行きなのない患者143
●●O弁護士Ⅳ●●
Tさんの親御さんとも懇意にしていて、その関係で相談に来たと、そして、Tさんから正式な依頼を受けて契約を結んでいる訳ではないと言うO弁護士ですが、さてこれから、どういう話しになっていくのでしょうか?
「正式な依頼じゃないということですけれど・・・何をお話するんですか?」
「実は、私もTさんから相談を受けた時に?と思ったことがありまして、正式な依頼は保留ということにしてあります」
「何を?と思ったんですか?」
「そもそも、Tさんの依頼が私にとっては?なんです」
「依頼が?って、どういうことですか?」
「ですから、それをN事務長さんに確認させて頂きたくお伺いしました」
「はあ・・・あまり要領を得ませんが・・・」
「そうでしょうね・・・こちらが要領を得ていないのに、N事務長に解かれと言うほうが無理ですよね」
「ええ・・・」
「Tさんは、こちらの病院で不当な扱いを受けたと言われています」
「不当な扱いですか・・・で、どんな不当な扱いと言っておられるんですか?」
「診療拒否だと」
「診療拒否ですか・・・なるほど・・・」
「そうなんですか?」
「正確に言わせて頂くと、診療拒否ではありません」
「じゃあ、何ですか?」
「当院での治療は無理なので、他の病院を紹介させて頂きました」
「?・・・?・・・どう言うことですか?」
「要するに、Tさんの抱えている病気を治療する医師も診療科も無いということです」
「確かこちら、○×病院さんは整形外科や内科を中心に救急医療を得意とされているんですよね?」
「はい、そうです」
「○×市内に及ばず、他の近隣市町村からも救急搬送を数多く受け入れされているんですよね?」
「ええ、そうです」
「広域的に見ても、都道府県的に見ても、相当な実績があると聞いております」
「そうです。よくご存知で・・・」
「そんな○×病院さんで断る病気って・・・何ですか?」
「Tさんから正式に依頼を受けていないから、病名を言っていいものか・・・」
「そのことはご安心ください。今日、こちらに来ることは伝えてありますし、今日の件に関する代理人としての書面はこのように持参いたしました」
そう言って、O弁護士はファイルに入った書類をブリーフケースの中から取り出します。
「確認させて頂いてもよろしいですか?」
そう言ってから手渡された書類に目を通すと、○月×日に○×病院にて、私の代理人としてO弁護士を任命する。以下云々・・・というような文面がワープロ書きで書かれ、最後にTさんの自署でサイン、押印してあります。
「分かりました。それでは、今日のことはTさんから一任されているということで、お話させて頂きます」
「お願いします・・・まずは、Tさんの病気の件です」
「当院には、専門医がおりませんので病名は確定出来ませんので、大きな括りで申し上げます」
「お願いします」
「精神に関わる病気です」
「精神?」
「ええ」
「所謂、精神科で診る病気ということですか?」
「はい」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
以下 ●●O弁護士Ⅴ●● は144に続く