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医療・介護のよもやま話

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2011.4.30 土曜日

真実は闇の中 118

医療・介護のよもやま話 — admin @ 15:54:12

●●IさんとN事務長Ⅶ●● 

やっぱりと言うべきか、当然のことなのか、IさんとN事務長の話はIさん治療費のことになっています。
N事務長は、話の論点を崩さず、Iさんの機嫌が悪くならない程度に言葉を選んでは、病院とN事務長が不利にならないよう、出来る限りの鋭い言葉をIさんに投げ掛け続けています。

「Iさん、そんなことはないでしょう。 しっかりと答えているつもりです」

「そうかしら?」

「そうですよ」

「だって、これからゆっくり考えましょうって・・・変じゃありませんか?」

「これからの治療の方向性や、治療状態を確認してからでも遅くはないと思います」

「でもここにいる、自分のことじゃないような顔をしている当事者、私にとっては加害者にあたるGさんは、この病院を退職するのよ」

「ええ残念ながら、それは間違いありません」

「残念ながら?」

「あ、え、ええ・・・Gさんの退職は残念なことです」

「こんないい加減な職員が居なくなって、良かったじゃありませんか」

「ま、まあ・・・」

「それも、私のお陰、本当に痛い目にあって・・・これこそ、不幸中の幸い、肉を切らせて骨を断つの心境よ」

「は、はい、そうですね・・・」

「あら・・・肉を切らせて骨を断つは変かしら・・・骨を断たせてGさんの首を切るの間違いね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「それにしても部外者の私が何故、この病院の為に骨を断たれなければいけないのか・・・それなのに、治療費まで払えですから浮かばれませんわ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「あら、またN事務長までダンマリですか?」

「いえ、そんなことは・・・」

「そんなことは何?」

「あ、ありません」

「そうなの? それで、どうするおつもり?」

「病院としての見解は、責任を取ると言ったGさんを含めての話になると思います」

「どういうこと?」

「病院としての責任の取り方とGさんの責任の取り方は違うということです」

「どうもN事務長の言っていることが分かりませんわ」

「そうですか・・・」

「もう少し分かり易く説明してくれませんか?」

「病院としての責任の所在については、今後、病院内で話し合い、確認して決めていきたいと考えています」

「今の、今日の段階で、病院の責任の所在についての話はいいわ」

「ご理解頂けて幸いです」

「それで、Gさんの責任とやらについてはどう考えていらっしゃるの?」

「それは、こんな言い方をすると、あまりにも無責任に聞こえるかもしれませんが・・・」

「なあに、言って頂戴」

「はっきり言って、個人間の約束、契約に属する問題だと考えます」

「・・・そうかしら?」

「はい、そうなります」

「・・・それは・・・病院としては関係ないということ?」

「Gさんが当院の職員である限り、関係無いと言い切る訳にもいきませんので、Gさんが当院を退職した後も、Iさんが必要とする限り、そしてIさんが望む限り、Gさんを間違いなくIさんの元へ呼び出し、Iさんとの話し合いの場に出席させる仲介の労は取らせて頂きますし、その労を惜しむつもりはありません」

「・・・まあ、病院の事務長として、病院の責任は別にして・・・退職するGさんについての対応はそんなところかもしれないわね・・・」

「私の気持ちをお察し頂き、また現段階での考えをお分かり頂き、ご理解頂きましたこと感謝致します」

「そんなに慇懃無礼にならなくても・・・」

「有難うございます」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●IさんとN事務長Ⅷ●● は119に続く


2011.4.29 金曜日

真実は闇の中 117

医療・介護のよもやま話 — admin @ 12:38:50

IさんとN事務長Ⅵ●● 

Iさんから、病院やN事務長にとって都合の悪い言葉が次々と出て来るので、N事務長は笑いで誤魔化そうとして、思い切ってIさんのことを悪い人だと言ってみました。
すると、Iさん自身もそう思っていたのか、少し過度な要求をしたと思っていたのか、Iさんは恥ずかしそうに苦笑しています。
ここはN事務長も攻撃体勢を整えて、笑いながら一気呵成に攻撃あるのみ?

