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医療・介護のよもやま話

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2010.3.8 月曜日

行き場のない患者147

医療・介護のよもやま話 — admin @ 18:28:35

●●O弁護士Ⅷ●● 

自分で書いた報告書を抱えて、事務長室から応接室に戻るとO弁護士は腕組みをしたまま頭を右に傾けています。
また考え事でしょうか?
O弁護士の気持ちも分からないではありませんが、ここはこのまま駄目押しといきます。

「持ってまいりました」

「そちらは、N事務長が作成されたものですか?」

「ええ、そうです」

「それでは拝見させて頂きます」

「自分のことですが、感情的にならないように・・・客観的に、第三者的立場で作成しましたことを付け加えさせて頂きます」

「分かりました・・・」

O弁護士はそう言うと、N事務長が作成した報告書に目を通しはじめます。
さすがに書類に目を通すのは早く、次々とページを捲っていきます。
そのページを捲るスピードが落ちたのは、添付資料であるN事務長の受傷写真、会議室の散乱した机、椅子の写真のページからです。
ちょっと、声を掛けてみることにします。

「どうですか?」

「んっ。 ええ・・・」

「どうされましたか?」

「いえ・・・」

すると、応接室がノックされます。
「はい」

「頼まれましたN事務長のカルテをお持ち致しました」

声の主は医事課長です。
「どうぞ入ってください」

「失礼します」
そう言って、医事課長は、N事務長のカルテをN事務長に手渡します。

「ありがとう。ご苦労様でした」

「他に何か必要なものがあればお言いつけ下さい」

「そうですね、申し訳ありませんがお茶をお願い出来ますか?」

「はい、かしこまりました」

普段は来客にお茶など出しませんが、O弁護士も思惑が大きく外れてお疲れのようですから、ここはサービスしておきましょう。
給湯室にお茶を入れる為に医事課長が退出したの確認してから、カルテをO弁護士に差し出します。
開いたページは、診察の時に書いて貰った診断書が貼ってあるページです。

「どうぞ、参考までにご覧ください」

「は、はい・・・それでは・・・」

そう言って、O弁護士は、もうどうにでも成れというようにゆっくりした動作でN事務長からカルテを受け取ります。

「ご確認だけでもと思っております」

「はい・・・」

「どうですか?」

「ええ・・・完璧です」

「完璧?」

「はい、良く出来た報告書です」

「お褒め頂いているわけですか?」

「いえ、客観的にそれでいて内容もしかっりしていますし、場の臨場感もよく表現されています」

「はあ・・・」

以下 ●●O弁護士の見解●● は148に続く


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