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医療・介護のよもやま話

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2009.9.30 水曜日

“や”の付く稼業98

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:09:37

●●患者さまとの電話の内容●● 

それでは実際に患者さまに電話を入れます。
「●●様でいらっしゃいますか?先日、お目に掛かりました○×病院のNでございます」

「ああ、○×病院のN事務長か」

「先日、●●様から頂戴致しました問題についてお話させて頂きたいのですが、今お時間宜しいでしょうか?」

「ちょっと待っててくれる?」

「はい」
人混みにいるような音が受話器から漏れ伝わってきます。

「ゴメンゴメン、今、人の多いとこにおったんや」

「そうですか、お話してもよろしいですか?」

「ああ、構わない」

「先日はお忙しいところ申し訳ありませんでした」

「ああ、それでどうだった?」

「はい、対象の職員に確認しましたところ、理由はともかく、●●様の仰った事実は確認出来ました」

「そうやろ、あの言い方はないで」

「ええ、その件につきましては担当部署の管理者から厳重注意させて頂きました」

「そうか・・・それで?」

「本人からも、私宛に反省文が提出されました」

「反省文?」

「ええ」

「どんな?」

「要約すれば、患者さまに不愉快な気分にさせたことを反省していますということです」

「そうか・・・」

「どんな状況に置かれたとしても、患者さまに順序を付けたことを悔んでおりました」

「順序?」

「はい。順序というか看る順番というのでしょうか?」

「順番?」

「ええ、●●さんにナースコールで呼ばれた時に、ここだけの話ですが、急変された患者さまがいらっしゃいまして」

「急変?」

「ええ、要は、急に病状が変化したってことです。つまりは、危ない状態ってことです」

「そうやったんか・・・」

「ええ、それで本人も余裕がなかったみたいで、言葉足らずで本当に申し訳ありませんでした」

「そ、そうか・・・それで、その急変したとか言う患者はどないしたんや?」

「その晩はなんとか持ちこたえて、翌日のお昼過ぎに家族さまに見送られて、旅立たれました」

「そうならそうと言ってくれればよかったんや」

「そうですが、彼女もプロの看護師ですから、口が裂けても他の患者さまに手を取られているから、待っててとは言えなかったようです」

「なんだか、寝覚めの悪い話やな。オレが難癖付けたみたいや」

「いえそんなことはありません。日頃から●●様と上手くコミュニケーションが取れていれば、●●様もこんな風に思わなかったと思います」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「看護師のFは、男勝りというか、男気があるというか、看護師としての能力は人一倍あるんですが、言葉使いにやや難がありまして・・・●●様には本当に嫌な思いをさせてしまったのではないかと考えております」

「まあまあ、Fさんやったかな?」

「はい、看護師のFです」

「ええ看護師やってことは他の患者から聞いて知っとるわ。あんまり怒らんたってや」

「いえ、彼女の為にも叱るべきは叱らせて頂きます」

「なんやオレが悪い奴に思われとるんやないか?」

「そんなことはありません。Fにも、彼女のことを思って、わざわざ病院に意見を言いに来て頂いたことを有り難く思いなさいと言っておきました」

「そうか・・・」

「この度は、不愉快な思いをさせて本当に申し訳ありませんでした。●●様に有り難いご助言を頂いたことを心にしっかり刻み、今後もよりよい病院になるように努力してまいります」

