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医療・介護のよもやま話

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2009.2.28 土曜日

珍客万来Ⅱ-⑬

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:22:31

●●3度目の正直●●

流れ板の風(ふう)さんとセクハラ親父のDさんがトランプ片手にいそいそと2F談話室に向かう一方、会議室では臨時責任者会議が佳境に入っています。

「それで、L師長の提案では院内に賭博禁止という文言を入れた告知文を張り出せということですね?」
院長が質問すると、すかさずL師長が・・・

「そうです。現在の文章では、入院、療養生活に必要の無いものの持ち込み禁止としかなっていませんので、その下に明確に、賭博行為の禁止という言葉を入れればいいと思います」

「でも、それはあまりにも直接過ぎる表現ですね」
N事務長が、呟くと・・・

「N事務長は、直接、患者さまに接することが少ないからそう言いますけれど、看護の現場を預かる身としては、患者さまが談話室で座布団を挟んで向き合って座って花札をしている姿や、丼を挟んでサイコロを振っている姿を見るのは、許しがたいです」

「確かにそうですが・・・」

「L師長のいうことにも一理ありますし、N事務長のいうことも正しいと思います」
院長の言葉に反応するように、他の出席者が頷きます。そして口ぐちに・・・

「今回の件は、○×病院としてもイレギュラーな出来事だと思います」 「そう思います」 「そうだ・・・」

すると、看護部長が・・・
「確かにイレギュラーではありますが、入院案内にまでは賭博行為の禁止という文言を入れないとしても、各病棟の掲示板に期間限定で今回の件を公表し病院としての方針を明確にすることは必要ではないですか?」

「それは、そのとおりですね・・・」 院長が相槌をうち、同意します。

「分かりました。それでは、その対応で如何でしょうか?」
と、L師長を含めた、臨時責任者会議の出席者にN事務長が問いかけると・・・

「賛成」 「異議なし」 「それがいい・・・」
出席者が各々、賛成の声をあげます。

「それでは、文章については、N事務長に一任ということでよろしいですか?」
院長の提案に出席者が全員頷きます。

「了解しました。早速、院内掲示の告知文の案を作成しますので、後ほど、院長にお持ちします。院長の許可が下り次第、各病棟に掲示させていただきます」

会議室で、今回の件についての対応が決定された頃、2F談話室では、2人が会議??打ち合わせを?いやいや、ルールの申し合わせを始めていました。

「それで風(ふう)さん。今日は何の勝負でいく?」

「Dの兄貴、今日はポーカーといきますか!」

「ブラックジャックは?」

「昨日まで、負けが込んでいる私の得意なのはポーカーですから・・・」

「分かったよ!それじゃあ、ポーカーでいくか・・・」

「点数は?」

「1点100円でどうですか?」

「よし、それでいい。ちゃんと払えよ!」

「今日できっちりチャラにさせて頂きます!」

「昨日までの貸しは、¥89,300-だからな!」

「はいはい、保護費が入ったら払いますから・・・」

「そんなに保護費出るのかよ?」

「払えなきゃ、なんでも言うこと聞きますから・・・」

「まあ、取り立てるだけだから、いいけどよ」

と話している2人の回りには、一人、また一人と男子患者が集まってきています。
また、騒ぎにならなければいいのですが・・・

以下 ●●病院の対応●● はⅡ-⑭に続く


2009.2.27 金曜日

珍客万来Ⅱ-⑫

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:00:12

●●懲りない流れ板の風(ふう)さん●●

就寝時間を過ぎても≪ちんちろりん≫をしていたのを現行犯逮捕された、流れ板の風(ふう)さんとセクハラ親父のDさん。
翌日は、朝からそれぞれの病棟師長にお説教をされました。
でも、この二人にとって、そんなことはささいな出来事です。

花札、サイコロ遊びと続けば、病院としても何がしかの対応を取らねばなりません。
特に、入院患者さまの秩序を守り、病棟の安全と安心をスローガンに掲げ、日夜地球防衛軍ならぬ病棟防衛軍として活動している看護部としては、当然の対応です。

