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静和病院不正請求、元院長に実刑判決

静岡地裁支部
 診療報酬を不正請求してだまし取ったとして詐欺罪に問われた「静和病院」(静岡県東伊豆町奈良本)の元院長・吉田晃被告(71)と、詐欺罪や健康保険法違反に問われた元同病院事務長・水谷信子被告(75)の判決が10日、静岡地裁沼津支部であった。片山隆夫裁判長は吉田被告に懲役6年6月(求刑・懲役7年)、水谷被告に同5年6月(求刑・同6年)を言い渡した。

 判決によると、吉田、水谷両被告は2006年4月、同病院の元総婦長(57)(詐欺罪で執行猶予付き有罪判決が確定)らと共謀し、一般病棟の入院基本料について、看護師数を水増しするなどした虚偽の書類を作成し、静岡社会保険事務局(現・東海北陸厚生局静岡事務所)に提出。計約8700万円の診療報酬をだまし取った。

 また、水谷被告は06年7月と07年7月、アルバイトや非常勤の看護職員が常勤看護師として勤務したように装い、実際よりも多い給与を記載した書類を三島社会保険事務所に提出した。両被告は初公判から一貫して詐欺罪について無罪を主張していた。

2010年3月10日 読売新聞

2010.03.10



子どもホスピス、日本にも 3カ所、重病の子や家族滞在

 重い病気や障害と共に生きる子どもや、その家族を支える日本初の「子どもホスピス」が、神奈川県大磯町と奈良市、北海道滝川市の3カ所で、今年から2012年にかけて開設される。365日間、病や障害とともに暮らす子どもや家族が「第二の家」として滞在し、つかの間の休息を得られる場の整備を進めている。

 子どもホスピスは英国で誕生し、重い病気や障害の子らを短期間預かる施設として同国などで広がっている。

 小児科医らでつくる「小児在宅医療・緩和ケア研究会」代表の細谷亮太・聖路加国際病院副院長によると、こうした施設は日本にはまだない。自然に囲まれた自宅のような環境で家族も宿泊でき、周辺の医療施設との連携を目指しており、研究会は神奈川県大磯町の古民家を利用して開設することにした。

 古民家は、子どもたちに命の授業をするNPO法人「生きるちからVIVACE(ビバーチェ)」が提供する。代表の甲斐裕美さんの義父は小児まひで足が不自由な中、企業の会長を務め、大磯の古民家を所有。4年前に肺がんで亡くなる前に「最先端の医療でも助からない人のために使って」と言い残していた。

 14年前、脳腫瘍(しゅよう)だった7歳の息子を自宅でみとった浜松市の加藤真弓さん(47)も活動に協力する。「当時はほとんど眠れない状態が続いたが、外に助けを求めてはいけないと思っていた。そういう場があるだけで安心できる」

 研究会は新たにNPO法人をつくり、周辺の医療施設と連携。2年後の開設を目指す。細谷さんは「子どもはもちろん、看病にかかりきりの親、親に甘えるのを我慢しているきょうだいが、休息できる場を提供したい」と話す。

 奈良市では東大寺の宿坊「華厳(けごん)寮」を、ホスピスとして利用する計画が進む。京都大付属病院遺伝子診療部の富和清隆教授が4月に東大寺福祉療育病院に移り、寺と協力して運営方法を検討する。

 富和さんは東大寺近くの高校出身で、京都大での任期が切れるのを機に、地元に戻り社会貢献したいと考えていた。企業や専門家らと組み、どんな環境なら過ごしやすいのか、研究プロジェクトの立ち上げも計画している。

 富和さんは「寺は昔から、地域の人の安らぎの場だった。旅行もままならない人たちが、くつろげる場所を目指したい」と話し、年内の一部開設を目指している。

 北海道滝川市では、難病児のための野外施設「そらぷちキッズキャンプ」で今春からホスピス建設が始まる。(岡崎明子)

2010年3月10日 朝日新聞

2010.03.10



ドクターヘリに広告…装備・消耗品費 確保

救急医が呼びかけ実現

 日本医大千葉北総病院(印旛村)が、ドクターヘリに企業広告を掲載する取り組みを試験的に実施している。

 制度上、国庫補助金の対象外となるヘルメットなどの装備品・消耗品の購入費を確保するのが狙い。広告掲載は担当医師が留学先の英国で実施されているのを知り、国内に戻って企業などに協力を呼びかけて実現した。厚生労働省は「公益性の高いヘリだが、広告の掲載は問題ない」としており、全国的にも珍しい試みという。