「そうか・・・看護師のFさんにも頑張れって言っておいてや。わざわざ連絡させてすまんかったな。また、調子悪くなったら寄らせていただくわ」

「そうしてください。いつでもお待ち申し上げております」

こんなものでしょう・・・

以下 ●●管理職としての心掛け●● は99に続く


2009.9.29 火曜日

“や”の付く稼業97

●●Fさんと患者さまの問題の対応●● 

看護師のFさんと入院患者さまの問題は、よくある話といえばよくある話で、病院が抱える問題が浮き彫りになった問題です。
どんな立派な病院でも・・・立派といっても建物や設備じゃないけれど・・・夜間の看護師の人員は手薄になります。
確かに昼間より看護職員のルーチンワークは少ないとはいえ、看ている患者さまの数が減るわけじゃありません。
患者さまは寝ているから、その分楽なんじゃないのかと指摘を受けることもありますが、夜寝られなくて看護師を呼ぶナースコールの数は半端じゃありませんし、看護師1人が看られる患者さまの数は限られています。
そこに急変患者が現れると・・・言わずもがな、ナースコールで呼ぶ患者さまへの対応は後回しになる・・・
何処の病院でも夜間によくある光景?、病院、看護現場の悩み?看護師の仕事がキツイと言われ、9Kなどと揶揄される原因です。

9Kとは?
ブルーカラーで言われる3Kに、ある作家がその作品の中で5Kを足したものに、N事務長が1K足しました。
危険
汚い
きつい
  以上3K
結婚デキナイ
子供ウメナイ
給料ヤスイ
薬ヅケ (勤務が昼夜滅茶苦茶な為に睡眠薬を服用している)
休暇ナシ
  以上5K
休憩ナシ  N事務長の1K

患者さまにもこんな現場を理解して貰えればいいのですが、患者さまには患者さまの言い分があります。
お金を払っているからには、元を取らせて頂く?
急変の患者さまがいようが、自分も痛い、苦しい、我慢出来ない。
それはそうでしょう。
でも、どんな仕事でも仕事は優先順位が大切です。
分かって貰えなくても、患者さまにその時の状況を説明しなければいけないでしょう。

その日の午後、看護部長から看護師Fさんのこの問題に対するレポートの提出を受けたN事務長。
そのレポートを読むと・・・
今回の患者さまとの問題における考察
1.患者さまへの配慮の無さ
2.患者さまへの言葉の使い方
3.自分の余裕の無さ
以上を考えさせられました。
今回、私の不用意な言葉使い、自分の取った言動を心より反省し、今後の看護に役立てていきたい。
となっています。

まあ、こんなところでしょうか・・・
後は、N事務長の腕の見せ所です。

夕方、患者さまの携帯電話に連絡を入れます。
①この時には、事前に掛けていい連絡先や連絡時間を聞いておきます。
②電話に出られたら、しっかり名乗り、挨拶をする。
 「●●様でいらっしゃいますか?先日、お目に掛かりました○×病院のNでございます」
③たとえ掛けていい時間と聞いていても、用件と今お話してもいいかと尋ねる。
 「先日、●●様から頂戴致しました問題についてお話させて頂きたいのですが、今お時間宜し
 いでしょうか?」
④患者さまが電話でいいと言ったら、電話で用件を話すが、直接聞きたいと言った場合は改めてその日時を決める。
 この場合、電話でいいと言わせる方が当然よい。
 事前に会ったときに、お返事は電話でという振りをしておくのもいいし、そのくらいの人間関係を
 作ることが大切です。
⑤内容を懇切丁寧に話す。

以下 ●●患者さまとの電話の内容●● は98に続く


2009.9.28 月曜日

“や”の付く稼業96

●●管理職として●● 

看護部長は、一看護師としての思いよりも、管理者としての職務の重さ、看護部としての患者さまへの対応を優先させることが重要だと再認識したようです。
さらに看護部長とN事務長の会話は続きます。

「看護部長、辛い気持はよく理解出来ますが、やはり看護部長が今思っていることがリスク管理をしていく上で大切だと思います」

「そうなんでしょうね」

「私はそれ程でもありませんが、院長、看護部長は同じ職種として、同じ教育を受けてきた職員の上司でもあるわけです」

「看護師、医師ということね?」

「そうです。その教育の中で看護師として、医師としての知識や技術以外にも、倫理観や仕事に対する道徳観だとかを学んだりしてきたはずです」

「道徳観はどうか知らないけれど、倫理観は確かに学ぶわね」

「それらの思いと一般社会の倫理観との差異が大きくなっていることも考えられます。もちろん倫理観なんてものは、個人の倫理観であって、他人と比べるものでないことは分かっていますけれど・・・」