「もう本当にIさんは、恐い人ですよね?」

「何が恐いの?」

「だって・・・」

「だってなあに?」

「骨折して、入院して、手術して、再骨折するまでの治療費まで返せって言うのだから・・・」

「あら、変かしら?」

「それは変ですよ」

「どうして?」

「だって、初めに骨折したのは私も、病院も関係ないじゃないですか」

「まあ、そうねえ・・・」

小さな声で、N事務著の本音を織り交ぜて呟いてみます。
「今回の件、再骨折についても、まだ今後の検証が必要ですし・・・」

「今、何か言いました?」

「あ、ええ、まあこのことは後で話しましょう」

「え、何かしら? 聞き取れなかったわ・・・」

「それで、治療費のことですけれど・・・」

「ああそうね、そうよ治療費よね」

「病院としては、今の段階で何とも言えませんが・・・」

「なんで言えないの?」

「まだ、今後の治療計画も決まっていませんし、今後どうなるかもわかりませんしね」

「そんなことは関係ないじゃない。 治療計画が決まっていないし、今後どうなるか分からないからこそ、患者として、事故を受けた当事者として安心出来る一言が欲しいという気持ちが理解出来ませんか?」

「なるほど、そういうことですね」

「そこは、納得するところではありません」

「ハハハ」
ここは、笑って誤魔化しましょう。

「それにも増して、笑うところでもありません」

「ハハ・・・す、すみません」

「それで、病院の代表として、どんな返事を頂けるかしら?」

「そうですねえ・・・」

笑って誤魔化そうとしたけれど、そう上手くはいきませんでした。
さて、どうしたものか・・・
どんな答えをするのが一番いいのか?
病院にとって不利にならずに、Iさんのことをよく考えていると思って頂ける解決方法は・・・

「どうしたのよ」

「今、一番大事なのはIさんの腕が元に戻ることです」

「それは、当り前よ」

「勿論、元に戻ると言っても、骨折前と同じという訳にはいきませんけれど、固定用のサポーターが取れるようにはならなければいけません」

「そうよね」

「それまでは、治療費もさることながら、完治までには日数が掛かります」

「そうでしょうね」

「ですから・・・その間に一番いい方法を一緒に考えていきましょう」

「なんだか答えになっていないような気もするけれど・・・」

以下 ●●IさんとN事務長Ⅶ●● は118に続く


2011.4.28 木曜日

真実は闇の中 116

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:28:14

●●IさんとN事務長Ⅴ●● 

N事務長は、一つずつIさんが主張していることを整理していきます。
1.GさんがIさんに対して・・・リハビリ中に腕が痛くなった時に 『何かあったら責任を持ちますから、診察は1週間後にしましょう』 と言ったということ
2.Gさんが認める、認めない、本当に言った、言わないは別にしてもそのことを証明出来る、Gさんがそう言ったことを聞いていた患者さんがいるということ
3.そして、いつでも証言してくれる
ただし、これらに対してGさんのリアクションは何もありません。
果たして今後の話し合いは如何に・・・

「今後のことですが・・・」

「どうしたらいい?」

「まずは、再骨折した腕の治療に専念して頂くことが大切だと思います」

「それは、そうよね」

「はい」

「それで・・・」

「その腕の治療に関してですけれど」

さあ、Iさんの本音が出るでしょう・・・
N事務長は、何を言われてもいいように身構え、Gさんも視線だけ動かしてIさんを見つめています。

「どうぞ・・・」

「治るまでの治療費はどうなるの?」

「そうですねえ・・・」
やっぱりそうですね・・・それは大事な話です・・・

「勿論、腕が治るのが一番だけれど・・・痛い目にあって・・・治療期間も延びて・・・どうしたらいい?」

「どうしたらいい? と聞かれましてもね・・・Iさんは、どうしたいですか?」

「今まで、支払ってきた治療費を全額返して頂きたい気持ちです」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「N事務長、どうなのですか? Gさんみたいに黙っていないで、返事をしてください」

Iさんからそう言われたN事務長が横に座っているGさんの視線の先を確認すると、またしても視線は天井の四隅を彷徨っています。

「全額はねえ・・・」

「全額は出来ないということ?」

と応えるIさんは、意外にも落ち着いた声で対応しています。
一応、全額と言ってみただけ?・・・交渉事の鉄則で最初は高く、そして徐々に引き下げる・・・交渉事の鉄則に従えば、Iさんは全支払額の半分を目標にしているということ?

