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医療・介護のよもやま話

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2010.4.28 水曜日

家族の形21

医療・介護のよもやま話 — admin @ 13:05:26

●●病室にて●● 

病棟師長に腕を掴まれて立ち上がったBさんのご主人は、渋々と言った表情で抵抗するべくもなく病棟師長の動きに同調して奥さんの入院している病室へ向かおうとしています。
一瞬、病棟師長はN事務長へ振り返って、ウィンクとも取れない目配せを送りました。
それまでナースステーションの奥で、2人のやりとりを気配を消して見ていたN事務長も病棟師長の目配せで動きを再開します。
N事務長は、2人に近付いていき、Bさんのご主人におもむろに話しかけました。

「お待ちしていました。Bさんのご主人ですね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

ナースステーションの奥で気配を消していたN事務長から突然声を掛けられてBさんのご主人は、ギクリとして声を掛けられたN事務長を見つめます。

「あーすみません。申し遅れました事務長のNです」

「事務長さん?」

何故ここに事務長がいるのかを不思議に思ったのかBさんのご主人は怪訝な表情をしています。
Bさんのご主人のその疑問に答えるかのように病棟師長が間に割ってはいります。

「Bさんに連絡をつける方法が分らなかったので、N事務長に頼んで調べて頂いたの」

「・・・それで、C地区長から電話があったのか・・・」

「出過ぎたマネをしたかもしれませんが、入院をするにあたって、ご家族の了承が必要でしたので、あの手この手で連絡を取らせて頂きました」

「・・・そうですか・・・」

「どうぞ奥様の病室へ行って、奥様を励ましてあげてください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

余分なことを言いやがるとでもいうような一瞥をN事務長にくれたBさんのご主人は、病棟師長へ振り返って、

「さあ、用事を済ませましょう」
と言い放ちます。

用事?
奥様の病室に行くことが、Bさんのご主人にとっては、単なる用事のようです。
やっぱりこの夫婦には、夫婦にしか分からない何かがあるのでしょうか?

N事務長は、病棟師長に目配せを返して2人を見送ります。
病棟師長はまだ安心出来ないのか、Bさんのご主人の腕を持った手を離そうとはしません。
2人がナースステーションから見えなくなってからN事務長は2人の後を追いかけます。
ナースステーションからBさんの奥さんの入院している個室フロアーとの間にはコーナーがあるので、そのコーナーに身を潜めて2人の様子を伺うと、2人がBさんの奥さんの病室の前で何やら話をしています。

「Bさん何をしているの? 早く入りましょう」

「いや、ここで見れば分るから」

「何を言ってるの?」

「妻の顔は見なくても、今、どんな状態なのかはわかるから・・・」

「どうしてそんなことを仰るの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「さあ、入りましょう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「さあ、早く・・・入るわよ」

そう言って病棟師長は、開け放たれた個室のドアから無理やり引きずり込むようにBさんのご主人の腕を引っ張りはじめます。
Bさんのご主人の左腕が病棟師長の姿とともに病室に入り、その腕が出たり入ったりを繰り返した後、グイっと引っ張り込まれるようにBさんのご主人の体が病室の中へと消えました。

この往生際の悪さは一体何?

以下 ●●病室にてⅡ●● は22に続く


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