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医療・介護のよもやま話

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2009.3.31 火曜日

珍客万来Ⅲ-⑯

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:04:48

●●SNさんのお願い●●

ケースワーカーT君の機転を利かせた行動によって、難を逃れたSNさん・・・
そして、SNさんが連れていかれたのは、N事務長のいる事務長室。
N事務長もT君を探していましたが、まさかSNさんまで一緒に事務長室に現れるとは・・・

「まあ、とりあえず入って・・・ドアを閉めて」

「N事務長。こちらがSNさんです」

「はじめまして。SNです」
殊勝にも小さな声で挨拶をするSNさん・・・

「事務長のNです。立ち話もなんですから、お掛け下さい」

ケースワーカーT君に勧められて、2人掛けソファーに座るSNさん・・・
隣にはT君が、向いにはN事務長が座ります。

「N事務長。SNさんを襲った2人組が病院内をウロウロしているんです」

「そうらしいね・・・」

「SNさんは、彼らと会いたくないと言っておられます」

「そうなんですか?SNさん」

「はい・・・」

「怖い?」

「ええ・・・」

「また、何かされる?」

「多分・・・」

そう話をしていると、事務長室の電話が鳴ります。
「プルプル、プルプル・・・」

「ちょっと、電話出ますね。・・・はい、Nです。・・・はい。・・・はい。ああ、こちらにT君と一緒にいます。・・・分かりました。また後で連絡します」

「誰ですか?」

「看護部長」

「何ですって?」

「人相の悪い2人組が病棟内をウロツイテいて、SNさんを探しているって」

「N事務長さん・・・すみません。助けてください・・・」

「ああ、何とかしましょう・・・まずは、相手の出方を見ましょう」

「お、お願いします・・・あいつ等、本当に滅茶苦茶なんです・・・」

「滅茶苦茶?」

「は、はい。会話が無くて・・・あるのは、脅しと暴力だけなんです・・・」

「そうなの?」

「本当です・・・」

「そうか・・・」

「それで、今、2人組は何処に居るんですか?」
T君がN事務長に尋ねます。

「看護部長が、1階のロビーに行けって言ったらしい」

「さすが、看護部長・・・」

「フフフ、あの人もある意味怪物だからね・・・もしかすると、世の中で一番怖い人かもしれないし・・・」

以下 ●●N事務長の提案●● はⅢ-⑰に続く


2009.3.30 月曜日

珍客万来Ⅲ-⑮

医療・介護のよもやま話 — admin @ 17:34:57

●●事務長室にて●●

SNさんに暴行を加えた2人組が、病院に現れたことを察知したケースワーカーT君の機敏な対応で、最悪の状況を回避したSNさん・・・
SNさんの脅え方を見ると、匿ってよかったと思うT君ですが、これからのことは何も考えていません。
こうならば、頼るのはN事務長しかいません。
2人組が、SNさんがいないのを確認して病院から去ってくれればいいのですが・・・
もし、居座ったら?・・・例え、今日は帰ったとしても明日は?・・・
考えれば考えるほど、これからどうすればいいのか分かりません。
こうなれば、丸ごとN事務長にお願いあるのみ、丸投げすることに決めました。

そのT君の不安を感じたのか、SNさんがT君に問いかけます。
「T君、これからどうなるの?」

「どうなるんでしょう・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「まあ、N事務長にお願いすれば、何とかしてくれるでしょう」