「ええ、・・・それはちょっと・・・」

「ちょっとナアニ?」

 「もしかして、Iさんの言っている全額というのは・・・今後掛かる治療費の間違いではありませんか?」

「ホホホ、何を言ってるの? しっかり聞いてください! 今まで、支払ってきた治療費を全額返して頂きたい気持ちですと言ったでしょ」

「でも、あくまで気持ちですよね?」

「そうね・・・そうかもね・・・気持ちはそうね・・・」

「そうですよ、気持ちはそうですよね」

「そうよ、それでどうなの?」

「今まで支払った治療費の全額というのは無理ですし・・・無理と言うよりも不可能、いや、あり得ません」

「あら、いやに自信満々に拒絶されたわ」

こうなったら、Iさんがキレない様に笑い話にしてしまいましょう。
「もう、Iさんも人が悪い」

そう言って笑いだしたN事務長につられたのか、恥しそうにIさんも苦笑し始めました。

以下 ●●IさんとN事務長Ⅵ●● は117に続く


2011.4.27 水曜日

真実は闇の中 115

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:36:44

●●IさんとN事務長Ⅳ●● 

時折ビクつきながらも、IさんとN事務長の二人を無視し続けるGさんを尻目に、IさんはN事務長に思いの丈をぶつけます。
Iさんは、何が何でもGさんに責任を取って貰うと主張し続けています。
GさんはGさんで、Iさんの言葉が聞こえていないかのように素知らぬ顔を続けています。
仲裁者として、言った言わないの言い争いを聞けば、どっと疲れが増すものですが、まともな話し合いがなされないのにもじわじわと焦燥感が募ります。

「Iさん、分かりました。 Iさんの主張は受け止めさせて頂きます」

「N事務長に受け止めて頂いてもしょうがないのよ、そこにいて、知らん顔を決め込んでいるGさんに、自分の言った言葉に責任を持って頂き、そして約束を守って頂かなければいけないのよ! 聞いてるGさん!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「それを、この病院から逃げるのか、私から逃げるのか知りませんけれど、この病院を辞めてどこかの病院に転職するなんて・・・」

「Iさん、どうしますか?」

「N事務長は他人事のように言わないでください」

「は、はい・・・」

「N事務長はこの病院の事務長なんですからね」

「え、ええ・・・」

「N事務長や○×病院にとって、Gさんはどうしようもない職員かもしれませんが、現実に私の腕がこんな状態になったのもGさんの責任で、そのGさんが勤務していたのがこの病院なのですからね」

「はあ・・・」

「何? N事務長言いたいことがあるの?」

「そうですねえ・・・」

「何よ、その勿体ぶった言い方は・・・言いたいことがあるのならお聞きします」

「どうにもこうにも、GさんはIさんの発言に対して、YESもNOも言いませんので・・・私がこれまでの話をまとめさせていただきます」

「話をまとめる?」

「ええ、そうしなければ、折角の機会が台無しです」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「まず、GさんがIさんに対して・・・リハビリ中に腕が痛くなった時に 『何かあったら責任を持ちますから、診察は1週間後にしましょう』 と言ったということ」

