職業は?④
●●A君の電話●●
健診結果の発送間違いを指摘してくれた○×教育委員会に所属する先生には、発送ミスを咎めることなくお許しを頂けたようです。
N事務長は、30分で病院に戻ると言っていたA君に、この件の処理は任せてみようと考えていました。
30分後・・・
A君は意気揚揚とN事務長の事務室に戻ってきます。
「N事務長、今戻りました!」
「御苦労さま。上手くいったようだね」
「はい。予定通りです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「教えて貰ったとおりに、ことが進みました」
「そうですか・・・」
「あとは、連絡がつかない方ですね・・・」
「それも、A君に任せるよ!」
「はあ・・・」
「自分達で犯したミスだから、自分たちで解決してみて」
「わかりました」
「今、行ってきた方のようにいい方、いい人だといいね・・・」
「はい・・・」
「もう、そろそろ7時か・・・もう帰っているでしょう。電話してみたら?」
「はい。じゃあ、電話掛けてみます」
「ここで電話したら?」
「電話番号が・・・」
「持ってないの?」
「健康管理センターに戻らないと・・・」
「ダメですね・・・まあ、いいか・・・じゃあ、後で結果を連絡してください」
「はい」
A君は、そう言い、健康管理センターに戻っていきます。
A君が電話で上手く相手を納得させられなければ、その場で電話を代わろうと思っていたのに・・・
A君に任せると決めたからには、結果連絡をまちましょう。
健康管理センターでは・・・
この間違いを犯した当事者達、事務員達がA君の帰りを待っていました。
「どうでしたか?」 「怒られたりしませんでしたか?」
「上手くいきました」
「良かった・・・」 「ホッとしました・・・」
「N事務長は?」
「最初は怒っていたけれど、今はそうでもないかな・・・」
「受診者の怒りよりそっちの方が怖いかも・・・」 「そうそう・・・」
「じゃあ、間違えた別の方の連絡先教えて」
「はい、こちらです」
事務員が差し出した受診者一覧表を見ると・・・
在籍 ○×高校
性別 男
年齢 33歳
氏名 MD となっています。
早速、その一覧表にある連絡先電話番号に電話を掛けます。
「プルプル、プルプル、プルプル、プルプル・・・」
「出ないな・・・」 「かちゃ」
「もしもし、M様のお宅ですか?」
「ああ・・・」
不機嫌そうな男の声です・・・
「誰?」
「申し訳ありません。私、○×病院、健康管理センターのAと申します」
「なんだよ、こんな時間に!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
以下 ●●A君とMDさんの会話●● は⑤に続く