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医療・介護のよもやま話

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2009.11.22 日曜日

行き場のない患者42

医療・介護のよもやま話 — admin @ 14:25:45

●●事務長室からの眺め●● 

捨て台詞を残して茶髪作業着君はTさんをのせた車椅子を押して内科診察室を出ていきます。
何を言っても、自分達の都合のいいようにしか理解出来ない、図々しさに半ば呆れ、E内科部長は苦笑しています。
看護部長は、肩をすくめ、可哀相な人を見るような目をしています。
外来当直看護師は、救急処置室へ戻り、さっさと後片付けを始めます。
N事務長は、憮然としているE内科部長と看護部長に、
「御苦労さまでした。中々思うようにいきませんね」
と声を掛けると、

「どうしたものかな・・・」
とE内科部長のウンザリした声に、

「あの子達は一体何を考えているんでしょうね」
と看護部長が応えます。

「まだ、これから頻繁に来院することになりそうですね」
とN事務長が呟くと、

「そうならなければいいですが・・・」

「看護部でも対策練らなくてはいけませんね」
と、2人の言葉が空しく響きます。

「今後の対応を考えましょう」
とN事務長が提案すると、

「そうですね」 「そうしましょう」
と2人は即座に答えます。

「じゃあ、一旦事務長室に戻って、片付けして来ますので、10分後でいいですか?」

「了解しました」 「私も看護部長室を片付けてから、もう一度まいりますわ」

「それでは、10分後にこの場所でいいですか?」

「了解」 「OKよ」

N事務長は、片付けと言いましたが、実はもう一つ目的がありました。
それは、事務長室から帰っていくTさんの様子を見ることです。
このまま普通に帰っていくとは思えません。

N事務長は足早に事務長室に戻り、部屋の電気を消して窓辺に向かいます。
窓から外の様子をブラインド越しに伺うと、Tさんを乗せた車椅子が病院の正面から救急搬送入口、駐車場に向かう角を曲がったところです。
Tさんの車椅子を押しているのは、茶髪作業着君ではなく付添で来ていたこれまた茶髪の若い男性です。
茶髪作業着君は車椅子の横をTさんと話しながら歩いています。
病院の正面から角を曲がり切ったところで、車椅子が止まり、Tさんが立ち上がります。
そのまま、車椅子を押していた若い男性は回れ右をして正面玄関の方へ戻っていきます。

あれっ?
Tさんが普通に歩いています・・・
今度は茶髪作業着君に何か言っているようです。
窓を少し開けて耳を澄ますと、

「おい、どうしてあんな話しになったんだよ?」

「そんなこと言われても・・・」

「はっきりしろよ!」

「突然、診察室に来てくれって言われて・・・」

「何で、オマエが私の代わりに話してるんだよ!」

「そんなこと言っても・・・」

「大体、頭が悪いんだよ、オマエは!」

「T、そんなこと言うなよ」

「今日帰ったら、説教だかんな!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

なんで?
Tさん、診察室の中とは打って変わって随分元気じゃないですか?

以下 ●●Tさんと茶髪作業着君●● は43に続く


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