「そうね、医療従事者としての倫理観が、医療従事者に希薄になっているのも、一般社会との差が大きくなっていることに関係があるのかしら」

「病院の外に一歩出てしまえば、医療従事者だって一般人ですから」

「だからこそ、狭い世界観に縛られてしまうのかもしれませんわ」

「そこです。看護部長も院長も看護師、医師という職業に就いてもう何十年も経っています」

「何十年は言い過ぎですわ」

「失礼しました」

「25年くらいにしておいてくれます?」

「はい・・・それで、今まで実感として、実体験として学んできた看護師や医師としての倫理観に縛られているんです」

「そうかしら?」

「そうとは言い切りませんが、確かにそのようなところはあると思います」

「ということは、どうなるのかしら?」

「したがって、その倫理観さえ守っていれば、患者さまがもし不快感や不愉快な思いをされたとしても、まあしょうがないなと自分の仲間である看護師や医師を庇ってしまうのだと思います」

「そうね、そう言われると確かにそんな風に思いがちですわ」

「それが悪いこととは思いませんが、どうして自分の部下、仲間、同僚、同じ職種の職員を庇いたくなるのかということを患者さまに理解して貰おうとしないのですか?」

「どうやって、そんなことを?・・・それに、これはあくまで医療従事者の勝手な思いかもしれないし・・・」

「ですから、何時まで経っても患者さまとの距離が縮まらないのではないかと思います」

「そうかしら?」

「○×病院がそうだとは言いませんし、比較的患者さま本位の看護や医療を提供していると思いますが、それでも昨日のようつまらないことが原因で、その思いが患者さまに伝わらないのが残念でなりません」

「そうよね・・・」

「だからこそ、看護師として、医師としての倫理観を患者さまに敢えてぶつける。そして、その倫理観を変化させていくことが必要なんじゃないですか?」

「倫理観の変化?」

「そうです。世の中の価値観や倫理観なんてものは刻々と変化しています。大前提として普遍の価値観や倫理観は確かにありますが、看護師や医師の倫理観や価値観も変化するべきことはあるはずです」

「そうかもしれません」

「何だか、訳の分からない禅問答のようになっていますが、私の言いたいことはこれからまとめます。それを読んで頂ければお分かり頂けることと思います」

「そう。お願いしますわ・・・それで、Fさんの件はどうしますか?」

「その件は私にお任せください」

「大丈夫?」

「Fさんのレポートを読ませて頂いて、患者さまにはご理解いただきます」

「本当に大丈夫?」

「ええ、お任せください」

「それじゃあお願いしますわ」

以下 ●●Fさんと患者さまの問題の対応●● は97に続く


2009.9.27 日曜日

“や”の付く稼業95

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:49:36

●●リスク管理⑥(看護部長の見解6)●● 

事務長室のソファーに向かい合って座った看護部長とN事務長。
もちろんソファーの間には、無糖のアイスコーヒーが2つ小さなローテーブルの上に乗っています。
そのアイスコーヒーの氷をカタカタ鳴らしながら、看護部長が話始めます。