以前、2人の花札遊びを現行犯で目撃したT師長が、責任者会議で院内賭博禁止の告知文を出して下さいと提案したにも関わらず、院内掲示としては、表現があまりにも露骨過ぎるということで却下されていますから、収まりがつきません。
早速、T師長は看護部長に相談し、看護部長よりN事務長に働きかけて貰い臨時責任者会議の開催となりました。

「それでは、内科病棟のT師長より今回の臨時責任者会議の開催に関する動議をしていただきます。T師長お願いします」

「はい。皆さん、お忙しいところ臨時責任者会議にご出席頂き有難うございます。
本日、お集り頂きましたのは、前回の責任者会議でも発言させて頂きました、院内での入院患者間で行われている院内賭博についてです。」

「院内賭博?」 「賭博とは穏やかじゃないな・・・」 「ついに賭博場と化したか・・・」

「お静かにお願いします」

「・・・・・・・・・・」 「・・・・・」 「・・・」

「今回は、私の内科病棟に入院しています、流れ板の風(ふう)さんことFさんと、整形病棟に入院中のセクハラ親父ことDさんの2人が首謀者です。
現在、この2人以外に現行犯で捕獲した患者はいませんが、このまま二人を放置すると院内が賭博場と化し、他の入院患者さまが安全、安心な入院生活を送れなくなる可能性があります」

「T師長。首謀者とか、現行犯とか、捕獲とか、賭博場だとか少々言葉の使い方に問題があるように思いますが・・・」
司会者としてのN事務長の冷静な意見がなされます。

「いえ、博打うちは、もう癖(へき)ですから、いつでも、どこでも、誰にでもその癖(へき)をウィルスのように蔓延させます」

「そ、そうですか・・・」
さすがのN事務長も、T師長の博打に対する敵対心の前にたじたじです。

「院内規約、入院案内にも、病院内での賭博の禁止という文言を挿入することを提案します」

「賭博の禁止?」 「その文言は直接過ぎやしないか?」 「ワイワイ、ガヤガヤ・・・」

「今、T師長より提案されました議題について、これより質疑を行います」

「あーだ、こーだ」 「そーだ、でも・・・」 喧々諤々・・・

と、会議室で臨時責任者会議が開催されていた時、流れ板の風(ふう)さんの病室にセクハラ親父のDさんが姿を見せました。

「風(ふう)さん、昨晩はエライとこ見つかっちまったな」

「そうだな・・・それで、今日は何の用?」

「昨日の続きはどうする?」

「サイコロはもうダメだ。次見つかったら、強制退院だって・・・」

「そうか、この間も長年愛用してきた花札、それも坊主を半分に折られちまったしな・・・」

「全く、あの暴力師長には参るよ・・・」

「じゃあ、これはどう?」

そう言った、セクハラ親父のDさんの手に握られていたのはトランプ・・・
2人は、無言で頷き、トランプを持ってまたしても2階談話室へ向うのでした。

以下 ●●3度目の正直●● はⅡ-⑬に続く


2009.2.26 木曜日

珍客万来Ⅱ-⑪

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:45:06

●●L師長のお説教●●

朝の恒例。病棟ラウンドに夜勤看護師のTさんを連れて行ったL師長。
今朝の重点、重要項目は、当然、流れ板の風(ふう)さん・・・
当の流れ板の風(ふう)さんは、昨晩のことなど、どこ吹く風。
朝から、パチンコ必勝法なる雑誌を読みふけっています。
昨晩のサイコロ騒動についても、ロケみつ、ブログ旅の稲垣早希ちゃんにサイコロの振り方を教えてあげるつもりだったと言い出す始末。
(関西ローカルの番組ですから、関東圏の人はゴメンなさい・・・毎日放送。木曜夜11:55放送中です)
そろそろ、L師長の頭のスイッチが切り替わるはず・・・