「ええ、間違いないわ」

「しかし、Gさんはご承知のとおり・・・この件については口を閉ざして、貝になってしまいました」

「全く呆れるわ」

「Gさんが認める、認めない、本当に言った、言わないは別にしてもそのことを証明出来る、Gさんがそう言ったことを聞いていた患者さんがいるということ」

「そうです、その通りです」

「そして、いつでも証言してくれる」

「はい」

「これで間違いありませんよね?」

「間違いありません」

「それでは、このことを踏まえて今後のことを考えていきたいと思います」

「今後のこと?」

「ええ、それが一番重要なことです」

「まあ、そうね・・・」

「そしてGさんが聞いているかどうか分かりませんが、Gさんの前で話をしましょう」

「はい」

以下 ●●IさんとN事務長Ⅴ●● は116に続く


2011.4.26 火曜日

真実は闇の中 114

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:27:56

●●IさんとN事務長Ⅲ●● 

Iさんは、N事務長からGさんの退職の話を聞くと、興奮を隠すことが出来ません。
Iさん、N事務長、二人の傍らには当事者のGさんがいるのに、当のGさんは、話の内容が自分のことだと思ってもいないような態度で、その顔は明らかに在らぬ方向を向いています。

「Gさん聞いているの?」

Iさんの金切り声に、Gさんも一瞬ビクッとしますが、顔は二人の方を向きません。
「・・・・・・・・・・・・・・・」

「ちょっと、Gさん!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「Gさん、Iさんが話し掛けているのですから、少しは態度を改めてください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「N事務長も、たまには良いことを言うわね」

「そんなこと褒めて頂いても・・・」

「もうこのGさんは、放っておきましょう。 所詮何を言っても、そんなことはしていない、やっていないのオンパレードですしね」

「確かにそうですが・・・」

「まあいいわ、Gさんが退職しようと、しまいが関係ありません。今、ここでN事務長の目の前で確認を取らせて頂きます」

「は、はい・・・」

「Gさんが、私に 『何かあったら責任を取る』 と言ったことは、もうN事務長も御承知のとおりです」

「え、ええ・・・ま、まあ・・・」

「Gさん、よく聞いておいてください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「そしてそのことは、私とGさんだけでなく、その場にいた患者さんがいつでも証明してくれます」

「そうでしたね」

「ですから、Gさんがいくら黙秘権を行使しても、この事実は変わらないのです」

「そ、そうですか・・・」

「まだ、どんな責任を取って貰うかは分かりませんが、そのことをよーく理解して退職して頂ければ結構です」

「Iさん?」

「何ですか」

「今、この段階でGさんがどんな責任を取るかということを明確に言えませんが、本人がそう言ったのならば、私も証人になるしかないようですね」

「ないようですねって・・・今更・・・この段になってそんなことを言うのは遅すぎますよ」

「あっ、すみません」

「まあいいわ。 これでN事務長も証人になってくれましたわ」

「証人というか・・・何と言うのか・・・」

「あら、証人じゃない」

「証人かどうかは自分では何とも言えませんが、本日の話は理解しましたし、今後も今日の話をベースにして、話を進めさせて頂こうと思っております」

「なんだか回りくどい言い方だけれど、Gさんを前にして、精一杯の私に対する言葉と取らせて頂きます」

「そうしてください」

「じゃあそういうことで・・・Gさん、宜しいかしら?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「この病院を退職しようが、何処かに転職しようが、私からは逃げられませんからね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●IさんとN事務長Ⅳ●● は115に続く


2011.4.25 月曜日

真実は闇の中 113

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:47:54

●●IさんとN事務長Ⅱ●● 

N事務長がGさんの今後について、Gさんに変わってIさんに伝えると言った瞬間に、今まで無言、無表情、無視を決めていたGさんが反応を示しました。

「あれ、Gさん聞いていたのですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

Gさんは声こそ出さないものの、恨めしげにN事務長を見つめます。

「Gさん何ですか、その恨めしそうな顔は?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうぞ、いいたいことがあるのならば、ご自分の口で言って下さい」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

Gさんは、恨めしい顔をN事務長に向けましたが、無言のままです。

「話したくないのならば結構です・・・もしかして・・・ここで話をしたらIさんに言質を取られると思って無言なのですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

Gさんは、無言で顔の表情一つ変えずにいますが、瞬きををした目がウィンクをしたように見え、N事務長には、Gさんがそのとおりだと言っているかのように思えました。
どうやらGさんは、声の出し方を忘れてしまったようだし、声を出す気もないようだから、もう気にしないことにします。