「患者さまの言うことはもっともなんですけれど、看護師にも落ち度はないのよね」

「それが看護部長の結論ですか?」

「と、一看護師だったら言いたいところですけれど、看護部長としてはそうもいかないのが辛いわ」

「・・・それで看護部長としてのご意見は如何でしょうか?」

「看護師のFさんは、N事務長も知っているとおり看護師としての技術や知識は、次代の○×病院を背負って立つ程のものです」

「はい、それは存知ております」

「その患者さまに呼ばれた時に、受け持ち患者さまが急変していたことも事実なんです」

「そうですね」

「でも、看護師としての判断は正しくても、患者さまには分かって貰えないというのが、寂しい限りです」

「それで?」

「看護師としての判断が正しくても、患者さまに理解されなければ、それは正しい看護をしたということにならないというところでしょうか」

「そうなりますね」

「もしくは、その患者さまにもう一言、言葉を添えてあげればよかったと言うところかしら」

「そうだと思います」

「例えば、時間はないにしろ、何処が痛いですか?とか、嘘でも、今先生呼びますから、先生が来るまで待ってねとか、ちょっと今、他の患者さまを診てるからあと10分待てます?とか・・・」

「その通りだと思います」

「実際にその患者さまは何事もなく退院されて、急変された患者さまは翌日亡くなられたわけですし・・・」

「それで看護部長は、Fさんに対してどういう対応をされますか?」

「まずは、患者さまからこのような意見があったということを伝えますわ」

「それは、特に看護師としての能力の高いFさんには必要なことだと思います」

「そうよね・・・それと、今回の件で、今後も他の患者さまに対して同じような気持ち抱かれないようにするにはどうしたらいいかということで、レポートをまとめさせますわ」

「それもいいかと思います。それと看護部長としては、今回の件で何か思われましたか?」

「看護部の所属長として、非常に辛い・・・
看護師としては間違ったことをしていない。
どちらかと言えば、その患者さまの我が儘に近いことなのに、患者さまの立場で職員に対して対応しなければいけない・・・
同じ看護師としては、Fさんを庇ってあげたいくらいですわ」

「そうですよね・・・」

「でも、看護部を守っていく為には、一看護師としてではなく、管理者としての対応を取らねばいけないということかしら」

「辛いのは分かりますが、そういうことだと思います」

「管理者として、一個人としての意見を控え、全体を上手くコントロールするということね?
それと、このような問題を未然に防ぐ為にも、いろんなケーススタデイをしていくべきとも思いましたわ」

「さすが看護部長です。
ささ、アイスコーヒーの氷が溶けない内にお召し上がりください」

「あーあ、N事務長にお説教受けてるような気分になってきましたわ」

「ハハハ」 「ホホホ」

以下 ●●管理職として●● は96に続く


2009.9.26 土曜日

“や”の付く稼業94

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:03:39

●●リスク管理⑥(看護部長の見解5)●● 

朝一番に看護部長から電話を貰いました。
患者さまと看護師Fさんの件について、看護部としての見解を聞かせて頂けるようです。
N事務長は、事務長室のドアと窓を開けて空気の入れ替えをします。
一晩で澱んだ室内の空気の総取り換え、朝は気分一新、室内の空気を新しくしないと事務長室も病院特有の邪気が充満しているようです。

窓を開けて、外のいつもと変わらね風景を眺めていると、開け放ったドアをノックする音がします。
振り返ると、いつもながら毅然とした表情で背筋を伸ばして直立不動で看護部長が立っています。

「おはようございます。朝の空気は気持ちがいいですわ」

「おはようございます。看護部長に澱んだ空気を吸わせる訳にはいきませんからね」

「あら、私の為に空気を入れ替えてくださったの?」

「もちろんです。どうぞお掛けください。窓はこのまま開けたままでいいですか?」

「ええ、結構よ。カフェのテラスでお話しているみたいでいいですわ」

「そうか、お茶くらい用意しましょう」

「なんだか催促したみたいね」

催促したくせに・・・
「ちょっと待っててくださいね」

N事務長は給湯室に向かい、ボトルに 『N』 と書かれた無糖のアイスコーヒーを共用冷蔵庫から取り出します。
冷凍庫から氷を取り出してグラスに入れて、アイスコーヒーを注ぎます。
看護部長は、万年ダイエッターですから、ミルクもシロップも不要です。
片手に1つずつグラスを持って事務長室に戻ると、看護部長はソファーに座って自分のノートを見ています。

