真実は闇の中 149
●●Iさんの息子さんⅦ●●
Iさんに、Iさんの息子さんを交えた話し合いが始まりました。
H先生から提案された再手術については、Iさん本人も納得の上、その方向で進むつもりだという返事を頂きましたが・・・ただし、いろいろと・・・Iさんなりの条件があるようです。
「足代ですか」
「そうよ、この○×病院ならば、送迎の車があるからお金も掛からないけれど、H先生の紹介してくれる△△病院っていえば・・・電車に乗って、それも乗り換えがあって、最寄駅からもバスでしょ?」
「そうなりますねえ」
「それに・・・それ以前に、私の場合、家を出て電車に乗る為にバスを使って30分以上掛かるわ」
「そうですか」
「バスに乗って、電車に乗って、またバスに乗って・・・病院に着くまでに2時間くらい掛かるじゃないの」
「確かに、その通りです。 この病院からだと、車でも30分ですから、公共交通機関を使えばそうなりますねえ」
「それについては、どう思いますか?」
「そうですねえ・・・」
「息子に送って貰おうと思ったけれど、息子も仕事をしてますからね」
「はい・・・」
「息子の嫁は、車の運転出来ないしね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「どう、何か方法はある?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「タクシー使って、タクシー代を出してくれるとか」
「分かりました」
「じゃあ、タクシーを使わせて頂くわ」
「いえ、そうじゃなくて・・・」
「そうじゃない?」
「ええ、まだ確認はしていませんが、Iさんの場合、△△病院ではこんな診察の形になると思います」
「どういうこと?」
「完全に紹介での診察ですから、時間も指定されると思います」
「それは、そうよね」
「初回の診察で腕の状態を確認して、手術日、入院日が決まるということです」
「ですから、1回目の診察と入院の当日は、当院の車で送迎します」
「家まで来てくれるの?」
「ええ、ご自宅でも構いませんし、この病院からでもいいですよ」
「そ、そう・・・」
「お母さん、いいじゃない」
「そうね」
「それなら、僕も仕事を休んだり、仕事の都合をつけなくても済むし、そうして貰ったら?」
「分かったわ」
「それでは、初回の通院日や入院日が決まり次第、手配をさせて頂きます」
「お願いするわ」
「了解しました」
「これで、足は確保出来たわ」
「お役に立てて良かったです」
「でもね・・・問題はここからよ」
「問題?」
「そうよ」
「何でしょうか?」
「何でしょうか? なんて惚けても駄目よ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ついに、今回の話の本題に突入のようです。
序盤は軽くジャブの打ち合いで済みましたが、中盤も序盤同様上手く話が進むことを祈ります。
以下 ●●Iさんの息子さんⅧ●● は150に続く