「そうだといいですが・・・」

「大丈夫です。さあ行きましょう」

「はい・・・」

その頃、整形病棟ナースステーションでは・・・
「おい、SNが部屋に居ないぞ!何処に行ったんだ!」
凸凹コンビの凹が怒鳴ります。

「何をそんなに大きな声を出していらっしゃるの?」
たまたま、整形病棟に居合わした、看護部長が対応します。

「どうでもいいけど、SNに会いにきたんだ!SNは何処だ!」

「あらあらそんなに大きな声をお出しになって、お見舞いですか?お見舞いならば面会簿にお名前を記入していただけますこと?」

「いちいち名前なんて書いていられるか!」

「あら、そうして頂けないと、SNさんがお部屋に帰っていらっしゃっても、呼出も出来ませんことよ」

「うるさい!ババアは黙ってろ!」

「あら、私のことババアですって・・・ホホホ」

「何笑ってやがる? 気味が悪い奴だな!」

「だって、SNさん、探しても居ないのでしょ。居ないものは居ない。そんなに大きな声出したら、出てきたくても普通の人は出てこられませんわ」

「・・・じゃあ、どうすればいいんだ?」

「そうですわね・・・1階のロビーで、待っていたらどうかしら?」

「なんで、1階なんだ!」

「ご覧のように、病棟には面会簿にお名前を書かない方のいらっしゃる場所はなくてよ。ホホホ」

「そうか!じゃあ、1階で待たして貰う!」

凹が看護部長とやり合っている間、凸はうつろな目で、口を半開きにしながらナースステーションの中を舐め回すようにみています。
そして事務長室には・・・

「トントン」 「はい」

「Tです」 「どうぞ」

「今、大丈夫ですか?」

「ああ、ちょうどT君を探していたところだよ」

「もしかしてSNさんのことですか?」

「そうそう・・・」

「そのSNさん連れて来ました」

「えっ?連れてきた?・・・」

T君に隠れて見えませんでしたが、T君の後ろには何かに脅えているSNさんが立っています。
「まあ、とりあえず入って」

以下 ●●SNさんのお願い●● はⅢ-⑯に続く


2009.3.29 日曜日

珍客万来Ⅲ-⑭

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:22:27

●●ケースワーカーT君の機敏な行動●●

S刑事曰く、素人相手に無茶なことをする2人組の凸凹コンビが病院内、病棟をうろつき始めた頃・・・
その姿を確認したケースワーカーのT君は、内科病棟のナースステーションから整形病棟へ階段を駆け上がっていました。
2人組の姿、特に服装を見てもしやと思ったからです。
入院患者さまの生活全般、患者さま本人はもちろんのこと、患者さまについて家族との繋がりが大切な仕事柄、頭の中には患者さまに関するあらゆる情報がインプットされています。
もちろん、N事務長経由でSNさんにケガをさせた2人組のことは聞いています。
2人組の人相の悪さ、暗い闇の中を彷徨よいながらも獲物の血を求めるギラついた眼、2人の凸凹加減、何にもまして三本線の入ったジャージをだらしなく着こなす姿を見て、もしやと思ったのです。

凸凹2人組が内科病棟の各部屋を回って、SNさんを探し回っている頃・・・
ケースワーカーのT君は、SNさんの病室にいました。

「SNさん!今いい?」

「どうしたんですか?そんなに息を切らして・・・」

「SNさん、確認しますけれど・・・
SNさんに暴行したのは、2人組。
背が高いのと小さいのの2人組でジャージを着た眼付の悪い2人組じゃないですか?」

「なんで・・・そんなこと知ってるの?」

「刑事さんから・・・もしもの時の為にって・・・事務長と私しか知りませんけど・・・」

「そ、そう・・・それで・・・あの2人がどうしたの?」

「今、病院内に・・・」 

「えっ? 今、病院にいるの?」

「ええ、今、下の階に!」
そう聞くと、SNさんの顔が青ざめ、落ち着きが無くなってきます。

「ど、どうしよう?殺されるかも・・・」

「逃げましょうか?・・・それとも隠れます?」

「お願いできますか?・・・匿ってください」

「それじゃあ行きましょう」
そう言って、T君はSNさんに肩を貸し、ベッドから降りたSNさんを病室から避難させます。
もちろん、病室を出るときは廊下に2人組がいないかをしっかりと確認してから・・・

エレベーターと中央階段を避け、南階段に向います。
SNさんとT君が南階段に差し掛かった時、ナースステーションで看護師を脅すような声が聞こえます。

「おい!SNの部屋は何処だ!」
その声の方向をちらっと見たSNさんは、咄嗟にT君の陰に身を隠します。

「は、早く・・・」
そう言いながらも、体中が震えはじめています。

「い、行きましょう」
T君は、SNさんを支えながら、階段を上る速度を速めます。 

「ど、何処に?」

「この病院の中で一番安全なところ・・・」

「えっ、何処ですか?」

「職員も寄りつかないところ」

「?」

「事務長室に行きましょう!」

「事務長室?」

「そう。誰も黙って入ってこないアンタッチャブルな部屋です」

「お、お願いします」

そう言いながら、階段を上り、事務長室はもう目の前です。

以下 ●●事務長室にて●● はⅢ-⑮に続く


2009.3.28 土曜日

珍客万来Ⅲ-⑬

医療・介護のよもやま話 — admin @ 21:28:33

●●奴等はやってきた●● 

SNさんが搬送されてから3日、S刑事がSNさんを訪ねてきてから2日が経ちました。
何事もなく病院の時間は経過し、S刑事が心配することは起きないだろうと思っていた土曜日の午後・・・