「どうぞ、アイスコーヒーでいいですよね?」

「ありがとう。これは、N事務長のマイカフェ?」

「そうです・・・」

「勿論、無糖よね?」

やっぱり来たか、万年ダイエッタ-の質問が・・・
「はい、無論、無糖です」

N事務長の答えを待つ間もなく、看護部長はグラスに口を付けます。
「あー、冷たくて美味しい。朝から走り回っていたから喉乾いていたの」

「そうですか・・・じゃあ、一息ついたところで、本題に入りましょう」

「そうね・・・」

「昨日の件についてからいきましょう」

「分かったわ」

「看護部長のご意見をお聞きかせ下さい」

「まず、昨日の患者さまの不平不満は当然のことだと思います」

「そうですよね」

さて、看護部長の意見、考えはどんな展開を見せるのか・・・
ここで、看護部長のリーダー、管理者としての資質が問われます。

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解6)●● に続く 


2009.9.25 金曜日

“や”の付く稼業93

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:01:05

●●リスク管理⑥(看護部長の見解4)●● 

駅前の定食屋?居酒屋を出ようとした時に看護部長から電話を貰ったN事務長。
ほろ酔い気分も何処かへ飛んでしまったので、S君と栄養課長を誘ってカラオケへはしご・・・
カラオケで日々のストレスを発散して、家路に着きます。

翌日、カラオケで熱唱した為か喉はヒリヒリ、声はガラガラ、でも気分はスッキリ目覚めもよく、イザ病院へ出勤です。
病院に着くと、感心なことにS君はもう仕事を始めています。

「S君、おはよう」

「おはようございます。N事務長、昨日はごちそうさまでした」

「どういたしまして。当直から何か引き継ぎはありますか?」

「昨日の時間外は、23件、内救急8件、入院5件です」

「入院の内訳は?」

「内科3件、整形2件で、全て救急です」

「了解です。新入院患者さまに問題は?」

「特に引き継ぎは受けていません」

「OK。その他には?」

「看護部長がN事務長はまだ来てないって探してました」

「あの方の朝はいつもながら早いですね」

「毎日、始業1時間前には来てますからね」

「仕事熱心で何よりです」

「本当に・・・それと、何で私を誘ってくれないのって苛められました」

「やっぱり・・・くわばらくわばら」

「じゃあ、N事務長が来たら連絡して頂戴って言われましたから、連絡しておきますよ」

「そうしてくれる」

S君と会話を交わしてから事務長室に向かい、事務長室のドアを開けようとすると部屋の中から内線電話の呼び出し音が鳴り始めます。
看護部長かな?と思いながら、慌てて鍵を開けて部屋に入り、受話器を取ります。
「Nです」