「Iさん、Gさんの今後のことですけれど」

「ええ、どうしたの?」

「今朝、Gさんから話がありまして・・・」

「今朝の話なの?」

「ええ、そうなんです」

「何だったの?」

「Gさんの辞表を受理しました」

「時報?」

「いえ、時報ではなくて、辞表です」

「辞表って・・・退職するってこと?」

「え、ええ、そういうことです」

「はあ? ・・・ この病院を辞める? ・・・ それは私への当て付け? ・・・ それとも ・・・ 私から、この問題から逃げるためかしら」

「どうでしょうか」

「N事務長は、どう思うの?」

「Gさん、ご本人は転職の為と言っておられます」

「と言うことは、次の職場は決まっているのね」

「私は、そう判断しています」

「で、次の職場は何処なの?」

「それは、聞いていません」

「聞いていないって・・・どういうこと?」

「Gさん、ご本人が言わない以上、無理やり聞くことは出来ません」

「それは・・・一般的な退職の場合で、今回のような場合とは違いませんか?」

「確かにそうは思いますが・・・」

「じゃあ、Gさんに逃げられないようにして頂戴」

「Gさんが逃げる?」

そう言ってGさんの表情を伺うと、また何事も無かったような表情でぼんやりと天井を見つめています。

「ええ、逃げられない様にすることが、この病院、N事務長の責務だと思います」

「せ、責務って・・・少し大袈裟かなあ・・・」

「大袈裟? それって今回の事件を軽く考え過ぎじゃありません」

「そ、そんなことは・・・あ、ありません」 

Gさんの退職のことを聞いて、Iさんは少し興奮気味です。
でも、それは致し方ないことかもしれません・・・

以下 ●●IさんとN事務長Ⅲ●● は114に続く


2011.4.24 日曜日

真実は闇の中 112

医療・介護のよもやま話 — admin @ 17:49:30

●●IさんとN事務長●● 

改めて、Gさんには 『責任を取って貰う』 と宣言するIさんですが・・・相変わらずGさんは、そんなIさんを無視しています。
それにしても、GさんのIさんに対する態度を見て、N事務長は、ある意味羨ましさを感じています。
自分の言ったことに責任を取らず、上手くいけば、そんなこと言っていないと逆切れまで出来る自由奔放?さに・・・
でも、今はそんなことを考えている場合ではありません。
Iさんは予想以上に冷静ですが、Gさんまで黙秘権?を行使して、言葉を発することを止めて、火を通とおす前の貝になっています。
出来ることなら、火の上の網にでも置いて炙ってやりたい気分です。
だからこれ以上、Gさんをこの部屋に居て貰ってもしょうが無い気さえしてきました。

「Gさん、何か言うことはありませんか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
Gさんは、やっぱり無言のまま・・・

「もう、しょうがないなあ・・・貝になってしまったようです」

「最悪ですわ」
Iさんも、呆れています。
でも、GさんはそんなN事務長とIさんの声も聞こえていないような素振りで、視線も二人から外しています。

「Gさん、聞いてますか?」
再び、呆れた口調で問うN事務長にも視線を合わせようともしません。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「N事務長、もうGさんは、無視しましょう」

