡がありました。
夕方に病院に来るということです。
土曜日にWさんの息子さんが病院に来たことは、当然知っているはずですから・・・
相談を受けて、新たな作戦を練ったのかな?

一日の業務をこなしていると、約束の時間になりました。
今日は何人で来るのかな?

「プルプル」 (かちゃ)

「N事務長ですか?」

「そうです」

「お客様です」

「ねずみ先輩?」

「はい、長男さんです」

「君もよく言うね・・・Aさんに、言っておきます」

「もう、勘弁して下さい」

「まあ、気が向いたら黙っていてあげます」

「そう願いますが、どちらにお通ししますか?」

「相談室にしてください」

「分かりました」

Aさん、W家御一行さまを、ねずみ先輩軍団と呼ぶことが、すっかり事務員に定着しています。
まあ、それだけ、皆さんインパクトのある容姿ですから・・・

相談室のドアを開けると、やはりそこには、年を重ねた、少し小太りのねずみ先輩がいました・・・
今日は一人です。

「Aさん、こんにちは」

「久し振りかな?毎日会っているような気もするけれど・・・」

「まあ、そうですね」

「というか、同じ町内だし、事務長が歩いている姿をよく見るからな」

「そうですか?」

「土曜日の夜は、○×寿司に行っただろ」

「よくご存じで・・・」

「○×寿司はよく行くの?」

「よく行くというほどではありませんけれど・・・」

「今日の昼は中華か?」

「これまた、よくご存じで・・・」

「あそこは、安くてボリュームもあるからな」

「何だか見張られているみたいですね」

「別に見張っているわけではないけれど、皆が教えてくれるだけだよ」

「そうですか・・・結構、私も有名人なんですね」

「そうだよ、病院の融通の利かない、強面事務長として」

「それは聞き捨てなりませんね、病院の話の分かる、優しい事務長の間違いではありませんか?」

「それは、まずないですね」

「そうですか、残念です・・・」

「本当に、そう思っているとしたら、とんでもない奴だよ、事務長は・・・」

「ハハハ、そうですか?」

「全く、怖いもの知らずですね」

「そんなことはありません。いつも外を歩くとき、町内歩くときも、びくびくしています」

「そんなに、びくびくするほど、悪いことしてるの?」

「訂正します。びくびくなどしていません・・・」

「そうだろうな」

「ところで、今日の話の本題に入りましょう」

「そうですね・・・」

「私の町内での行動がAさんに全て入っていることは、よく分かりましたから」

「別に、脅しているわけじゃないからな・・・たまたま、皆が教えてくれるだけだから・・・勘違いしないでください」

「それは、大丈夫です」

「大丈夫だろうな・・・事務長の性格なら・・・」

「そうですね」

「そうですかと来やがった・・・」

まあ、本題に入る前のジャブの打ちあいはこんなものですか?
この類の人達と話をすると、こんなのは徐の口です。
Aさんは、別に脅すつもりもなく、ただ単に遊んでいるだけでしょうし・・・
こちらの性格や弱点を把握するためでしょう。
こんなことで、驚いたり、怖がっていては、話は出来ません。
中には、家族構成まで言う人もいますから。家族の名前、生年月日、年齢まで・・・

以下 ●●Aさんの提案●● は44に続く


2008.9.12 金曜日

医療訴訟42

医療・介護のよもやま話 — admin @ 19:12:52

●●Wさんの息子さんの逆襲●● 

やはりと言うか、案の定、息子さんとの会話は入院させろと言った、言わないになりました。
どちらかが、折れないと延々に続きそうです・・・
でも、病院側から折れると、それ見たことかと、そこから、あることないことガンガン責めてきますから、言っていないことは断固拒否、無視、説得を続けます。

さて、話の方向を少し別に向けなければ・・・

「それじゃあ、どうも悪いのは病院じゃなくて、オレ達みたいじゃないか」

「いい、悪いではありません」

「じゃあ、なんだ!」

「入院させてくれとは、言っておられませんと言いたいだけです」

「あくまで、オレの母親が嘘をついていると言っているわけだ!」

「嘘ではなく、間違っている・・・間違ってしまったと言っているだけです」

「同じじゃないか!」

「そうではありません」

「同じだ!大体、病院は何をやっても正しいというのか?」

「そうは言っておりません」

「今日だって、医者を隠しやがって!」

「隠してはいません。本当に休診ですから」

「それじゃあ、なんで、休診のお知らせが出ていないんだ!」

「ですから・・・これから告知文を張り出すつもりだったのです」

「オレが来たからそうなったんだろ!」

「突然来られて、それに対応して休診にすることはあり得ません」

「迷惑なんだよ!」

「そうですか・・・」

「何でもかんでも、病院は間違ってないって言う割には、医者の休診の張り紙一つまともに出さない、そんな病院信用できるか」

「告知文の張り出しについては、謝罪させていただきます」

「謝罪ってのは、謝罪させていただきますって言うだけのことか?」

どうやら、自分で今日の落とし所を見つけたみたいです・・・
息子さんも、ここで言った言わないを続けてもしょうがないと思っているみたいです。
今日の主要件は、S医師を恫喝して、入院させろと言ったのに断ったいう言質を取りに来たわけですから・・・
ここは、納得して帰って貰うために、告知文の張り出しの件だけ謝っておきましょう。