「流れ板の風(ふう)さん!」

「なんですか?」

「何を訳の分からないことばかり言っているの!」

「は、はあ・・・」

「こら、流れ板! 否、風!」
ついに呼び捨て・・・

「何?」

「何とは、なんですか!この間は院内で花札に興じたかと思えば、昨晩はサイコロですか!」

「ですから、昨晩はブログ旅の稲垣早希ちゃんの為に、サイコロ振っただけ」

「ブログ旅も、桜も、稲垣早希も関係ないの!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「この間はこいこい! 昨晩はちんころ! 病院は鉄火場じゃありません!」

「師長さんは、業界用語ようけ知ってますな~?」

「何ですって?」

「いやいや、話が通じると思って・・・」

「私をあなた達、博打好きと一緒にしないでくださる」

「博打好き、博打ウチ・・・いい言葉だな、いい響き・・・」

「そんなことに喜んでいる場合ですか?本当にいい加減にしないと、病院内で問題にしますよ!」

「問題になったら、どうなるの?」

「治療中止!退院!」

「そんなこと、師長さんが勝手に決められるの?」

「ええ、それなりに手順を踏んで、間違いなくそうしてあげます!」

「恐い、恐い・・・」

「いいですか、私の目の届く範囲で、花札だのサイコロだとかを持ちだしたら、タダでは済みませんからね!」
???少々、私情が入っているようにも思えますが・・・

「はいはい。了解しました。金輪際、花札、サイコロは病院内ではいたしません」

「いいですか。病院内では、賭博と思われるような行為は一切禁止です!」

「お金賭けてなくてもかな?」

「当たり前です。大体あなた達、博打好きは、いつもお金は賭けていないって言うけれど、お金も掛けずにあんなに必死になるはずがない!」

「それはそうだ・・・」

「ですから、次に見かけたら2人とも何がしかの罰則を受けて貰いますからね。いいですね!」

「はいはい」

「はいは、一回でいいの!」

「はい!」

何たるやり取り・・・まるで、やんちゃな小学生とお母さんの会話。
二人のやり取りを見ていたT看護師は、ただただ苦笑・・・

以下 ●●懲りない流れ板の風(ふう)さん●● はⅡ-⑫に続く


2009.2.25 水曜日

珍客万来Ⅱ-⑩

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:32:58

●●流れ板の風(ふう)さんとL師長●●

L師長恒例、始業前の病棟ラウンドに付き添うことになった夜勤看護師のTさん。
夜勤者からの報告の中で、流れ板の風(ふう)さんが、またセクハラ親父のDさんと就寝時間を守らずに行動を共にしたこと、それも賭場を開帳?していたと知ったからには、収まりがつきません。

でも、何故ここまで、L師長が花札やサイコロに拘るのか?
実は、L師長 ×1 なんです。
今は、再婚して看護に理解のある旦那さんと仲良く暮らしています。(但し、本人の言い分)
その ×1 の前の旦那が、実は流れ板の風(ふう)さんと同じように、板前さんでした。
自分でお店を持っていましたが、職人気質で無口なところも流れ板の風(ふう)さんにそっくり。
腕は確かなので、お店は繁盛していましたが、L師長が看護師として働いていましたから、家にお金を入れる必要がない。
お店のお金は全て、飲む打つ買うに消えていきます。
特に酷かったのが 打つ! 
流れ板の風(ふう)さん同様、花札、サイコロは当然常備、麻雀、パチンコ、競艇、競馬、競輪とその趣味?の広さは立派と言うよりも驚愕!
お店はとっくに閉店時間なのに、家に帰ってこない・・・
お店を見に行くと、暖簾は下がっているけれど、店の明かりは開店時のそれと同じく、否、回りのお店が閉まり人通りもないからそれ以上にコウコウと燦然と輝いている。
次の日の仕込でもしているのかと中を覗くと、小上がりに上がり込み常連のお客さんと花札勝負・・・
そんなことの繰り返し。
休みの日は、パチンコか麻雀。
朝、早く仕入れに行った後は、競艇、競輪。
・・・・・・・・・・よく、体力とお金が持つなあと関心したものです。
だからこそ、今回の件に過敏に反応した訳です。

