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医療・介護のよもやま話

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2010.4.26 月曜日

家族の形19

医療・介護のよもやま話 — admin @ 17:47:17

●●Bさんのご主人と病棟師長●● 

奥さんの病室へ案内するという病棟師長の言葉を無視して、つい先ほど乗って病棟に上がってきたはずのエレベーターホールに向かうBさんのご主人。
Bさんのご主人の突然の行動にそれまでカウンター越しに入院説明をしていた医事課入院係とその背後で様子を見守っていたN事務長は口を開けたまま固まっています。

本来ならば、この後、病室で奥さんと対面して、せめて 「遅くなってゴメンね」 と言葉を吐くのがセオリーでしょ?
そして、主治医から今後の治療方針の説明があって、「どうでしょうか? 元気になりますか?」 と聞いて欲しいものです・・・

フリーズしている2人に反して、病棟師長は機敏な動きを見せました。
Bさんのご主人と反対の方向へ向いていた身体をUターンさせて、Bさんのご主人の元へ駆け寄ります。

「Bさん! どちらへ行かれるの? 奥さんの病室はそちらじゃありませんわ」

「はあ・・・」

「さあ、こちらです」

病棟師長はそう言うと、傍から見ても分るほどの力でBさんのご主人の腕を掴み、ナースステーションまでBさんのご主人を引きずりだします。

「痛い、痛い。 手を離してください」

「ダメです。こちらにお越しください」

「分りました。分りましたから、もう少し力を抜いてください」

「力は抜きますけれど、手は離しません」

「はい、そうお願いします」

看護師の腕力は恐るべき力です。
どんなにか細く見える腕でも、その組成は筋肉オンリーなんです・・・
N事務長に、以前ふざけて病棟内勝ち抜き腕相撲に興じて、病棟看護師全員に完敗した記憶が蘇ります。

「さあ、こちらに座ってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「さあ、早く!」

病棟師長はそう言って、掴んでいる手とは別の手でナースステーション内のパイプ椅子を指さします。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

それでも、立ち尽くすBさんのご主人の腕を病棟師長は下に引き下げて強引に座らせようとします。

「痛い、痛い・・・」

「痛いんだったら、座ってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「さあ、早く!」

Bさんのご主人は諦めたかのような表情を見せて、病棟師長に指し示されたパイプ椅子に腰を下ろします。
その姿を確認すると、してやったりといった顔をした病棟師長はBさんの腕から自分の手を離しました。

「Bさん、まだお話は終わっていません」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「これから、奥さんの姿を見て頂いて、その後に主治医から治療方針の説明を受けて貰います」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「よろしいですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうなんですか!」

「わ、分りました・・・」

そう言ったBさんのご主人は困惑した表情をしています。
ピンとその先を真横に張っていた口髭と棒タイも、Bさんのご主人の気持ちの表れなのか、先程より心なしか下に垂れ下がっているように見えます。

以下 ●●看護師長のお説教●● は20に続く


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