「S医師の休診の告知文の張り出しが遅れたこと謝罪させていただきます。
せっかく、ご足労いただきましたのに、ご迷惑お掛けしまして申し訳ありませんでした」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「これから、医事課に行きまして、告知文、特に医師の休診に掛かることは、患者さまのご迷惑になりますから、素早く張り出すこと厳重注意いたしますので・・・ここは、一つ私に免じて、事務の者を責めるのだけはお許し頂けませんか?」

「そうか・・・それなら、今日のところはお前の顔を立てて、事務の奴らを責めるのは止めてやろう」

「そうして頂けると助かります」

「オレも別に事務の奴らを苛めに来たわけじゃないからな!」

「それと・・・」

「なんだよ!」

「事務の者達が怖がりますから、受付ではもう少し声のボリュームを下げてお話ください・・・
私に用事があれば、すぐにまいりますから」

「分かった・・・」

「宜しくお願いします」

「今後のことは、Aさんと相談するからな!」

「はい、分かりました。そうして下さい。ご連絡お待ち申し上げます」

なんだか、よく分かりませんが、告知文の掲示のことをN事務長が謝ったことで、気分がいいみたいです。
全く単純です・・・
でも、この単純さがここまでの騒動の原因なんです・・・
もう、引くに引けなくなっているのかな?

以下 ●●Aさんからの連絡●● は43に続く


2008.9.11 木曜日

医療訴訟41

医療・介護のよもやま話 — admin @ 16:02:03

●●息子さんと相談室にて●● 

Wさんの息子さんの巨体を何とか相談室に向けましたが、何を言い出すやら・・・
間違いなく、言った言わないの話でしょう・・・

「さあさあどうぞ、お掛けください」

「今日は、相談室か?」

「会議室は使用中なもので・・・」

「いつもいつも相談室に通しやがって、オレは、お前に相談なんかないんだよ!」

「別に、相談はなくてもいいですが・・・
相談室だから相談しなければいけない訳じゃありませんから」

「この野郎、やっぱりオレのこと馬鹿にしてやがる!」

「そんなことはありませんよ。今日はどうされたのですか?」

「どうされたも。こうされたもあるか!」

「そうですか?」

「何がそうですかだ!医者だよ、医者!親父の入院を断った医者にあいに来たんだ!」

「入院を断った医師などおりません」

「何言ってるんだ!土曜の午後に診察しているSという医者がいるだろう!」

「確かに、S医師は在籍しておりますが・・・
S医師は以前にもお話しましたとおり、Wさんに今まで診て貰っているE内科部長を呼ぶから、診察して貰いなさいと言ったけれど、Wさんはお断りになられたということです」

「それは、後から話を作ったんだろ!」

「そんなことはしません」

「お前らの言うことが信じられるか!」

「そう言われても、信じて貰うしかないです」

「オレの母親が、そのSとか言う医者に入院させてくれと言ったけれど、お願いしたけれど、断られたと言っているんだ!」

「ですから、そのような事実はないと言っているんです」

「母親が嘘を言ってるというのか?」

「嘘とは言っておりません。勘違いじゃないかと思うだけです」

「何だとこの野郎!」

「この野郎でも、糞野郎でも構いませんが、これは事実ですので」

「そんな証拠が何処にあるんだ!」

「残念ながら、診察時に担当した看護師がお母様は診察室に入っていないと断言しています」

「誰だ、その看護師は?」

「その日に、担当した看護師です」

「だから、誰だ?」

「残念ながら教えられません」

「どうしてだ!」

「Wさんのように、声を張り上げて、大きな声を出して、人を威圧する方には教えられません」

「何だと!」

「ほら見てごらんなさい。私にも大きな声出してる。まあいいですけれど、普通にお話された方がいいですよ」

「オレはこれが普通だ!」

「それならば、しょうがありません・・・
ということで、S医師にお母様が会っていないことはお伝えしましたから・・・」

「それは、病院の言い分だろ!」

「もちろんそうですが、何人もの職員が言うのですから、真実味があります」

「じゃあ、オレの母親が嘘つきだと!」

「先ほどからお伝えしておりますとおり、嘘をついているのではなく、勘違いされておられるか、思い込んでしまっておられると我々は考えております。
大事なご主人を亡くされて、その原因を考えた結果、そうなってしまったのでしょう。
看病していると、疲れも溜まってきますし、言った言わないというのは、Wさんのお母様だけではありませんから・・・
病院ではよくあることです」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●Wさんの息子さんの逆襲●● は42に続く


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