大阪・兵庫・神戸・京都、関西で、医師・看護師・薬剤師など転職・求職を希望される医療従事者の方へ病院・医院等医療機関の求人をご紹介

Home  »  医療・介護のよもやま話

医療・介護のよもやま話

関西の医療転職・求人サイト メディコプロ プログ

2009.11.18 水曜日

行き場のない患者39

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:18:38

●●E内科部長の説明Ⅱ●● 

E内科部長と看護部長は、全員が揃ったのを見計らって、お互いに合図を送っています。
こういうのを、サッカーではアイコンタクトって言うんだよなとN事務長が考えていると、N事務長に構わず、E内科部長がTさんに向かって話し始めます。

「Tさん具合はどうですか?」

「お陰さまで、楽になったよ・・・」

「それは、良かった」

「あ・り・が・と・・・」
Tさんは普段より口調が柔らか?なようです。

「ところで今後のことですが」

「今後ってのは何のことだよ!」
茶髪作業着君が、E内科部長に強い口調で言い放ちます。

「今後というのは、これから長い目で見たTさんの病気のことです」

「Tが病気だと言うのか?」
茶髪作業着君の意味の分からないスットコドッコイな発言に居合わせている全員が口を開けてアングリとしていると・・・

「オマエ、アホか!」
とTさんが茶髪作業着君をたしなめます。

「Tさんは病気じゃないと思っているんですか?」
E内科部長が、すかさず茶髪作業着君に問い質すと、

「いや、その、ほら、骨が折れたとか、糖尿病とか、心臓が悪いとかじゃないだろ・・・」
と、言い訳を始める茶髪作業着君。

「もし、病気でないとしたら、病院に来なくてもいいわけです・・・」

「いや、Tは病気だ!」

「そうですね、病気の可能性が強いと思います」

「そうだ!」

「これだけ頻繁に救急搬送や夜間外来にお越し頂くということは、そう判断するのが正しいと私も思いますが、どうですか?」

「ああ、アンタの言うとおりだ!」
なぜか、E内科部長はアンタ呼ばわり・・・看護部長はオバハン・・・N事務長はオマエ・・・
茶髪作業着君にとって、アンタは尊敬語なんだなと、妙に納得するN事務長でしたが、E内科部長はそんなことを気にもせず話を続けます。

「そうですね、Tさんは精神的な病気だと思います」

「なんだよ、Tを精神病患者扱いするのか?」

「扱いするのではなく、その可能性があるという話しをしているんです」

「だから何だよ!」

「もしそうであるならば、当院には、残念ながらTさんを確実に診断して治療する医師、診療科がありませんので今後は診察は出来ないということをお伝えします」

「どういうことだよ!」

「Tさんに必要な診察や治療、処置が出来る病院に紹介状を書きますので、早い段階で診察をお勧めします」

「この病院では、もう診ないってことか?」

「診ないのではなく、診られないからです」

「Tはこの病院を気に入っているんだから、いいじゃないか?」

「気に入って貰えるのは有り難いですが、それではTさんの為になりません」

「いいんだよ。なあT!」
茶髪作業着君がTさんに同意を求めると、Tさんは微笑みながら頷きます。

「それとこれとは別の話です。今日は特別に注射をしましたが、今後はもし来院されたとしてもこのような処置はしないと思います。それでもよければお越しください」

「どういうことだよ!苦しんでいる患者を見殺しにするってことか?」

「いえ違います。君の言葉を借りるなら、見殺し?見過ごせないから、根本的な治療を勧めているのです」

以下 ●●E内科部長断言する●● は40に続く