「ええ、私はいいですけれど・・・Iさんはそれでいいのですか?」

「ええ、このGさんの無言は、責任を取ると認めていることと同じです」

「まあ、そうですねえ・・・」

「それをN事務長に確認して頂けただけで結構です」

「え、ええ・・・そ、そうですか・・・」

「何だか、N事務長まで返事にキレがありませんね」

「そ、そんなことはないですけれど・・・」

「どうされたの?」

「これじゃあ話し合いにならないなあと思いまして・・・」

「そうね・・・でも、Gさんが 『責任を取る』 って言ったことが本当だとN事務長に分かって頂けただけで満足よ」

「そうですか・・・」

「何よさっきから」

「いえ、GさんもIさんに言わなければいけないことはないのかなあと思いまして」

「何それは?」

「Gさん! Gさん!」

大きな声でGさんを呼んでも返事はありません。 返事が無いどころか顔さえこちらに向けません。

「N事務長、きっとGさんは、私やN事務長の声が聞こえないのよ」

「そのようですが・・・それって・・・」

「もういいわよGさんは・・・それで、Gさんが私に言いたいことって何?」

「そうですね・・・このままじゃ到底Gさんは話しそうにありませんから、私が代わりにお伝えします」

「何かしら?」

「Gさんの今後のことです」

「今後のこと?」

「はい」

とN事務長が話し始めた時、Gさんの身体が一瞬ビックと反応して、僅かにN事務長の方に視線を移しました・・・

以下 ●●IさんとN事務長Ⅱ●● は113に続く


2011.4.23 土曜日

真実は闇の中 111

医療・介護のよもやま話 — admin @ 17:04:12

●●Iさんの隠し玉Ⅲ●● 

Iさんは、GさんがIさんに 『責任を取る』 と言ったことを聞いていた患者さんを、いつでも証人として呼ぶことが出来ると言います。
その時、Gさんの表情は、いつもの白けた顔から、自分が想像もしていなかった状況へ追い込まれていくことに反応して、苦虫を噛んだような顔に変化していきます。

「あらGさん、しかめっ面になって、先程までの威勢の良さはどうしたのかしら?」

図星なのか、返事が遅れて返って来ます。
「・・・し、しかめっ面になんてなってないです・・・」

「自分でそのしかめっ面が見えないのかしら?」

「鏡もないのに、自分の顔なんて確認のしようがないじゃないですか」

「そう・・・じゃあ、私の手鏡でもお貸ししましょうか?」

「け、結構です」

「そうよね、鏡で確認するまでもなく、自分の顔の筋肉が強張っていることぐらいお解りになりますよね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「さてN事務長、これからどうなさりますか?」

「どうしましょうか・・・」

「さすがのGさんも、ぐうの音も出ないようですしねえ」

「でも・・・」

「N事務長、でも何かしら?」

「もしかしたら、Gさんにも言い分はあるかもしれません」

「そうね・・・いいわ。 証人がいることを前提にして、Gさんの言い分を聞かせて貰いましょう」

「というとですから、Gさん、反論があればどうぞ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

どうしたことか、Gさんは顔の表情を消してしまいました。
何も聞かない、何も聞こえていない、だから返事もしないと言わんばかりの表情です。

「Gさん、Iさんの言ったこと聞いていましたか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「Gさん、意見があれば言ってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「Gさん」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「N事務長、これで分かったでしょ」

「え、ええ」

「Gさんて人は、自分に都合が悪くなるとこうなのよ」

「Gさん、何も話さない? 喋らない? 黙秘権ですか・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「もう、このくらいにしましょう」

「はあ・・・」

「これ以上は、何を話しても、聞いても、Gさんから答えは出てこないでしょう」

「そうですかねえ」

「そうですわ」

「Gさん、いいのですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「ほら、黙っているのがその証拠です」

「そうですねえ・・・」

「Gさん、あなたには・・・どんな形になるかは分かりませんけれど、何らかの責任を取って頂きますわ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