「おはよー、N事務長さま。昨日は随分美声を披露されたようで」

やっぱり看護部長です。
「美声だなんて・・・朝からお褒めに預かって何よりです」

「今度、私の為に、1曲歌って頂こうかしら」

「ええ、喜んで歌わせて頂きます。・・・で、朝から御用向きは何でしょうか?」

「考えがまとまったから、これから打ち合わせは如何かなと思いまして」

「分かりました。30分後でどうですか?」

「結構ですわ」

「場所は看護部長室にしますか?それともこちら、事務長室に来られますか?」

「看護部長室で如何ですか?」

「了解しました。お伺いします」

「Fさんも呼びましょうか?」

「ええ、話の内容によっては後で呼んで頂くかもしれません」

「そうね、そうしますわ」

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解5)●● は94に続く


2009.9.24 木曜日

“や”の付く稼業92

医療・介護のよもやま話 — admin @ 19:07:08

●●リスク管理⑥(看護部長の見解3)●● 

S君と話をしていると間もなく栄養課長も到着しました。
S君の予想どおり、食器の洗浄を手伝っていたということです。
その日の食事会?飲み会の話題は、当然、Yさんに連れ去られた時の状況と何処でご飯を食べたのかということ。
S君はYさんのことをよく知っていますから、さもあらんといった顔をしていますが、栄養課長はそんなことってあるのという驚きの顔をしています。
それでも栄養課長は、Yさんの叔父貴のお店が気になったようで、鰻の味はどうだったのかとしきりに聞いてきます。
それぞれ、興味の対象が違うのを楽しみながら、N事務長の独壇場です。
そんなこんなで、3時間程、駅前の定食屋?居酒屋で過ごして、N事務長の懺悔の会はお開きとなりました。

お店を出ようとすると、N事務長の携帯電話が鳴ります。
携帯電話の着信番号を確認すると・・・案の定、看護部長です。
着信番号の上に大きく表示された 「看護部長」 の文字をS君、栄養課長に見せると2人とも肩をすくめて、早く携帯に出ろという表情をしています。
2人の早く電話に出ろという声に後押しされて、通話ボタンをプッシュします。

「はい、Nです」

「あら、N事務長?」

自分から電話しておいて、あらN事務長とは・・・
「間違いなくN事務長の携帯電話です」

「ホホホ、そうよね」

ホホホって・・・
「で、ご用件はなんでしょうか?」

「今、まだN事務長は病院に居るかなって思って、事務長室に行ったんですわ」

「残念でした。今日はもう病院出ました」

「本当に残念ですわ」

「それで何でしょうか?」

「そうそう・・・今日のことだけれど・・・今お話出来ます?」

「ええ、差しさわりのないことでしたら」

「何方かと、ご一緒かしら?」

「ええ、昨日のお詫びにS君と栄養課長のおもてなし中です」

「あら、私は?」

「看護部長は・・・また後日に・・・」

「何だか歯切れの悪いお言葉ね。まあいいですけれど・・・一緒にいるのが病院の子達だったら、お話しても大丈夫ね」

「ええ・・・まあ・・・」

「Fさんね。明日日勤勤務なんですけれど、何だか待ちきれなくてさっき電話したのよ」

「そうですか・・・」

「そしたら、確かにあの日は急変患者がいて、患者さまを後回しにしましたって言っていたわ。でも、やっぱりというかFさんにとっては、後回しをした患者さまに対して悪いことをしたっていう気持ちがないのよ」

「そうでしょうね」

「そうなのよ・・・どう思います?」

「どう思いますと言われても・・・それを看護部長にお考え頂きたいんです」

「やっぱりそうよね・・・」

「明日でいいですから、おまとめになりましたお考え、ご意見を頂戴致します」

「・・・相談しただけ無駄だったようね」

「そうですか?」

「分かりました、明日までに看護部をどうしたらいいか、家に帰って、お風呂にでも入りながらゆっくり考えさせて頂きます」

「のぼせないようにしてくださいね」

「はい。じゃあ明日!お疲れ様!」

「はい。お疲れ様でした」
ちょっと、寂しそうであり、怒っているような看護部長。
明日は・・・看護部長に少しだけ優しくしてあげよう!

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解4)●● は93に続く


2009.9.23 水曜日

“や”の付く稼業91

医療・介護のよもやま話 — admin @ 19:10:30

●●リスク管理⑥(看護部長の見解2)●● 

看護部長との電話を終えると、時間はもう18:50です。
S君と栄養課長との約束の時間は19:00ですから、事務室に鍵を掛け、駅前まで走ります。
駅前の定食屋と言っても、勝手に我々がそう呼んでいるだけで、夜は立派な居酒屋、下町によくある、お酒も飲めるし、食事も出来る飲食店です、
定食屋の暖簾を分けて、ドアを横に滑らせると、中から親父さんと女将さんの 「いらっしゃい、事務長さんお待ちですよ!」 と言う元気な声が掛かります。
その声に反応して、奥の座敷からS君が顔を出します。

