禁煙108
●●禁煙治療13日目Ⅷ●●
禁煙治療2回目の診察が始まりました。
まずは、決まりとなっている呼気中Coの濃度測定からです。
「フーーー・・・どうですか?」
「あれ?」
「どうしたんですか?」
「い、いえ・・・先生から説明があると思いますので・・・その時に聞いてください」
「は、はあ・・・」
この呼気中のCOの濃度測定は禁煙治療1回目の診察でもしましたが、どうもディスポのマウスピースの咥え心地がよくありません。
まるでトイレットペーパーの芯を咥えているような気分です。
可愛らしい女性看護師は、呼気Co濃度測定機器を持って、診察室の扉とは別の彼女が出てきた扉を開けて診察室へと戻っていきます。
戻り際に一言、看護師が声を掛けました。
「用意出来ましたらお声掛けますから、隣の診察室入口から中へお入りください」
「はい」
2、3分経ったでしょうか、今度は診察室のドアが開いて、先程の可愛らしい看護師がドアから顔だけ出して声を掛けます。
「Nさん、お待たせしました。 診察室へどうぞ」
「はい」
やっと診察の時間になりました。
「失礼します」
診察室のドアを開けて、診察室の中に入ると担当美人医師が椅子に座ったままですがこちらを向いて微笑んでいます。
「こんにちは」
「こんいちは。 荷物を置いて、お掛け下さい」
「はい」
担当美人医師の指示に従って、カバンを荷物入れに入れてから担当美人医師の前に置いてある患者用丸椅子に腰を下ろします。
「Nさん、今日は2回目の診察になりますが・・・どうですか?」
どうですかと聞かれても・・・禁煙治療は上手く進んでいるけれど・・・
「どう答えていいものやら・・・」
「ああ、すみません。 まずは禁煙は出来ていますか?」
「はい、それはびっくりするほど禁煙出来ています」
「薬を飲んで、何か気になったことはありませんか?」
「気になったことですか?」
「ええ、気持ちが悪いとか、吐き気がするとか」
「そういうことはありませんけれど・・・」
「けれど?」
「先日、突然目の下にクマが出来たんですけれど・・・」
「クマ?」
「ええ、目の下にくっきりとクマが出来たんです」
「目の下にクマか・・・発疹とかじゃなくてですよね?」
「はい、発疹とかではなかったです」
「いつ頃ですか?」
「禁煙治療を始めて8日目ですから、5日前です」
「今日見たところ、クマが出来てるようには見えないですね」
「ええ、入浴しながらマッサージしたり、化粧水をつけたりしてなんとか薄くなりました」
「・・・多分、禁煙補助薬の副作用・・・薬のせいではないと思いますけれど、もしまたそんなことがありましたら今度は直ぐに診察に来てくださいね」
「分かりました」
「それで、薬を飲んでどうですか?」
「どうですか?とは、効き目のことですか?」
「ええ、そうです」
「もうびっくりです」
「びっくりでしたか?」
「はい」
以下 ●●禁煙治療13日目(禁煙治療2回目の診察Ⅱ)●● は109に続く