以下 ●●IさんとN事務長●● は112に続く


2011.4.22 金曜日

真実は闇の中 110

医療・介護のよもやま話 — admin @ 11:32:46

●●Iさんの隠し玉Ⅱ●● 

GさんがIさんに対して 『責任を取る』 と言ったことを、他の患者さまが聞いていたようです。
寝耳に水のGさんは、これからどんな対応をするのでしょう。

「Iさん、他の患者さんが聞いていたというのは本当ですか?」

「ええ、そうよ」

「おかしいなあ・・・」

「何がおかしいの?」

「そんなに大きな声で言ってないのにと思って・・・あっ!」

「ほら、N事務長聞いた?」

「え、ええ」

「今、Gさんが言ったこと、聞いたでしょ?」

「ま、まあ」

「そんなに大きな声で言ってないのに・・・ですって」

「はい」

「自分で言ったということを認めたということですよね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

N事務長は無言で頷きますが、GさんがIさんの話に割って入ります。

「Iさん、違いますよ」

「Gさん、何が違うの?」

「大きな声で言っていないではなくて、大きな声を出していないという意味で、言った言わないとは別問題です」

「どちらでも、同じじゃないの」

「いえ、後者は大きな声を出していないということだけです。要は、声の大きさを・・・」

「本当にそんなことを思っているの?」

「は、はい」

「この期に及んで、まだそんな戯言を言うの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「やっぱりGさんは、そういう人ね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「でも駄目よ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「自分で言ったことには責任を取って貰います」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「聞いてる?」

「え、ええ」

「Gさん、あなたが1週間様子をみましょう。 もし何かあれば私が責任を取りますと言ったのですからね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「言っておきますけれど、私が責任を取ってくださいとお願いしたのではないですよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「分かっていますか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「さっきから、ずっと黙っているけれど、そのあなたが言った言葉をあの場所に居た患者さまが聞いていたのよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「言い逃れは出来ません。 いつでもその人に連絡させて頂きます。 そして、その人は、いつでも証人になってくれると言っています」

以下 ●●Iさんの隠し玉Ⅲ●● は111に続く


2011.4.21 木曜日

真実は闇の中 109

医療・介護のよもやま話 — admin @ 13:41:06

●●Iさんの隠し玉●● 

N事務長が想像していたよりも、Iさんが落ち着いて話し合いをしていた理由が判明しました。
Iさんは、隠し玉を持っていました。
そういえば、IさんはN事務長にも、最初はGさんが 『責任を持つ』 と言ったことを言いませんでした。
今回もIさんは、N事務長もGさんも気付いていない、そして知りえない新しい事実を突き付けてきました。
Iさん以外にも、Gさんが 『責任を取る』 と言った言葉を聞いていた人がいるというのです。
それは、どういうことで、一体誰が聞いていたのでしょうか?
これは、Gさんにとっても寝耳に水の発言です。
一体Gさんは、これからどんな反応をするのでしょう・・・

「ですから、誰がそんなことを聞いていたというのですか?」

「それを聞いてどするの?」

「どうするのって・・・」

「その人を口止めしようと思っているのかしら?」

「口止め?」

「推理小説じゃないから、口止めの為に殺人事件が起こったなんてことにならない様にお願いします」

「さ、殺人事件? なんで私が人を殺さなければいけないのですか?」

「でもGさんなら、それくらいのことしそうですよね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうなの? 自分の口で 『責任を取る』 って言ったと認める気になりましたか?」

「だから・・・」

「だから、何かしら?」

「だから誰が・・・私から 『責任を取る』 って言葉を聞いたと言っているんですか?」

「やっぱり、知りたいのね」

「それは・・・それを聞かなければ、Iさんが嘘を言っていることを証明出来ないじゃないですか」

「私が嘘をついている?」

「え、ええ」

「よくもまあ、まだそんなことを平然と言えるのね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「だから、何処のどいつが、そんなこと言っているんだよ!」

あれあれ、N事務長の予想と違い、IさんではなくてGさんがキレ気味です。
いつも白け気味なGさんがキレるということは、それだけ追い詰められていることの証明?

「それは・・・」

「誰だって言うんだよ!」

「患者さんです」

「患者だって?」

「ええそうよ」

「どの患者だって言うんだよ!」

「そんなこと、Gさんには教えられません」

「それじゃあ、私が言ったという証明は出来ないだろ!」

「あの日、私と同じ時間にリハビリを受けていた患者さんを調べればいいじゃありませんこと?」

「そ、そうは言っても、あの時間は10人以上リハビリ室に居たからなあ・・・」

「でも、一人ずつお聞きになればいいじゃありませんか?」

「う、うん・・・」

「全員が知っていたりして」

「ぜ、全員・・・」

「かもしれないってこと。 仮定です。仮定。」

以下 ●●Iさんの隠し玉Ⅱ●● は110に続く


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