「N事務長、こっちです」

「ああ、遅れたかな?」

「まあ、ギリギリセーフです」

何がギリギリセーフですか・・・
「今、来たばかりだろ?」

「ばれてましたか?」

「出がけに、医事課でS君は?って聞いたら、今出ましたよっていってたぞ」

「ハハハ」

「何がハハハだよ、本当にお調子者だよな・・・栄養課長は?」

「今日、遅番の数が足りないって言ってましたから、まだお皿洗っているかもしれません」

「どちらにしても、あと10分もしない内に現れるでしょう。先に飲み物だけ頼もうや」

「そうしましょう。N事務長は、まずはビールですか?」

「そうだね、仕事終わりはビールに限ります」

「じゃあ、ビールで、生ですか?」

「ああ・・・さすがS君、お店の人が注文取らなくてもお任せだね」

「勝手知ったる他人の店です」

「そうなの?」

「ハハハ・・・女将さん生中2つお願いしまーす」

「はーい。ところで、事務長さん昨日は大丈夫だったの?」

「すみません。大事になっていたようで・・・」

「あらいいのよ、無事ならば」

「無事は無事です」

「この辺の人達は、根はいい人なんだけど、気が荒いからね。何かあったら相談してね」

「お気を使って頂いてすみません。昨日はちょっとした連絡ミスでした」

「そうなの?それならいいけれど・・・はい、生中2つ」
女将さんは手慣れた様子で中ジョッキに生ビールを注いで、テーブルに置いてくれます。

「じゃあ、S君・・・乾杯」

「お疲れ様でした・・・ところで、今日の面会の患者さまはどうでしたか?」

「ああ、看護師との相性が悪かったみたいです」

「看護師ってFさんですか?」

「そう。Fさん」

「あの人、男勝りと言うか、男気ありすぎですもんね」

「S君達にも、やっぱりそうなの?」

「ええ、そうです。同じ職場で働くには、とっても頼りになるんですけれど・・・」

「そうなんだよな。天は二物を与えずとはFさんのことかな?」

「そんな、お顔も整ってますよ」

「確かに美人ではあるよな、ウンウン」

「美人で気も利くし、男気もあるけれど・・・」

「あるけど何?ちょっと気が短くて、怒りっぽい。そして声がでかい」

「そうだね。S君よく職員のこと見てるね」

「当直一緒にやっていたら分かりますよ」

「そうだろうね」

「それで看護部長は何ておっしゃっておられるんですか?」

「明日、Fさんに事情を聞いて、結論出すって」

「看護部長はFさんの上を行きますからね」

「そのとおり。さすが看護部長の部下ってとこかな・・・」

「じゃあ、結論を後学の為にまた教えて下さいね」

「了解」

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解3)●● は92に続く


2009.9.22 火曜日

“や”の付く稼業90

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:52:41

●●リスク管理⑥(看護部長の見解)●● 

出かける前に看護部長へ電話を入れると、随分長電話になってしまいました。
今日の患者さまのクレームの件で、この後看護部長はどのような対応をするのでしょうか?