 ドクターヘリ事業は、病院が国と県から1機当たり年間計1億7000万円を支給されて運営する国庫補助事業。ただ、補助の対象は人件費や燃料費などに限られており、機内で医師らが着用するマイク付きヘルメット(30万円)やユニホーム(9万円)の費用は、病院が負担している。

 「夏の機内はサウナ状態。それでもヘルメットを使い回さねばならない現状を変えたかった」。月に3度のペースで搭乗している救急医・松本尚医師(47)はそう語る。同院では医師・看護師計30人体制で任務に当たっているが、ヘルメットの数はわずか四つ。「できれば1人1個は持ちたい」。松本医師には、良い医療サービスを提供するための環境を整えたいという思いがある。

 転機は2008年。留学先のロンドンで、ドクターヘリの機体や医師のユニホームに広告が満遍なく掲載されている光景に驚いた。「日本でもやれるのでは」。帰国後、大手自動車会社などを自ら回り、自身の思いや海外の事例を訴えている。そうした中、手を挙げたのが都内の生命保険会社だった。

 広告効果は未知数。年間約700回の出動数を誇る同院のヘリだが、ある広告会社には「空を飛ぶ物に広告の価値はない」と一蹴(いっしゅう)され、手を挙げた生保会社も「社会貢献であり、広告は掲載しなくていい」という申し出だった。松本医師は「寄付ではメリットが双方に生まれず、取り組みも発展しない。頼み込んで、掲載してもらうことにした」と話す。今回は寄付名目で100万円を受け取り、昨年12月から機体の後部に社名の掲載を始めた。実際の広告料の設定は、今後の検討課題となる。

 掲載を了承した厚労省は、「公益のイメージにそぐわないものや、薬品会社など医療への影響力が強い企業はNG」とするが、前例はなく、現時点で明確な基準はない。また、県は「有用な取り組み。今後、病院が広告を募る際には、その周知に対し出来る限りの協力をしていきたい」と前向きな姿勢を見せている。

 広告効果を上げるため、松本医師は今後広告が載ったヘリのポスター製作も検討しており、「必要な費用が足りないなら、自分たちで知恵を絞って生み出せばいい」と、この取り組みを本格化させていく考えだ。

2010年3月10日 読売新聞

2010.03.10



救急搬送方法の誤り認定…埼玉

地裁 骨折男性側へ賠償判決
 救急搬送の際に右肩を骨折したのは救急隊員のミスだったとして、骨折した朝霞市の男性の妻(69)が、隊員が所属する朝霞地区一部事務組合に約2870万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、さいたま地裁であった。広沢諭裁判官は「誤った搬送方法を選択した注意義務違反があった」として、組合に約730万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は体のまひや失語症の障害があり、2006年1月、息苦しさを訴えて組合に救急車の出動を要請。隊員2人が男性を両脇からはさみ、男性の腕を自分の首に回し、足を抱えて搬送した際、右肩を骨折した。男性は07年2月、77歳で死亡した。

 判決は「男性は障害から手足の動く範囲に制限があり、骨折などが生じる可能性を十分認識できた。より安全な方法で搬送し、危険を回避することが可能だった」と隊員らの過失を認定し、「明らかに不適切とは言えない」とする組合側の主張を退けた。

 原告代理人によると、救急搬送時の隊員の義務違反を認めた判例はないという。判決後、記者会見した妻は「高齢化社会ではこうした事故が起こりうる。夫の死が無駄にならないよう、関係当局はしっかり対策を取ってほしい」と訴えた。

 組合管理者の松本武洋・和光市長は「判決を精査したうえで対応を慎重に検討したい」とコメントした。

2010年3月10日 読売新聞

2010.03.10



「母恋」が社会医療法人に…企業系で初

日鋼記念病院など経営

 室蘭市の日鋼記念病院=写真=や札幌市東区の天使病院などを経営する医療法人「母恋」(室蘭市)が、今月1日付で社会医療法人に認定された。企業系の医療法人が社会医療法人になったのは全国で初めてという。

 社会医療法人は収益事業や福祉事業などの事業展開が可能なうえ、医療保険事業の法人税は非課税で、社会医療法人債の発行など優遇措置も認められるため、病院の経営基盤が強化できる。特定の医療分野で一定の要件を満たし、公益性が高いことが認定の条件だ。

 「母恋」の全額出資会社の日本製鋼所が昨年11月、出資金6億8000万円の全額放棄を承認した。天使病院は周産期医療の分野で、日鋼記念病院が救急や小児救急などの分野で実績が評価されて、「母恋」が社会医療法人に認定された。両病院はいずれも今年で開設100年目を迎えるため、二重の喜びになった。