「さあ、行きますよ!」

「はい」

「L師長。どうされますか?」

「事と次第によれば、退院勧告しなければいけないかも・・・」

「そ、そうなんですか?」

「院内を賭博場にする訳にはいきません」

「そ、それはそうですね・・・」

流れ板の風(ふう)さんの病室に近付くと、何やら本を真剣に読んでいる流れ板の風(ふう)さんの姿が見えます。

「おはようございます」

「ああ、おはよう。師長さん!」
流れ板の風(ふう)さんは、読んでいた本を床頭台の上に置きます。その本の表紙は≪パチンコ必勝法≫と書かれています。

「あら、お勉強?」

「あ、ああ、次から次へと新しい台が出てくるからな・・・昔のように玉の落とし所で勝負は出来ない・・・攻略するには勉強しなければならないってこと!」

「それはそれは・・・ところで、流れ板の風(ふう)さん!昨晩も院内でサイコロ振っていたようね」

「ま、まあ、遊びでね・・・」

「この間は花札!今度はサイコロ遊び?」

「ああ・・・師長さん。木曜の深夜にやっている≪ロケみつ≫って番組知ってるかい?」

「あの、ブログ旅とかの?」

「そうそう、そのブログ旅の稲垣早希ちゃんが何故、1とか2ばっかり出すのか納得がいかなくて・・・」

「それが何の関係があるの?」

「だから、Dの兄貴と6を出す方法教えてやろうということになって、相談していたんだよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・」

以下 ●●L師長のお説教●● はⅡ-⑪に続く


2009.2.24 火曜日

珍客万来Ⅱ-⑨

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:46:51

●●L師長の敏感な反応●●

夜勤看護師のTさんから、昨晩の報告を受けたL師長が敏感な反応を示しました。
それも、Tさんが昨晩初めて聞いたサイコロ遊び?の名称をすらすらと・・・
≪ちんちろりん≫ とか ≪ちんころ≫ と言う別名まで言ってのけます。
Tさんは、さすがL師長! 世の中のことを良く知っていると思った訳です。
しかし・・・果たしてL師長はそれで収まるのでしょうか?

「Tさん。それで現物は没収したの?」

「ええ、丼は・・・」

「丼はどうでもいいの。サイコロは?3つあったでしょ?」

「はい。3つ、3個ありました。サンコロ?」

「Tさん!サイコロが三個だから、サンコロなんてボケてる場合じゃないの!」

「す、すみませんL師長」

「それで、どうしたのサイコロは?」

「流れ板の風(ふう)さんが、返してくれって・・・脅したり、嘆願したりするものだから、サイコロは返しました・・・」

フーっと溜息を付くL師長。
「だめでしょ。Tさん。病院内では、入院に不必要な物は、没収しないと・・・」

「そうですか?でも、私物ですし・・・単なる遊び道具ですよね?」

「もうこれだから・・・あれは・・・≪ちんちろりん≫ は、遊びじゃありません。彼らの生活資金を稼ぐ仕事」

「それならば、仕事道具ですから、返す方がいいじゃないですか?」

「仕事と言ったのは、言葉のアヤ・・・ギャンブル。賭けごと。賭博。博打。・・・正真正銘の賭博罪、常習賭博罪、賭博罪だと五十万円以下の罰金又は科料、常習賭博罪だったら三年以下の懲役なのよ」

「えー・・・お金掛けてるんですか?」

「あの人達はね・・・それも結構な金額になるんだから」

「病院内でそんなことするんですか?」

「そうよ・・・私が看護師になりたての頃に勤務していた病院でもあったのよ・・・
それで、入院費用も払えなくなって・・・病院だけ丸損・・・
だから、悪い芽は摘んでおく!分かった?」