今日は土曜日だし、少し早めに帰ろうと思い、N事務長もラストスパートをかけて仕事を片付けていると・・・
事務長室の電話が鳴ります。

「ぷるぷる」 (かちゃ)

「はい、Nです」

「N事務長!内科病棟です」

「どうしたの?」

「先ほどから、目つきの悪い変な男性2人組が病棟内をうろうろしているんです」

「目つきの悪い変な男性2人組?」

「ええ、病室入口のネームプレートを確認してから、病室を覗いているんです」

「それで?」

「何か御用ですか?って聞いたら」

「聞いたら?」

「人探しているだけだよ!って睨みつけるんです!」
終に来たか・・・

「分かった・・・そっちに、ケースワーカーのT君はいる?」

「ええ、さっきまでいましたけれど、2人組を見て慌てて走って出ていきました」

「了解。T君はこちらで探します。T君を見かけたら、私に連絡をするように言ってください」

「はい」

どうやら、SNさんを痛め付けたあの2人組が現れたようです。
となると、1階の受付を通っているはずです・・・
N事務長は、1階受付、医事課に連絡を入れます。

「もしもし、Nだけれど」

「お疲れさまです。」

「確認したいんだけれど?」

「はい、何でしょうか?」

「受付に入院患者さまのSNさんを訪ねて誰か来なかった?」

「ああ、あの目つきの悪い2人組ですか?」

「そうそう・・・」

「SNさんは、入院しているかと聞いてきましたので、はいと答えると・・・そうかって言って病棟の方に向いました」

「ビンゴだな・・・」

「???」

「それで、部屋は聞かなかったの?」

「ええ、入院しているかって聞いただけです・・・」

「なるほど・・・それで、どんな感じでしたか?」

「なんだか、何を考えているか分からないような雰囲気で、繁華街でクスリやって座り込んでいる昔で言うなら、チーマーみたいな人達でした。」

「チーマーって・・・それ死語だよ・・・」

「す、すみません。年齢バレますね・・・」

「その他は?」

「一人が背が高くて、もう一人は小さかったです」

「凸凹コンビですね?」

「はい・・・」

そんな、電話をしている頃、ケースワーカーのT君は・・・
凸凹コンビを見かけるや、ダッシュで整形病棟に向かっていました。
そう、SNさんの病室に向かったのでした・・・

以下 ●●ケースワーカーT君の機敏な行動●● はⅢ-⑭に続く


2009.3.27 金曜日

珍客万来Ⅲ-⑫

●●S刑事の忠告●●

SNさんから話を聴いたあと、S刑事はN事務長の部屋にやって来ました。
N事務長に話があるようです。
なんでしょうか?

「どうぞお掛け下さい」
そう言って、ソファーに腰掛けるよう促します。

「忙しいところ申し訳ありませんね」

「いえ・・・」
N事務長も、事務椅子から2人掛けソファーの対面に位置する1人掛けソファーに座ります。

「今日は、会議室貸してくれて有難う」

「とんでもありません。ただ場所をお貸ししただけですから」

「今、追っている別件の捜査に役立ちそうだよ」

「それはよかったですね」

「全く、世の中には悪い奴らがどんどん出てくる。
捕まえても、捕まえても、別の奴らがウジ虫のように湧いてくる」

「S刑事は、休む時間もありませんね・・・それで、なんの話ですか?」

「ああ、今入院しているSNさんのことだけど・・・」

「事件として取り扱うのですか?」

「いや、本人が望まないから、今のところ事件にはしない」

「そうですか・・・それで?」

「どうやら、金が絡んでいて、金を返さなかったから脅しの意味も込めてヤラレタみたいなんだ」

「そうですか・・・」

「奴等も馬鹿じゃないから、警察が絡んでくるとまたSNさんを襲う可能性があると思うんだ。」

「それは、暴力、暴行を加えるという意味ですか?」

「それよりは、金の回収の為に拉致したりとか・・・他に金貸している人に対しての見せしめに・・・」

「んー・・・なるほど・・・」

「今日、SNさんから話を聴いたからには、奴等からSNさんを守ってやらなければいけなくなった」

「はあ・・・」

「それで、N事務長にも少しだけ情報を流しておこうと思ったんだ」

「有り難いやら、有り難くないやら・・・」

「奴等と言ったけれど・・・2人組なんだけど・・・こいつらチンピラを越えているから。
なんだか、他人を傷つけることを楽しんでいるようにも思える。
怖いもの知らず。素人相手に無茶苦茶やりやがる」