 室蘭市内で記者会見した「母恋」の勝木良雄理事長は「社会医療法人の認定で、私どもの社会への貢献が認められたと認識している。今後の責務も重く受け止めている」と抱負を話した。

2010年3月10日 読売新聞

2010.03.10



トランス脂肪酸、表示指針作成へ…消費者庁

 マーガリンやケーキ作りに使うショートニングなどに含まれ、心臓疾患のリスクを高めるとされるトランス脂肪酸について、消費者庁は9日、食品含有量表示の指針を今年夏までに作り、メーカーに容器表示やホームページを通じた情報開示を求めると発表した。

 トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させる一方、善玉コレステロールを減少させることから、欧米などでは含有量が規制されている。日本人の摂取量は欧米に比べて少ないと言われるが、表示や規制を求める声が消費者団体などから上がっていた。

2010年3月9日 読売新聞

2010.03.09



脊髄損傷の改善、マウス実験成功…奈良先端大

 脊髄(せきずい)損傷の症状を、神経幹細胞の移植と抗てんかん薬の併用によって大きく改善させることに、奈良先端科学技術大学院大の棈松(あべまつ)昌彦研究員らがマウスの実験で成功した。

 後ろ脚のマヒしたマウスの7割が歩けるようになった。18日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 神経幹細胞は、信号を伝えるニューロン(神経細胞)、そこに栄養を供給する細胞などのもとになるが、脳や脊髄の損傷部では幹細胞を移植しても大半が栄養供給細胞になり、新たなニューロンはほとんど作られなかった。

 グループはこれまでに、抗てんかん薬のバルプロ酸が、神経幹細胞のニューロンへの変化を促すことを発見した。

 今回、脊髄損傷のマウスに、遺伝的に同系の胎児マウスから採った神経幹細胞を移植し、同時にバルプロ酸を注射した。6週間後には21匹中、15匹が後ろ脚を使って歩けるまで回復した。

2010年3月9日 読売新聞

2010.03.09



医学教育への「献体」20年で倍増 登録制限の大学も

 自分の遺体を医学教育の解剖実習に提供する「献体」の登録者が全国の大学で増えている。この20年で倍増した。希望者が多く、登録を制限したり、一時停止したりする大学も出てきた。映画や小説で取り上げられ、認知度が高まったほか、自分や家族の体にメスが入ることに抵抗感が薄れるなど、死生観や家族関係の変化が背景にあるようだ。

 献体の希望者は、無報酬、無条件で大学や献体篤志家団体に登録する。亡くなると遺族が連絡し、毎年、3500人前後が解剖されている。篤志解剖全国連合会によると、登録者数は累計で、1988年度は計約10万人だったが、2008年度は計約23万3千人に。高齢者が大半だ。88年度に解剖された3653人のうち、献体の割合は56%だったが、08年度は3407人のうち95%にまで増えた。献体以外は、行き倒れなどの死者だ。

 登録を制限する大学も出てきた。広島大は10年ほど前から登録を抽選にした。「倍率」は約2倍だ。東京大は5年ほど前から登録者を制限。近畿大は2年ごとに50人前後を登録する。現在は約200人が登録待ちという。

 増加の理由について、篤志解剖全国連合会長の坂井建雄・順天堂大教授(解剖学)は「口コミで増えている。社会的に認知されるようになったほか、家族関係がクールになったのも一因では」という。家族の遺体にメスが入ることに抵抗感を持つ人が多かったが、近年は本人の意思を尊重する傾向が目立つという。

 大阪市立大の献体篤志家団体「みおつくし会」の坂道夫理事長(84)は93年、母親の死亡をきっかけに登録した。「家族に『変わったことするなあ』と言われたが、説得した。母がいれば、献体を嫌がったかもしれない」と話す。

 一方で高齢者から「身寄りがないので献体したい。遺骨を大学の納骨堂に入れてほしい」との要望も一部あるという。一人暮らしだったり、墓の世話で家族に迷惑をかけたくなかったりという事情が見え隠れする。こうした場合、献体の趣旨に反すると、登録を断ることもある。

 小説や映画の影響もあるようだ。歌手さだまさしさんが04年に発表した小説「眉山」では、献体登録する母親が登場する。徳島で一人暮らしの母が末期がんになり、東京に住む娘に内緒で献体登録するというエピソードがある。07年には映画にもなった。