「はい」

「それで、昨晩の2人は何か言っていた?」

「流れ板の風(ふう)さんは、もう絶対にサイコロを病院内で出さないって言ってました・・・」

「病院内で出さないじゃなくて、振らないだと思うけれど・・・」

「・・・だから、返してくれって言われて、返しました」

「まあ、しょうがないわね。じゃあ、行きましょうか?」

「何処に行くのですか?」

「決まってるじゃない!流れ板の風(ふう)さんのところよ!」

「・・・どうするんですか?」

「厳重注意。及び叱責。上手くいけばサイコロ没収!」

「分かりました。お供します」

以下 ●●流れ板の風(ふう)さんとL師長●● はⅡ-⑩に続く


2009.2.23 月曜日

珍客万来Ⅱ-⑧

医療・介護のよもやま話 — admin @ 16:56:06

●●翌日内科病棟師長は?●●

夜勤看護師のTさんが、2階談話室で流れ板の風(ふう)さんとセクハラ親父のDさんが≪ちんちろりん≫をしている現場を押さえ、丼とサイコロ3個を取り上げたのですが・・・
丼は証拠品として押収したものの、流れ板の風(ふう)さんの執拗で、異常なまでのサイコロに対する愛着心?執念に負け、流れ板の風(ふう)さんが部屋に戻り、ベッドに入った時にサイコロを返すことになりました。
その下りはこんなところ・・・

「お姉さん。サイコロ返しておくんなさい」

「どうしようかな?」

「さっき、約束したじゃないですか!」

「そうだけれど・・・私も報告しなきゃいけないし・・・」

「報告でもなんでもして下さい。それと、私のサイコロとは何も関係がない!」

「それはそうだけれど・・・」

「この間は、サイコロ同様、長年愛用してきた花札の坊主を、お姉さんの親分に真ん中からへし折られたんだぞ!」

「親分?・・・それって、師長のこと?」

「そうだよ!あの、憎らしい女親分だ!」

「お、親分だって・・・フフフ・・・言い得て妙!」

「あんな目に・・・そのサイコロまで遭ったら、俺の人生はもうお仕舞いだ!」

「確かに、女親分?師長だったらハンマーか何か持ってきて潰しかねませんね・・・」

「そうだろ!ここは一つ、流れ板の風(ふう)さんのお願いを聞いて貰えねえか?」

「そうね・・・じゃあ、もう病院内でこのサイコロを使わないって約束してくれる?」

「ああ、約束しやす。このサイコロは二度と使わない!約束した!」

「はい、じゃあ、返すわ!でも、報告はしないといけないから、もし誰かが見せてと言ったら見せてくださいよ」

「へいへい、お見せする位ならいつでも」

「はい、じゃあこれ」

「恩に着るぜ、お姉さん!」

「・・・・・・・・・・それから、私はお姉さんじゃなくて看護師のTです」

「はい、わかりやした。看護師のT姉さん」

「何ですか、それ? まあいいか・・・じゃあ、お休みなさい。」

「おやすみ。看護師のT姉さん」

「じゃあ、明日ね! 親分?・・・師長から質問されたら、きちんと答えてね!」

「へいへい」

こんな会話を交わして、サイコロは夜勤看護師のTさんから、流れ板の風(ふう)さんの元に戻りました。
その後は何事もなく、平穏な夜が明けていきます。
病棟内に響くのは、ナースステーションに設置された心電図モニター音と患者さま、それも男子患者のイビキの音だけ・・・

翌日の朝・・・
内科病棟L師長の朝は早い。
始業前、いつも朝の8時には、白衣に着替えて病棟内を各部屋を回り始めます。
その前には必ず、夜勤看護師に前の晩に何かあったかを聞きます。

「おはよう」

「おはようございます。L師長」 「・・・ございます。L師長」 「・・・L師長」

「昨晩は何かありましたか?」

「ええ、つまらないことですが・・・」

「何?Tさん」

「就寝時間になっても、部屋にいない患者さまがいらっしゃいました」

「誰?」

「流れ板の風(ふう)さん・・・」

「な、流れ板・・・流れ板の風(ふう)さん!」

「は、はい」

「何していたの?」

「≪ちんちろりん≫?でしたっけ・・・」

「何ですって! ≪ちんちろりん≫! ≪ちんころ≫していたの! またー!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●L師長の敏感な反応●● はⅡ-⑨に続く