「看護部長、どうしましょうか?」

「そうね、私からやんわりと注意はしますけれど」

「10分待ってねというのが、どうも患者さまは引っかかっているようです」

「そうよね・・・でも、多分、他に急変した患者さまが居たか、手の掛かる患者さまがいたんでしょうね」

「そうでしょうが・・・言い方が悪い」

「そうよね、でも、深夜の当直帯だと、どうしても看護師の数も限られているから、優先順位は付けないといけなくて・・・」

「もちろんそれは分かります」
昨日は看護部長から随分苛められましたから、看護部をイジルとさすがの看護部長も、でもが多くなります。

「そうよね、そんなことは事務長ならばお分かり頂けますよね」

「もちろんです」

「どうしようかしら?」

「どうされます?」
よしよし、イヒヒヒ、久しぶりの看護部長イジリです。

「その患者さまが、Fさんに10分待ってって言われた日は分かるかしら?」

「S君の当直の日でしたから、水曜日ですから3日ですね」

「3日ね・・・」
受話器越しに勤務表をパラパラとめくる音がします。
「そうね、確かに3日の日はFさんが当直勤務だわ」

「それはそうでしょう。まさか患者さまが、わざわざ嘘を言いには来ませんよ」
またしても、看護部長イジメ・・・

「・・・あら、N事務長は私を追い詰めようとしているのかしら?」

「いえ、滅相もない・・・」
すぐに反撃に出るんだよな・・・

「Fさんにその晩のことを詳しく聞いてみますわ」

「そうですか」

「それから対応を考えさせて頂きます」

「そうしてください」

「お返事は明日でもいいかしら?」

「ええ、結構です」

それが正解です。患者さまにも言い分はありますが、医療従事者にだって言い分はあるのですから・・・
邪険に扱ったのなら兎も角、その後10分ではなかったようですが、遅くなってゴメンって患者さまの元にしっかり行っているのだし・・・

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解2)●● は91に続く


2009.9.21 月曜日

“や”の付く稼業89

医療・介護のよもやま話 — admin @ 10:10:41

●●リスク管理⑥●● 

時間は、そろそろ18:30です。
今日の夜は、Yさんに拉致されたN事務長を探し続けてくれた医事課のS君と栄養課長の慰労会を兼ねた食事会です。
少し早いですが、準備をして出かけることにします。
食事会の場所は昨日の昼食を摂る予定だった駅前の定食屋です。
リスク管理について書き留めた書類をクリアファイルに挟み、事務机の引き出しに入れ、椅子の後ろにあるロッカーの中からスーツの上着を取り出して左手に掛けます。
机の上に置いてある携帯電話を手に取り、上着の内ポケットにしまいます。
出かける前に、看護部長に連絡を入れることにします。

「看護部長ですか?」

「あら、N事務長からなんて珍しいわね」

「また、そんなことを・・・」

「リスク管理のマニュアルは出来ましたこと?」

「・・・今、取り組ませて頂いております」

「ということは、まだ出来あがっていないわね?」

「・・・ええ・・・それはそうと、今日の例の患者さまのことですが」

「あの話があるって、昨日来られた患者さまのことかしら?」

「ええ、その患者さまのことです」

「どうでしたか?」

「やはり想像どおりでした」

「想像どおりということは、看護部に対してのクレームということ?」

「言いにくいですが・・・そういことです」

「そう・・・それで、誰に対してでどんなクレームかしら」

「まあ、大したクレームではありませんが・・・」

「何かしら?」

「看護師のFさんのことでした」

「Fさん? 内科病棟の?」

「はい、内科病棟のFさんです」

「あの娘は、看護師としての技術はあるけれど、時々、物の言い方がきつくなるから・・・」

「そのとおりです。その件に関してのクレームでした」

「そう・・・それで、どんなこと?」

「何だか、患者さまは入院された時からFさんに子供を扱うような言葉使いをされていたと言うんです」

「よくあるクレームね・・・それで?」

「まあ、この言葉使いは許すとしても、消灯後に少し気分が悪くなってナースコールを押したらしいです」

「ウンウン、それで?」

「5分くらいしてから、Fさんが来て 『どうかしましたか?』って言ったそうなんです」

「患者さまにしてみれば、どうかしたから呼んだんだってことかしら?」

「さすが看護部長、そういうことです」

「よくある話ね・・・」

「そうなんです。でも、その後のFさんの一言が患者さまの気分を害したみたいです」

「何て言ったのかしら?」

「ごめんね、今手が離せないから、あと10分待っててねって言ったそうです」

「なるほどね」

「そういうことです」

以下 ●●リスク管理⑥(看護部長の見解)●● は90に続く 


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