行き場のない患者135
●●ノッポ君の再コンタクトⅣ●●
ノッポ君の話は長くなりそうですが、ここは我慢して、ノッポ君の話に耳を傾けることにします。
「それで、○×病院が一番良かったっていうのは、どういう意味ですか?」
「患者さま目線というか、患者さまには決して上から物を言ったりしないし、患者の言うこともある程度は聞いて貰える。先生方も話を聞いた上で治療をしてくれたし、それが夜間だろうと、どんなに夜遅くでも嫌な顔をしないで診てくれたって言うんです」
まあ、それは当院の方針ですから、当たり前のことです・・・
「そうですか・・・」
「それに、看護師やその他の職員、医療従事者って言うんですか?・・・皆さんとっても優しくて、いつも笑顔で対応してくれたって言うんです」
それも、至極当たり前のことです・・・
「お褒め頂きまして、恐縮です」
「そんな○×病院さんを敵に回したって、言ってました」
本当かな?
「敵じゃありません。単に、意見の相違、当院で診られる患者さまじゃなかっただけです」
「そんなことありません。○×病院さんに来られなくなって色んな病院や診療所に行ってるようですが、やっぱりこの病院が一番だと思っているようです」
「そうですか・・・それは残念でしたね・・・」
「残念というか、まだ未練があるようなんです」
「何に対して? 何の未練ですか?」
「それは決まっているじゃないですか」
「えっ? 何が決まっているの?」
「N事務長、何か近隣の診療所やクリニックから言われていませんか?」
「イヤ、何も・・・」
まさか?
「そうですか・・・それならば良かった」
「何が良かったんですか?」
「いえ、どの診療所やクリニックに行っても希望の薬を処方してくれないようで、その度に○×病院の名前を出しているみたいなんです」
ワザと名前を出しているの?
「へー、そんなこと何も言われてませんけど」
「そ、そうですか・・・それならば良かった・・・」
んっ? やっぱりノッポ君も共犯なの?
「何故、良かったんですか?」
「他の診療所やクリニックの先生達から、病院に文句やクレームが来たりしないのかなと思いまして・・・」
「そんなことありません」
「そうですか・・・」
まさか、それを狙って、ワザと近所の診療所やクリニックで騒いでいたとか?
ウーン。Tさんなら遣りかねない・・・
よし、ここは一つ、カマを掛けてみましょう。
「そんなことがあったんですね」
「ええ・・・」
「近所の診療所やクリニックで当院の名前を出してしまったから、そのことで我々が何か言われているかも知れないということで心配して、今日はわざわざ来て頂いた訳だ」
「ま、まあ心配というか・・・ご迷惑というか・・・」
「近所の診療所やクリニックから何も言われていなくて、安心しました?」
「ええ、安心というか・・・」
「残念でしたか?」
「ええ・・・い、いや、残念なんて・・・」
ビンゴ。
これは、ワザと当院の名前を出して、他の診療所やクリニックからの圧力で出入り禁止を解除しようとしたな。
そうは、いきません。
以下 ●●ノッポ君の再コンタクトⅤ●● は136に続く