行き場のない患者80
●●報告●●
結局昨晩、警察官が病院を後にしたのは午後11:00。
それから片付けをし、夕飯を食べていなかったのでコンビニに寄ってお弁当を買って家に着いたのは日も変わろうとしている時間です。
それにしても、あの連中は何なのでしょうか?
自分勝手にも程があります。
思い立ったら吉日とばかりに、津波のように怒涛のごとく押し寄せてくる。
その行動力は敵ながらあっぱれ!
行動力は認めさせて頂きます・・・
明日、院長と今後の方針を話し合わなければいけません。
院長が嫌な顔をするのが目に浮かびます。
わざわざ、火中の栗を拾いに行くのは誰もがイヤだから・・・
どうやって、院長をこの問題に足を踏み入れさせるか?
まあ、院長にもある程度は絡んで頂かなければしょうがありません。
この際、腹を割って話をすることにします。
翌日・・・
昨日の疲れは抜けきっていないけれど、重い足取りで病院に向かいます。
病院に着くと、早番で出勤していた医事課のS君が近寄ってきます。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
「疲れた顔してますね」
「分かる?」
「ええ・・・聞きましたよ」
そういうS君はニヤニヤ笑っています。
「何?・・・何を聞いたの? 笑ってる場合じゃないよ・・・」
「昨晩、Tさん御一行の訪問を受けたみたいですね」
「ああ・・・」
「奴等もやりますね」
「物は言いようだな」
「敵ながらあっぱれですよね?」
「まあ、そういうことだね。 誰から聞いたの?」
「事務当直からの引き継ぎで・・・」
「そうですか・・・聞いたと思うけど、裏口の施錠を全職員に徹底しておいてください」
「かしこまりました」
「院長は来てるかな?」
「ええ、先程出勤されました」
「そう」
「これから、御前会議ですか?」
「そういうことになるね・・・」
「頑張ってください」
「ああ、そうするよ」
そう言って、N事務長は事務長室経由で院長室に向かいます。
以下 ●●報告Ⅱ●● は81に続く