 ロケ地になった徳島大では01年には登録者が少なく、解剖実習も危ぶまれていた。しかし、現在は1千人が登録、年間の登録者数を40人に制限しているほどだ。

 徳島大の福井義浩教授(解剖学)は「映画の公開以降、献体への問い合わせが増え、登録者は何割か確実に増えた」と話している。

     ◇

 〈献体〉 大学の医学部や歯学部で行われる人体解剖の実習用教材などとして、自分の遺体を無条件、無報酬で提供すること。解剖は人体の仕組み、構造を調べるもので、死因などを調べる病理解剖とは違う。登録には配偶者、親や子ら肉親の同意が必要。遺体は大学が火葬し、遺骨は遺族に返還される。ただし、防腐処理のほか、一般的に解剖の実習期間は数カ月に及ぶため、遺骨の返還には2~3年かかる。遺族がいない場合、大学などの納骨堂に収蔵される。

     ◇

 香西豊子・東京大特任研究員(医療社会学)の話 大学や登録団体は献体の仕組みを作り、周知を図ってきた。また、自分が死んだ後のことを考える人も増えた。その二つがかみ合い、献体が一つの選択肢になり希望者が増えたのではないか。墓や葬式にお金をかけたくない、家族に迷惑をかけたくないなどの事情もあるかもしれない。

     ◇

 歌手で作家のさだまさしさんの話 献体をしようと思う、そんな友人の一言から興味を持った。人生を終える時に、医師を育てる、という大切な役にたてるなら、それもありだな、と。また、そんな思いを医師はちゃんと受け止めて欲しい、とこのテーマを小説にした。支え合うことを書きたかった。

2010年3月9日 朝日新聞

2010.03.09



後期医療見直し、新たに最大1.2兆円必要 厚労省試算

 75歳以上を独立させた後期高齢者医療制度(後期医療)に替わる新制度について、厚生労働省は8日、65歳以上が全員、市町村の国民健康保険に加入する仕組みに変えた場合の財政試算を明らかにした。後期医療の「公費負担5割」を65歳以上に広げると、公費は新たに1.2兆円必要になるという。

 試算は、後期医療廃止後の制度を検討する「高齢者医療制度改革会議」で示された。高齢者の保険料は現行と同額とした上で、公費負担の変化や、医療保険財政への影響について2通りを計算した。

 公費負担を、後期医療と同様に「75歳以上の医療給付費の5割」(5.5兆円)とすると、公費は現行より9千億円減る一方、国保の負担は8千億円増える。ただ、厚労省は「公費が減る分を国保に回せば、財政影響は全体としてあまり大きくない」とする。

 大企業に勤める人らが加入する健康保険組合の負担も2千億円増えるが、中小企業勤務者らが加入する協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)の負担は1千億円減る。

 公費負担を「65歳以上の医療給付費の5割」(8兆円)とすると、公費は1.2兆円増え、国保も5千億円の負担増となる。逆に、健保組合は7千億円減、協会けんぽは8千億円減。同省は「公費増に加え、市町村国保の負担軽減策も必要になり、ハードルは高い」とみる。

 さらに、患者の窓口負担を変更した場合の影響額も示された。65~69歳の自己負担を現行の3割から2割に下げると、自己負担は総額で1600億円減る一方、保険からの持ち出し分が増えるため医療給付費は3500億円増加。1割負担にすると、自己負担は3500億円減る一方、給付費は7200億円増える。

 70~74歳の自己負担は本来2割だが、現在は予算措置で1割に抑えられている。これを2割負担に恒久化すると、自己負担は1700億円増える。

2010年3月8日 朝日新聞

2010.03.08



生徒ら35人が結核感染、9人発症 東京の中高一貫校

 東京都は8日、私立聖徳学園中学・高校(武蔵野市)で結核の集団感染があり、中学・高校の生徒30人と教員5人の感染が確認されたと発表した。このうち生徒9人が発症している。昨年6月に発症した生徒は4医療機関で診察を受けたが、11月まで感染を確認できなかった。都は「発見の遅れが感染拡大の一因になった」として、都内の医療機関や学校に結核の早期発見に努めるよう通知した。

 都と同校によると、昨年4月に生徒1人が発症。別の生徒が6月以降、発熱やせきが続いたため4カ所の診療所で受診したが、いずれも気管支炎などと診断された。11月下旬になって総合病院で結核の診断を受けたが、症状が進み、現在も入院中という。

 保健所などが11月以降、6月に発症した生徒と接触があった生徒・教員らを検査したところ、新たに33人の感染がわかった。いずれも周囲に感染させる可能性は低いという。同校は今月中にも全生徒・教員の検査を実施する。

2010年3月8日 朝日新聞

2010.03.08