「ほー・・・それで、私にどうしろと?」

「いやいや、N事務長も無茶しないようにと忠告だよ」

「なるほど、相手にしないようにということですね」

「そういうこと」

「分かりました。忠告有り難く肝に命じます」

「そんなこと分かっていると思うけれど、ケガしないように・・・」

「何かありましたら、警察に連絡させて頂きます」

「ああ、いつでも・・・私の名前出して貰って構わないから・・・SNさんにも同じように伝えたから」

「分かりました」

そう言って、S刑事は事務室を出て行きました。
S刑事が忠告するくらいですから、ほんとに無茶する奴等なのでしょう・・・

以下 ●●奴等はやってきた●● はⅢ-⑬に続く


2009.3.26 木曜日

珍客万来Ⅲ-⑪

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:14:52

●●刑事さんとN事務長●●

SNさんに暴行を加えたのが、担当している事件の被害者からの情報と同じであることを確認したS刑事・・・
その後も、暴行時の詳しい状況や2人の特徴を聴き取りました。
SNさんからの聴き取りによる暴行を加えた2人組の特徴は以下のようです。

年齢 20歳くらい
身長 180cmくらい(以下凸) と 160cmくらい(以下凹) の凸凹コンビ
特徴 凸凹ともにやせ型、目つき悪い、異様な目の輝き(くすんだ輝き)
    凸は何も喋らない、背が高く、やせ型の体をくねらせ、挑発するように人の顔を覗き込む。
    凹はよく喋る、人を挑発するような喋り方をする。
服装 2人ともセットアップジャージ(三本線が入っていたけど、パチモンかも?)
    黒とシルバーの2パターンだけど、三本線の色がパチモン?

SNさんの話を総合すると以上のようであり、凹が挑発して凸が先に手を出すというパターン。
暴行時を再現すると・・・

昨晩、23:00頃・・・
バイトを終えて、家に帰ろうと駅に向かうSさん。
店を出て、200mほど歩いたところで、前から歩いてきた目つきの悪い凸凹2人組に声を掛けられる。
「おい、SNだろ?」

「そうだけど、何だよ!」

「何だよとは、お言葉だね」

「だから何だよ?」

「そんな言葉使ってていいのかな? 痛い目に遭いたいようだね!
こいつ、今イライラしてて、人を痛めつけたくてしょうがないらしいんだ! なっ?」
と、凸を指さしながら、言い放ちます。
凸はニヤニヤしながら、SNさんとの間合いを詰めてきます。

「な、何だよ・・・」

「ちょっとこっち来な!」
そう言うや、2人でSNさんの両腕を掴み、バイト先と駅の中間にある神社に連れ込みます。
神社と言っても、結構な広さがあり、繁華街にあるその境内は夜には有料駐車場になっています。
一番奥の人目に付かない場所まで連れていかれると、凹が・・・

「おい、SN! オマエ、今日何日だ?」

「え? 今日?」

「だから何日だ?」

「3日だろ?」

「月変わったよな! オマエ、Xさんに連絡してないだろ!」

「Xさん・・・」

「オマエ、逃げられると思ってるのか?
借りたものは返せよ!
期日は守れ!
遅れるなら、連絡のひとつもいれろや!」
凹がそう言うと、凸のヒザがSNさんの腹にめり込み、あとはボコボコに・・・

という経緯をSNさんから聞いたS刑事は、会議室を出て事務長室に向います。
相棒の若い刑事は、SNさんを病室まで送っていきました。
S刑事は事務長室のドアをノックをして、N事務長の返事を確認してから部屋の中に入り、N事務長に話掛けます・・・

「会議室有難う」

「終わりましたか?収穫はどうでしたか?」
N事務長の問いかけに、S刑事は微笑みながら・・・

「おかげさまで、まあまあかな」

「そうですか、それは良かったですね」

「それはそうと、少し時間いいかな?」

「ええ、どうぞ・・・」

S刑事は何か話があるようです・・・何でしょうか?