2009.2.22 日曜日

珍客万来Ⅱ-⑦

医療・介護のよもやま話 — admin @ 19:02:30

●●Tさん学習する●●

内科病棟の夜勤看護師のTさんは、セクハラ親父のDさんが懐に隠した丼とサイコロを取り上げましたが、何をしていたかが理解出来ません。
そんなTさんに・・・

「丼とサイコロなんか持って帰ってもしょうがないだろ!」

「いえ、証拠として没収します!」

「証拠って、何の証拠だよ!」

「そ、それは、2人が・・・流れ板の風(ふう)さんとDさんが消灯時間になっても、2階の談話室でサイコロ遊びしていたという証拠です!」

「風(ふう)さん。聞いたかい・・・サイコロ遊びだってよ!」

「こんな若い看護師さん達は知りませんよ!」
と、流れ板の風(ふう)さんが付け加えます。

「そりゃそうだ!ハハハ。今時のガキ共はパソコンや、ウイッ!とか言うゲームしてるんだろ?」
Dさんのこの言葉に対して反応するTさん・・・

「ガキ共とは何ですか!それにウイッ!って何ですか?・・・もしかして、ウィーのこと?・・・ウイッ!って酔っぱらっているんじゃないんですから」

「なんだよー!」

「お姉さん、そのサイコロは私の大事な遊び道具であり、商売道具だから返してください!」
流れ板の風(ふう)さんが、ドスの効いた声で、Tさんをギロリと睨みながら詰め寄ります。

「ですから、師長に渡しますから、師長から返して貰ってください!これは、証拠!」

「丼はこちらの病院の給食作っているお姉さんから借りたものだから、お返ししますが、サイコロは私と一心同体ですから!」

「流れ板の風(ふう)さん!何そんなにムキになるの?」

「ムキにもなりますよ!さあ、さあ、早いとこ返して下さい!」

「じゃあ、その前に部屋に戻ってください」

「分かりやした。部屋には戻りますから、返してくださいよ!」

「はいはい・・・」

「それじゃあ兄弟、また続きは後日!」

「よし、次は、コテンパンにしてやるからな。ヒヒヒ!」

2人をエレベーターに乗せ、流れ板の風(ふう)さんはTさんと一緒に3階で降り、セクハラ親父のDさんは4Fへと向いました。
エレベーターを降りて、流れ板の風(ふう)さんは、Tさんに話掛けます。

「お姉さん。本当に、部屋に帰ったら、サイコロ返してくださいや!」

「そうね・・・でも、2人で何していたの?どんなゲーム?」

「本当に知らないのかい?」

「ええ・・・」

「じゃあ、教えてやろう。≪ちんちろりん≫って言う遊びだよ!」

「ちんちろりん?」

「そうだ!俺達の稼業には、もってこいの遊びだ!」

「稼業って・・・流れ板の風(ふう)さんは、その名のとおり、板前さんでしょ?」

「まあな・・・でも、根の無い板前だ・・・」

「ねえ、ながれ板の風(ふう)さん。もしかして、この3つのサイコロでする≪ちんちろりん≫ってお金掛けるの?」

「普通はな・・・」

「それで、今日も?」

「さあどうでしょうか・・・」

「流れ板の風(ふう)さん。あ、怪しい・・・
お金掛けていたんでしょ!院内でギャンブルは禁止ですからね!」

「へいへい・・・」

「取りあえず、師長には今日のこと報告しますから!」

「お好きにしてください。でもサイコロはお返しくださいよ!」

「わかりましたから、そんなに睨まないで!」

「今日は、≪ちんちろりん≫っていう遊びがあるって知ったこと勉強になったな!
それと、中には≪ちんころ≫なんて言う奴らもいるから、ついでに覚えておきな!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●翌日内科病棟師長は?●● はⅡ-⑧に続く


