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医療・介護のよもやま話

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2010.4.29 木曜日

家族の形22

医療・介護のよもやま話 — admin @ 16:31:24

●●病室にてⅡ●● 

Bさんのご主人と病棟師長が病室の中へ入ったのを確認すると、N事務長はBさんの奥さんの入院している個室の前まで移動します。
個室のドアは開いたままになっているので、中から2人の声が聞こえるはずです。
案の定、中からは2人の会話が聞こえてきました。

「Bさん、そんなところに立っていないで、もっとベッドに近寄ってください」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「何か仰った」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「Bさん、ご主人が心配して来てくれたわよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「あら、ご主人が来たこと分っているようよ! 何だか顔が微笑んでいるし、声は出せないけれど頷いているわよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「Bさん、手ぐらい握ってあげたら?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「もう、逃げないで! 奥さんのことよく見てあげれば!」

どうやら、病室の中では病棟師長の独壇場のようです。
病棟師長の様子からすると、Bさんのご主人は部屋に入ったけれども隅の方でじっとしているみたいです。

病室の中の2人の会話を耳を欹てて聞いていると、誰かがN事務長の肩を叩きました。
N事務長が振り返ると、そこにはBさんの奥さんの主治医であるE内科部長が立っています。
E内科部長はN事務長を不審者でも見るかのように、横目で見ながら、

「N事務長、何してるんんですか? 変ですよ!」 
と他人に聞こえないように、小さい声で囁きます。

N事務長は、部屋の中を右手親指で指し示しながら、
「どうもご主人の様子が普通じゃないので、様子を伺ってました」 
と、これまた小さな声で答えます。

「医事課に聞いたけれど、何だか入院手続きが終わったら帰ろうとしたんだって?」

「そうなんです」

「どういうこと?」

「さっぱりわかりません」

「奥さんに会いたくない理由でもあるのかな?」

「夫婦だけが知っている理由ですか?」

「そうだけど・・・でも、そういうことには立ち入れないし、立ち入らない方がイイよね」

「先生の判断にお任せします」

「ああ、治療に関して聞かなければならないことだけは聞くつもりです」

「ええ、私もここから中の話を聞かせて頂きます」

「そうしてください」

E内科部長はそう言うと、開いているドアをノックして、「失礼します」と言いながら病室の中へ入っていきました。
中では、病棟師長がE内科部長をBさんのご主人に紹介しています。
E内科部長はならば、このBさん夫婦の微妙な関係のヒントを、Bさんのご主人から、何か聞き出してくれるかもしれません。

以下 ●●病室にてⅢ●● は23に続く


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