以下 ●●S刑事の忠告●● はⅢ-⑫に続く


2009.3.25 水曜日

珍客万来Ⅲ-⑩

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:46:10

●●暴行の状況●●

SNさんから事情を聴いているS刑事・・・
犯行の状況を確認しています。

「そうか、SNさんに暴行を加えたのは、20歳くらいの2人組だな?」

「はい」

「そいつらから金を借りたわけじゃないな?」

「ええ、別の人です・・・」

「誰から?」

「それは・・・言えません・・・」

「どうしてだ? 言ったら殺されるか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「まあいいけど・・・どうせ、○×組のXだろ?」

「知ってるんですか?」

「ああ、別の暴行を受けた人から聞いた!」

「Xさんのことは、僕は話してませんよ・・・」

「ああ、君がそうしたいならそうしておこう。Xは別件で捕まえるから・・・それに1件だけでも被害届が出ていれば充分だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「それで、その若い2人組はどんな格好していた?」

「2人ともジャージでした。一人は黒色で一人はシルバーでした。生地はセットアップジャージの一種だと思います。三本線が入っていました」

「なるほど・・・別の人もそう言っていた」

「間違いなく、同一人物ですね」
メモをしていた、同僚の若い刑事さんが呟きます。

「ああ、間違いないな。2人の関係はどうだった?」

「関係ですか?」

「そうだ、どちらかが上とか、命令していたとか・・・」

「背の小さい方がずっと喋っていました。大きい方は何も喋らず、ずっと睨んでいました・・・大きい方は何も喋らず不気味でした」

「そうか・・・先に手を出したのは?」

「いきなり、大きい方が・・・それも突然膝蹴りで腹を蹴られて、あとは殴る蹴るの連続でした・・・」

「それで、地面に転がって、サッカーボールキックで終了か?」

「は・・・はい」

「何か、最後に言ったか?」

「金、借りた金はきちんと返せよって言っていました・・・」

「分かった」

以下 ●●刑事さんとN事務長●● はⅢ-⑪に続く


2009.3.24 火曜日

珍客万来Ⅲ-⑨

●●SNさんの独白●●

病院の会議室でS刑事と向かい合って座ったSNさん。
SNさんの隣では、S刑事の相棒の若い刑事が背広の内ポケットから手帳を出しています。
SNさんは、やっと暴行を受けた状況を話す気持ちになってきたようです。

「SNさん、どうしてこんなケガをするほど、暴行されたの?」
怖い顔に似つかぬ優しい声でS刑事が尋ねます。

「やつらとは面識がなかったのですが・・・」

「誰かから、金借りていたのか?」

「は、はい・・・」

「幾ら借りたんだ?」

「50万です・・・」

「いつ借りたんだい?」

「3か月前です・・・」

「返済は?」

「毎月15万ずつです・・・」

「ちゃんと払っていたの?」

「ええ、今月以外は・・・」

「今月払ってなかったのか?」

「すみません・・・」

「俺に謝らなくてもいいよ。それじゃあ、2回は返したんだ」

「はい・・・」

「今月分、払わなかっただけで暴行を加えるとは、随分穏やかじゃないな」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「50万借りて、30万払ったか・・・元金まで達してないからか・・・」

「でも、刑事さん。元金は1円も減ってないんです・・・」

「は?・・・利子幾らだ?」

「トイチです・・・」

「それじゃあ、15万全部利子か?」

「はい・・・」

「今時珍しい闇金だな。どこで借りたんだ?」

「ポーカーゲーム屋です・・・」

「やられたな」

「はい・・・」

「借りた金については、弁護士に仲介に入って貰って、法定金利で払うようにしなさい。
ご両親にきちんと話をして、立て替えて貰って全額一括でな」

「はい・・・」

「それで、SNさんに暴行したのは?」

「知らない、若い2人組でした・・・」

「年恰好は?」

「2人とも20歳くらいで、一人は身長が180cmくらいでもう一人は160cmくらいでした」

「やっぱりそうか・・・」

以下 ●●暴行の状況●● はⅢ-⑩に続く
 


2009.3.23 月曜日

珍客万来Ⅲ-⑧

医療・介護のよもやま話 — admin @ 16:00:51

●●会議室で●●

S刑事を先頭に、SNさんと肩を貸す若い後輩刑事が続いて会議室に入ります。
SNさんは、やっぱり昨日の今日で、体のいたるところが痛いようです。
そんなSNさんに・・・

