珍客万来Ⅰ-⑤
馴染みの寿司屋で見つけたカールさん。
お勘定を大将に頼むと、何とその金額5600円・・・
どんだけ~!って叫びました。
だって、その寿司屋は安くて旨いが売りの店・・・
N事務長の普段の支払だって、相当飲んで、食べても3000円台!
どうなっているのでしょうか?
何だか、支払の金額見て頭にきました。
小さい奴、心の狭い奴なんて思わないでください。
でも、いつもの自分より豪勢な物食べているなんて・・・
そう言えば、入った時に頼んでいたのは、鮑だった!
「カールさん。随分豪華な夜食だね?」
「いえ、そんな・・・」
「さっき、鮑握って貰っていたけれど、美味しかった?」
「ええ・・・」
「その他に、何食べたの?」
「赤身、中トロ、カンパチ、鯛、雲丹・・・それと、大トロも」
「随分、脂の乗ったネタばかりですね!」
「だって、糖尿病食とやらは、あっさりしているから・・・」
「あのね~」
「ところで、病院には内緒にしてくれる?」
「そんなはずないでしょ!あっ、電話しなきゃ!」
「プルプル」
「あー、Nです!カールさん寿司屋で発見!病棟に伝えて、5分後に戻ります。はい、はい。そうそう。よろしく」
「な、何、話していたの?」
「何じゃないです。病院に帰ったら、皆にお説教されて、明日からは、また自分で生活してね!」
「えー!病院好きなのに・・・3度、食事が出て、お風呂にも入れて・・・」
「それなのに、言うこと聞かないのは、誰ですか?」
「あと、1週間は入院って先生言っていたけど?」
「残念ながら、先生にも連絡したって!お酒飲んでいたら、治療の意味がないし、明日、退院!」
「そんな~」
「ほら、そこの角曲がったら病院ですよ!」
「看護婦さん怒っているかな?」
「そうそう、今日の夜勤は内科病棟の赤鬼、真面目一筋のK主任です!カールさん、覚悟してね」
「え~、K主任?」
角を曲がると同時に、病院の正面玄関が見えました。と同時に、白衣姿のK主任の姿が・・・
「コラッ!カール!どこ行ってたの!」
以下 ●●カールさん病棟に連行●● はⅠ-⑥に続く