2009.2.21 土曜日

珍客万来Ⅱ-⑥

医療・介護のよもやま話 — admin @ 12:25:09

●●夜勤看護師は見た●●

院内大捜査網を引いた夜勤看護師達・・・
内科病棟は3Fから下階、整形病棟は4Fから上階の担当。
もちろん、捜査対象は言わずと知れた、流れ板の風(ふう)さん&セクハラ親父のDさん。

内科病棟から選出された捜査員は看護師のTさん。
まだ20代のフレッシュナース!
でも、気の強さは天下一品です。
そのTさんが3階から2階に降りると・・・
2階談話室の方から何やら音がします。
人の声こそ聞こえないものの、人の気配と何やら心地よい硬質な音。

「チンチロリン・・・チンチロリン・・・」

Tさんは、音のする談話室に足を運ぶと・・・
既に、消燈時間なので消えているはずの談話室の明かりが付いています。

「誰かいるな!」
Tさんは、一人呟きます。

そーっと、気配を消して談話室に近寄るTさん。
Tさんが、目にしたのは・・・
何故か丼を真中にして向き合っている2人。
流れ板の風(ふう)さん&セクハラ親父のDさん・・・
2人は、丼に向かって何かを投げ入れています。
丼に向かって、手から何かを落とす度に

「チンチロリン・・・チンチロリン・・・」

「これが、あの音の正体ね。2人で何してるの?」

Tさんは、20代の看護師。
賢明なる読者の皆さんならば、2人が何をしているのかは、もうお分かりでしょうが・・・
高校、看護学校、病院と、ある意味無菌状態で看護の道を進んできたTさんには2人が何をしているかが判りません。
まずは、部屋に戻るように言うのが先決と思い、声を掛けます。

「何してるのですか!2人とも消燈時間です!」

突然、暗闇から声を掛けられた2人は一瞬ビクッと反応しましたが、慌てて、丼ごと懐に隠します。
「何だよ、ビックリするじゃないか!」

「もう、消燈時間ですから、部屋に戻ってください」

「まだ、宵の口じゃないか!」
セクハラ親父のDさんが、強気の返事をします。
この強気の発言が、Tさんの生まれ持った気の強さにスイッチを入れます。

「宵の口?」

「ああ・・・」

「何言ってるの!早くして!それと、今隠した丼出して!」

「は?何?」

「は?でも、何?でもないの。早く出しなさい!」
そう言うや否や、セクハラ親父のDさんにカツカツと近寄り、Dさんの懐に手を突っ込み丼を取り上げます。

「何するんだよ!」

「何これ?丼とサイコロ?」
donnburi.jpgsaikoro.jpg
「そうだよ、見たとおり。丼とサイコロだよ!」

「???・・・」

以下 ●●Tさん学習する●● はⅡ-⑦に続く


2009.2.20 金曜日

珍客万来Ⅱ-⑤

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:00:02

●●ある夜のこと●●

院内花札騒動のあと、2、3日は平穏な日々が続いていました。
流れ板の風(ふう)さんは、いつものように午後は談話室でのんびりしていましたし、セクハラ親父のDさんは、相変わらず看護部からセクハラ言動に対して非難の嵐、担当病棟の整形病棟師長や看護部長からのお小言を日課のように受けていました。

院内会議では、院内花札禁止なる告知文を出すかなどとつまらない議題も上がっていましたが、N事務長の判断で、あまりにも低レベルの告知文を出すことは止めようという一言で、議題は否決されました。
しかし、花札騒動に続き、こんなことが院内で行われていたとは・・・

ある夜のこと・・・
面会時間の20:00も過ぎ、21:00の就寝時間にあと30分という時間帯のこと。
そろそろ、就寝時間ということで、就寝前の病室チェックを夜勤看護師が始めると・・・
いつものように、ベッドに居る患者さまは居る。居ない患者はどこかに行っている状況です。
もちろん、内科病棟のベッドにいない患者さまは、流れ板の風(ふう)さん。
整形病棟のベッドにいない患者さまは、セクハラ親父Dさんです。