「大丈夫か?病室の方がよかったか?」

「いえ、大丈夫です」

「まあ、座ろう」

「はい」
そう言って、S刑事が会議室の奥に座り、SNさんは移動が少なくていいようにドアに近いところに座ります。

「今日は、事情を聴くだけだから・・・」

「そう思っています」

「でも、そんなに、ケガさせられたのに事件にしなくていいのか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「やられた奴のことは分かっているんだろ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「あいつらは、容赦ないからな・・・多分、SNさんの味方になってあげられると思うから、被害届出さないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうする?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「出さないか・・・SNさん、あいつらのこと怖いんだろ?でも、また同じようにやられるよ! 間違いない・・・」

「・・・刑事さん・・・あいつらって言ったけど、相手のこと分かってるの?」

「ああ、顔までは特定出来ていないけれど、所属まではな・・・まあ、名前が分かるのも時間の問題だ」

「・・・そうですか・・・」

「やつらは、闇金、金貸しの取り立て屋だろ?」

「・・・知ってるんですか?」

「ああ、SNさんと同じ様に入院している人がいる。その手口、やり方がほぼ一緒だ!」

「その人は?」

「君より重症だ・・・3週間は入院が必要だということだ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「それじゃあ、被害届は出さなくてもいいから、情報だけ教えてくれよ」

「・・・その方がいいですか?」

「そうすれば、君のことも守ってあげられるかもしれない」

「・・・本当に守ってくれますか?」

「出来ることはな・・・あとは、君次第だ」

「僕次第ですか?」

「そうだ・・・ギブアンドテイクだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうする?」

「分かりました・・・」
そう言うと、SNさんは覚悟を決めたように、喋りはじめました。

以下 ●●SNさんの独白●● はⅢ-⑨に続く


2009.3.22 日曜日

珍客万来Ⅲ-⑦

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:06:10

●●刑事さんとSNさん●●

S刑事と相棒である後輩の若い刑事さんがSNさんの病室に入っていきます。
それにしても、警察の人達は一種独特の存在感?というか、場になじまない雰囲気があります。
2人の雰囲気はどう見ても、一般のお見舞いの方々とは雰囲気が違い過ぎます。
着ているスーツのせい?鋭い目付きのせい?それとも体型のせいか・・・
事件を担当して、現場を捜査する刑事さんてみんな妙に首が太い。
武道をしているからなのかな・・・
そんな2人が、会議室を貸してくれというのは、自分達が病院内で浮いているのを自覚しているからでしょう。
一応、病院に対しての・・・SNさんに対しての思いやり、気遣いなのでしょう。

病室にて・・・
「SNさん、調子はどう?」

「ああ、刑事さん。昨晩はお世話になりました」

「いいよいいよ、そのままで」
SNさんは、ベッドから降りようとしています。

「すみません・・・」

「でも、顔の腫れは昨晩より酷いな。痛むか?」

「ええ、少し・・・」

「そうか・・・だいぶヤラレタな」

「はい」
もっぱらSNさんに質問、話掛けるのはS刑事です。若い刑事はメモ係。

「ちょっと、話を・・・詳しく話しを聞きたいんだ」

「そうですか・・・」

「時間くれるかな?」

「それはお願いですか?」

「いや」

「分かりました。拒絶する理由もありませんので・・・」

「じゃあ、場所を変えよう」

「警察に行くんですか?」

「いや、その体では無理だろうし、SNさんが事件にしないと言ったから、参考までに話を聞きたいだけだ・・・病院の会議室を貸して貰った」

「分かりました・・・」

若い刑事さんがメモをスーツの内ポケットに仕舞い、SNさんに肩を貸します。
「大丈夫か?歩けるか?」

「歩くのは、なんとか・・・」

「アバラにヒビ入っているんだって?」

「ええ・・・」

「これでやられたのか?」
そう言って、S刑事さんは前に出した手でグーを作ります。

「いえ、それもありましたが・・・ヒビが入ったのは違うと思います」

S刑事が今度は、サッカーボールを蹴るような真似をします。
「こっちか?」

「ええ、たぶん。倒れ込んだ時に蹴られましたから・・・」

「そうか・・・」

「刑事さん、どっちに行くんですか?」

「ああそうだ、立ち話もなんだな。さあ行こう!」

以下 ●●会議室で●● は以下Ⅲ-⑧に続く


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