それぞれの病棟では、21:00には部屋に戻ってくればいいなと、タカを括っていたのですが・・・
21:00を過ぎてもそれぞれの病棟に2人は戻ってきません。
内科病棟の夜勤看護師が整形病棟に電話を入れました。

「内科病棟ですが・・・」

「どうしたの?」

「そちらの病棟に、流れ板の風(ふう)さん行ってませんか?」

「いえ、見てませんよ・・・」

「そうですか・・・」

「それよりも、内科病棟にセクハラ親父Dさんは行ってない?」

「いえ、見てません・・・」

「もしかして・・・」「もしか・・・」

「2人一緒?」「・・・一緒?」

「非常事態?」

「そうですね・・・捜索隊結成しますか?」

「そうね、リーダーに相談するわ!」

「こちらもそうします!」

両病棟とも、リーダーに相談をし、夜勤者の中から1名づつ捜索者を決め、院内の捜索範囲を決めました。
内科病棟は、外来から3階までを、整形病棟は4階から屋上までです。
内科病棟の捜索者が階段を降りていると、2階の談話室から何やら音が聞こえます。
耳を澄ますと・・・

「チンチロリン・・・チンチロリン」

何の音?病院内では聞かない音です。
風鈴の音のような・・・否違う。
何か硬質な物の中で、軽いプラスティックの物が弾けるような音!
音のする談話室の方に夜勤看護師が向かうと・・・

以下 ●●夜勤看護師は見た●● はⅡ-⑥に続く


2009.2.19 木曜日

珍客万来Ⅱ-④

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:17:53

●●L師長が叫ぶ●●

L師長が談話室で目にしたのは・・・
流れ板の風(ふう)さんとセクハラ親父のDさんが机を挟んで座り。
それを2重3重になって取り囲む患者男子。
机の上には、座布団&花札

L師長の顔色に変化が見られます。
大きく息を吸って・・・

「何してるの!」
と言いながら、取り囲んでいる患者男子をかき分けます。

「やばい、隠せ!」
流れ板の風(ふう)さんとセクハラ親父のDさんが、花札を病衣代わりに来ているジャージのポケットに突っ込みます。
でも、全てが入らずに、まん丸お月さまが描かれている絵札が1枚座布団の上に・・・

「何、その札は?」

「いやね、もうすぐ月見だねって話していただけです。なあ風(ふう)さん」

「ああ、いい月だよな・・・」

「何、2人とも訳の分からないこと言っているの!」

「ハハハ」 「ははは」
苦笑いをする2人に

「お月見だの、雨模様とか、猪とか鹿とか動物の鑑賞とか、菖蒲とか萩とか銀杏とかの植物観賞もでしょ!」

「さすが師長さん!良くご存じで!立派なものだ!」
Dさんが声を張ります。

「そんなこと褒められても嬉しくないわ!」

「まあまあ、師長さん一緒にどう?」
悪びれずに誘うDさん・・・

「ふざけてないで、花札なんか病院内でしないで!」

「そんな堅いこと言うなよ」
Dさんが話す机の向いで、流れ板の風(ふう)さんが頷いています。

「堅いとか関係ありません!」

「じゃあ、トランプだったらいいのかよ」

「そうね、七並べとかならいいわね」

「ババ抜きも出来るかな?」

「ババ抜き・・・いいわ。許します」

すると黙っていた流れ板の風(ふう)さんが
「ババ抜きじゃ、師長さん一緒に出来ないぜ!」

「・・・どういう意味?」

「いや、ババ抜きだからな・・・」

「私が?・・・」

「ババ抜き」

「な、何!2人ともいい加減にしなさい!こんな物・・・こうしてやる」
と言うや、座布団の上に残っている絵札を取り、右手一本で半分に握り潰します。

「おいおい、師長さん何て力してるんだ・・・」 「こわー」

「みんな、病室に戻りなさい!解散!院内花札禁止!!!」

以下 ●●ある夜のこと●● はⅡ-⑤に続く


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